会社を辞めた理由 第二章

PROFILEにも掲載していますが、私は11月末に約7年間務めてきた会社を退職して、12月から世界一周に旅立ちます。

今回は、なぜ会社を辞めるという決断に至ったのかについて第二章を書き綴りました。

現状を変えたいけど、どう一歩踏み出したらよいかわからない社会人の方、社会人になる前の学生の方にぜひ読んでいただきたいです。


第二章 葛藤の日々

中国駐在から帰任後は、刺激のあった中国生活とのギャップにやる気を削がれた。

私の部署の担当業務は、海外の販売会社、お客様の要望を製品に反映することや販売戦略立案。

エンドユーザーとしてのお客さんとのやり取りは販売会社の人間が行うため、私の業務は社内関係者だけで完結する。

基本内勤、海外出張の時だけ外に出る。

外交的かつ飽き性な私にとって、内勤での与えられた仕事を淡々とこなすルーティーンワークはやりがいのあるものではなかった。

海外の販売会社との窓口と言えば聞こえはよいが、自分でなくても勤まる調整役に過ぎないと思っていた。

「安定」ではなく、新しい発見、出会い、刺激を求める自分がそこにはいた。

周りからも

「うちの会社のキャラじゃないね」

「なぜうちを選んだの?笑」

「バリバリの営業マンか芸人が合ってるよ」

と言われていた。

確かにと納得する部分が多々あった。

製品を通して、というよりも、直接人に働きかけていく働き方が自分には合っているなと感じていた。

とはいえ、転職などのおもいきった選択を今まで社会のレールに沿って歩いてきた自分に取れるはずもない。

「企業で働くことは、自由度が無くなり、楽しいなんて感情は学生の頃より激減するものだ」

と自分の心に芽生えた違和感を押さえつけて、無理やり自分を納得させることが大人になるということだと解釈するようにした。

目標としていた海外駐在に行けば環境も変わる、何かが変わると信じて、じっと駐在のチャンスを待った。

しかし、年次を重ねるにつれて、駐在員の仕事や上級職の業務がだんだんと見えるようになってきた。

自分の求めるものはそこにはなかった。

心に生まれた違和感を消し去ろうとしてもその声はどんどん大きくなっていく。

何か違う。俺のやりたいことはこれじゃない。

ただ、ここでもまた社会に作られた安定志向が邪魔をする。

「他の会社に転職してもうまくいく保証はない。」
「ええやん、それなりの生活が送れるんやから。」

「この会社で働き続けて、社内人脈を築いて、上に登っていけばいいじゃないか。」

「でもこのままじゃいけない。」

「でも安定が無くなるとどうなるかわからない。」
「人生を棒に振ってしまうことになるのではないか。」

悶々とする日々を過ごした。

とにかく早く海外に出ないと何も変わらないと思い、早く駐在させてくれと上司に強く懇願した。

そんな私の願いとは裏腹に歴史のあるメーカーなので年功序列で駐在が決まっていくことが多々あった。

一度冷静になって考えてみる。

自分が駐在できるチャンスは3年後ぐらいが順当?

いや、3年待っても駐在はできないかもしれない。

そこで、はっと気づいた。

海外駐在ができないならこの会社にいる意味はあるのか。

答えはNOだった。

実家のある大阪でも良い、東京でも良い。同じ愛知県の中で探してもよい。

そんなことを考え始めた2015年7月、

会社に一通の手紙が届く。

第三章に続く。


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