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1. 変化に強い会社になるために、会社を「ただしく。たのしく」エンジニアリングする

フリーランスで、企業や事業の「想いを仕組みにして価値にする」をテーマに活動する川端と申します。

株式会社ディバータさん(以下ディバータさん)のプロジェクト、変化に強い会社になるために、会社をただしく。たのしくエンジニアリングするの紹介(プロジェクトの記念の印 & 振返りによる学びシェア)です。

このプロジェクトは、
組織を価値を生み出すシステムと捉え、エンジニアリング力を活かし、組織開発してしまおう
というチャレンジです。

私はどちらかと言うとマーケティングよりの人間ですので、組織開発やHRは距離がありました。一方で、普段の仕事にもっと工夫して組み込むべき身近な領域だとも感じていました。代表の加藤さんから組織をエンジニアリングするお話を聞き、組織開発とマーケティングの組み込みができるのではないかとワクワクと共感&ドキドキしつつも、参加させて頂きました。

全2回の記事、1回目はプロジェクトの背景の話、2回目は具体的な取り組みの話としてまとめました。

先日、様々な方が所属企業の枠を越えて集まり、構想設計を通してものづくり企業の変革を指向している「構想設計コンソーシアム(産業技術総合研究所主催)」さんで「組織開発 ≒ システム開発」というテーマで本プロジェクトを紹介させて頂きました。(内容が一部被る点もありますが、よろしければ、併せてご覧ください)

参加者の方から、上記の発表の参考情報一覧があったら共有してくださいというご要望がありましたので、こちらにシェアさせて頂きました。ただしく。たのしく個人(企業)で変化(学習)したい、という方に何か少しでもお役に立てば幸いです。

以下、プロジェクト時の資料なども含まれますが、ディバータさんからは掲載許可を頂いております。


プロジェクトの背景:不確実性を力に変換(=エンジニアリング)する

ディバータさんは、対外的に自社をあまり宣伝されていませんが、

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・自社プロダクトのCMS(コンテンツ・マネジメント・システム。Webサイトを管理・更新できるシステム)であるRCMSを中心に事業を展開(サイバーエージェント社のコーポレートサイトにも導入。実績はこちら
・創業オーナーの加藤さんご自身が早稲田大学でラグビーをしていた時に、部の公式サイト用にRCMSを開発
・加藤さんはRCMSから経営のプログラムまでを、エンジニアリングされてきている

というソフトウェア開発を主軸にされている会社です。

ディバータさんが取り組みたいテーマは「組織のリファクタリング」でした。リファクタリングとは、外部的な見た目は変えずに内部構造を整えることです。

テーマの背景には、組織人数が50人(国籍も様々)以上と増え、グローバル展開(マレーシア支社立ち上げ&移住など)が始まったことから、以下のような必要性がありました。

・阿吽の呼吸などの高コンテクストではなく、より明快でシンプルな低コンテクストのコミュニケーションでチーム連携をする
・社員の方への権限委譲を行って自律的な行動を推奨することで、柔軟で機敏な組織運営を行う
・ウェットで曖昧になりがちな組織を見える化し、変化を意図的に起こせるようにする
・開発の現場をメンバーのポジション固定型から、メンバーが柔軟に役割を変えられるプロジェクト型の組織に移行し、より現場が機敏で自律的に機能できる仕組みを実現する

背景をお聞きしながら、下記のように組織を見える化していきました。

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大きな課題として、あるべき姿(ToBe)に移行する為には、

・組織階層を減らすことでマネージャーの負荷を軽減し、トップと現場の情報伝達の認識のズレや遅延を減らす
・現場が自律的なプロジェクト運営を実行できるようにする
・結果的に、マーケットの変化に柔軟で素早く対応できるようにする

というような、必要がありました。


どうすると「全体」と「個」が健康的な関わりを持ち続けることができるか?

一方そもそも、どうすると「会社(全体)」と「個人」が健康的な関わりを持ち続けることができるか、という問いが個人的にありました。

どちらが胡座をかくでもなく、両方が幸せになる為にはどうしたら良いのだろうか、と素朴に思っていました。

健康的な関わりとは、
・個人の日々の仕事の充実感
・会社と個々人のらしさ(=会社の色(まとまり)を持ちつつも、個人の多様性が生きる)
が引き出されて、お互いに活かし合っている状況です。しかし、このあるべき姿を言うは簡単で、実現することは難しいです。

例えば、主体的で自律的な組織行動を促すことで充実感を持ってもらおうとすると、現実には、
管理する側:放任(好きにすれば) ⇄ 管理(権威が決める)
管理される側:管理して(権威が指示を出して) ⇄ 管理しないで(強制しないで)
という同じ理屈の表と裏を、往復運動することが多いのではと思います。

同時に、会社の色(まとまり)も、
バラバラと薄まる ⇄ 強制・統制するが表面的なものになる
の往復運動を繰り返すことで、中々まとまりません。

今回のプロジェクトでは、これまで部門やプロジェクトのマネージャーが管理や決断していた部分を、みんなでプロジェクトマネージメントをする(プロジェクトチームのメンバー全員で自律的に管理したり、決断する)というあるべき姿が目指されました。

ただし、少しずつチームの自律の適用範囲を調整してグラデーションを持たせること、同時に、会社と個人のらしさの両方が引き出されること、そのための工夫を心掛けました。

2回目の記事は、具体的な取り組みの話です。

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