傾聴講座note

感情

傾聴で最も大事なのは「感情」

相手がどんな感情を抱いているか?今どんな感情が出てきているのか?
それを察知して、理解して、共感するためには自分自身が感受性が豊かである必要があります。さまざまな人のさまざまな場面の感情を知り、追体験して、味わって、自分自身の中の感情のスイッチを育てておくことが大事です。

2017年末に精神障害だからと2畳のコンテナに17年間も監禁されて、ついに凍死してしまった女性がいましたね。2、3m先に家族がいるのに助けてくれ無い気持ち。狭い部屋にずっといるとどんな感情が湧いてくるのか?凍死は一瞬で死んでしまう死に方ではありませんし、体力があれば震えがひどくて寝ることもできません。でも、衰弱していれば動けなくなって凍えてしまいます。せっかく生まれてきて、疎外感を感じ、おいだされるようにこの世を去る人の感情を想像してみてください。17年もの長い年月を思ってみてください。計り知れ無い感情がそこにはあります。

そして、忘れてはいけ無いのは家族の感情。

家族はひどい人だ、、、終わり。ではありません。16年間頑張った末に監禁することになってしまったその家族の感情はどうでしょう?悪魔のように冷酷にそうしていたのでしょうか?何とかしようとして疲れ切って、そうなってしまったのでしょうか?感情は論理と違い白黒で説明できるものではありません。真っ白だった気持ちが、汚れ、疲れ、汚染され、苦しんで最後には真っ黒になってしまったのだとしたら、簡単に責められるでしょうか?

傾聴をしていると無くなってしまった女性の立場の人もその家族の立場の人も相談に来ます。それぞれに感情があり、それぞれに悩んでいます。そうやって感情を察して察していくと傾聴に必要な感情の動きが次第につかめるようになってきます。

主に高校生の保護者が子どもの気持ちを理解するための傾聴について