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企業にとって、「ブランド」はなにをしてくれるものなのか?──BtoB最先端の現場から

このnoteは何?
マーケティングエージェンシーFICCのBX事業部にて、「ブランドとはなんなのか? どうすればブランドを豊かにすることができるのか?」それをみなさんと考えるnoteを書いています。記事をまとめたマガジンはこちら→本当の価値を生むブランディング戦略(仮題)

みなさんは「ブランド」が、企業にとってなにをしてくれる存在なのか、考えたことはありますか?

今回は、BtoBの領域で価値提供を行っている企業にとってのブランドの必要性について、ゲストとお話しながら一緒に考えてみました。

お声がけしたのは、株式会社マクアケ クリエイティブディレクターの北原成憲さん。 Makuake Incubation Studioという社内カンパニーにて、企業のなかにある研究開発技術や企画を、実際の製品やサービスに仕立て、事業として生み出すことで、
・新規事業開発
・実践による人材育成

を同時にサポートする取り組みを行っています。

北原成憲(きたはら・まさのり)氏
株式会社マクアケ
Makuake Incubation Studio クリエイティブディレクター

福岡県久留米市で60年以上続く板金加工工場の息子として生まれる。2015年にMakuakeに加入。「Makuake Incubation Studio(MIS)」を立ち上げ、大企業の新商品企画立案や新規事業創出のための仕組みづくりを推進している。
株式会社マクアケとは?
クラウドファンディングという手法を通じて製品の需要を発見し、事業として成立するまでをサポートするサービスMakuakeを運営する会社。
https://www.makuake.com/

技術にもブランドが必要だ

福岡:今回は企業、特にBtoBの領域にいる企業にとってブランドはどんなことをしてくれるものなのか話していきたいと思います。北原さんは日々、企業の技術を上市させる現場にいらっしゃるわけですが、感じることはありますか?

北原:よく考えることがあって、ブランドってtoCの商品やサービスにだけ必要なものではないなと。そう感じる場面があります。

例えば、ある優れた研究開発技術を持った企業があるとして、彼らの技術がMakuake上で注目を集めるとする。そうしたら、さまざまなメディアから取材が来たり、モノによっては大企業との技術アライアンスが決まったりする。

そのときに、「取材を受けたときにどんな取り上げ方をして貰えばいいかわからない」「技術の使われ方をどう規定していいかわからない」なんてことになる場合があるそうなんです。

未来を示すためのビジョン

福岡:なるほど。ブランドとして
▶ビジョン:ブランドが目指す理想の世界
がまずはっきり決まっていないと、自分たちのブランドをどう見せたいとか、技術をどう使いたいとか、未来に向けた話をするのが難しいでしょうね。

北原:そういうことですよね。なので、技術を磨くのはもちろんなんですが、その技術がどんな未来を目指しているのかも考えないといけないのではないかと思います。他社とアライアンスを組むにしても、技術を持っている側の意思があれば、お互いの価値をもっとスパイラルアップさせられるはずなので。

「ブランドづくり」はどこまで責任を持つべきか

福岡:ところで、北原さんのいるMakuake Incubation Studioでは、事業の成立までを推進する仕組みになっているんですね。

北原:やっぱり、そこまで並走しないといけないのではないかと考えています。世にいうクラウドファンディングの成功って、0→1として最初の弾み車が回った状態であり、企業が本来目指している事業としての成立までは至っていない。

事業として成立し、そのあとも存続していくために必要なものは提供していけないといけない、という思いがあります。

福岡:その点は、私たちも同じようなことを考えています。持続させないことには意味がない。そのときだけ、注目を集めるとか売れるとか、もちろんそれにも価値はありますが、持続するかどうかは別の話です。だから持続するためにはブランドづくりをしないといけないんです。

ロゴをかっこよくしたからOKとか、かっこいい商品をつくったからOKとかっていうことで終えるのではなく、どう消費者に受け入れられて、消費者にどんな気持ちになってもらう必要があるのかをしっかり考えないと。

北原:Makuake上で展開するプロジェクトも、誕生のきっかけは「これがあると世界って変わるんじゃないか」という発起人の思いなんですよね。だから、世界を変えるために未来に向けて存続していく必要がある

福岡:その「変わるんじゃないか」という思い、そして変えていこうという思いは、責任という言葉に置き換えられるかもしれないですね。その責任を果たすためにやっていくから、長くやっていけるようにするという。

ブランドは存続をもたらすもの

福岡:逆に言えば、存続を考えていない人は責任も負おうとはしないんですよ。最近、あるメディアで、あるタピオカドリンク屋さんを仕切っているちょっと怖い方の「経済活動は楽して暴利、一攫千金が基本。クオリティを下げて儲ける努力はしても、こつこつ努力していいものを作るなんて愚の骨頂」というコメントを読みましたが、あれは事業が社会的責任を負っていないから言えることなんですよね。

ブランドが社会的責任を担っていて、意義のあることをやっているから、消費者がファンになって、ブランドを支持してくれるようになる。

北原:そう考えてみると、BtoBのビジネスが主流の企業やその企業が保有する技術にとっても、ブランドとは存続をもたらすものだといえるんじゃないかと。ブランドがないということは社会的責任を担いきれていないということで、ファンもつかないから存続もしにくいということですかね。

福岡:そう言えるでしょうね。

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