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第4話~洗濯機の宣伝~

もし富士山の頂上にエビマヨネーズのおにぎりが売っていたら私は500円でも買うだろう。

高校3年生の頃、政治経済の本で読んだ。アダム・スミスが唱える価格形成のメカニズム「神の見えざる手」が機能しているのだ。センター試験の常連であり、思春期の高校生でも知っている。そんな彼らも後に大学の経済学の授業で習うことになるだろうが、神の見えざる手の本質は「希少性」なのだ。極寒の山頂にミネストローネでもあれば御の字で喜んで大枚をはたくのは自然の摂理とまで表現してもよいかもしれない。

さて、「時間」について。1日24時間は普遍の真理だが、実は時間の希少性は全員毎日上昇している。それは人間が毎日死に近づいているからだ。だとすると、毎日同じことを淡々としていたら、価値が上昇していく時間に対して行動のレートが釣り合わない。

時は金なり。最近、日立のドラム式洗濯機を買った。洗濯から乾燥、アイロンまでボタン1つだ。これで毎日30分は節約できている計算。つまり、人生の時間が増えているのだ。インスパイアザネクスト。さぁ、毎日30分増えた、何をしようか。                (いわき民報掲載)

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