すがけんさんへ事業相談できる機会

すがけんさんといえば、アドテクやブランド広告責任者、BtoBマーケティング責任者などのご経験と、なんといっても現在の「企業の10倍成⻑を支援する」ことを目指すMoonshotという打ち出しにすごくインパクトがあり、ご著書も拝読していたので、いつかお会いしたい方でした。

本来機会がなかなか得られないところ、貪欲な好奇心からだと思いますが、無料で相談に乗っていただけるということで、先日、六本木のカフェで、相談させていただきました!これまで誰からも頂いたことのないようなアドバイスで、非常に為になりました。根本的な考え方を改めさせられ、非常にワクワクする体験でした。小企業の経営者や、フリーランス・個人事業主ならすごくフィットする考え方だと思いました。

そもそも私の悩みとしては、元々制作会社(bA)のアートディレクターで、独立してそのまま個人の事業として仕事をしているので、デザインや制作以外の職能、特に営業に関して不得意であり、せっかく上場企業のお客様との接点に数多く恵まれていながら、どうしても単発で仕事が終わってしまいがちという悩みがありました。

加えて、売り物がやや特殊というか、あまりまだコモディティ化していないデータ・ビジュアライゼーションをコアにした制作・コンサル・講義という商材ということでの売りづらさと、その裏返しとしてのHowをできるだけ極めることが提供価値につながるのではないか、というある種の思い違いもありました。

対話を通じて学んだこと

  1. 顧客の機会損失の防止や成長がもたらす価値から考える
    出発点として、顧客がどんな機会損失をしているか、もしくは成長を欲しているか、から考える必要があるということ。これが出来ているようで出来ていなかったように思います。どうしても性急に自分の持つHowにどう当てはまるかをまず考えてしまっていました。自分の職能を超える部分はストレッチするなり、できる人を連れてくればいいので、いましばらく顧客の声を深ぼることを行うべきだったなと今更ながら感じます。

  2. 壁打ちとしての差別化
    コンサルティングよりも壁打ちというアプローチでの差別化は、すがけんさん自身の現在のビジネスですが、これは自分でも取り入れられると思いました。つまり相手の問題意識を共有してもらい、そこを起点にして、価値を提供できるかを考えます。「なぜ」を理解することが価値提供へつながりますし、それを軸に、現在の予算や取り組み方を変える提案のほうが実現しやすいからです。

  3. 自分の生き方とビジネスモデル
    まず自分がどういう生き方をしたいかを考え、それを実現するための適切な値段設定と販売目標を設定するということ。これは自分の希望を実現すると同時に、ストレッチした目標にもなります。これで獲得した自由な時間とお金を、次の自分の成長へ投資していきます。後半部分の自分への投資はこれまでも行ってきているのですが、それが十分行えるビジネスモデルでは全然なく、需要の浮き沈みに影響を受け、それ次第で自由度が大きく制約される、ということがありました。

  4. 一人であることの強み
    一人であることに引け目を感じることが多かったのですが、その必要はないと思い至りました。一人なら身動きの自由度が高いですし、固定費が少ないため、自分のやりたい仕事や行きたい場所へ素早くピボットできます。

デザインのもたらす価値

「ユーザー・インターフェイス・デザインの提供価値は何か?」という問いに、私は即答できなかったのですが、いわゆるコンバージョン・ファネルをより進められること。関心がない人の関心をよび、関心がある人に行動を促し、最終的にはサービス提供者が提供したことを受け取ってもらう。これはeコマースに限らず、サービス提供者として必要なことで、わかっていたはずですが、とっさに出てこなかったということは、頭が固くなっていたのか、どこか諦めていたのかに気づけました。

これまでユーザー調査のための費用は計上できないことが多く、ヒューリスティック(経験者・専門家による)評価とすることで見積もりに反映できていなかった気がします。しかしこれだって、顧客の機会損失につながっているのであれば、費用を言い訳にせずに指摘をし納得してもらうことで本来提供できる価値のはずでした。そっと撤収してしまうことで、価値提供を実現する機会を逃していたとも考えられます。これは顧客にとっても損失であったはずです。

また業務委託であれば費用をいただくかわりにすべてを差し出す契約内容であることがこれまで多かったのですが、相手の本質的な価値に寄り添うことが、すべてを差し出すような一方的な関係性から抜け出せるかもしれない、という予感が得られるようにも感じられました。

コーヒーをご馳走に

非常に物腰の柔らかい方で、コーヒーをご馳走になった際も、その優しさが際立っていました。会話が終わると、私のカップも含めて片付けをしてくれました。この小さな行動に、お人柄とビジネスにおける顧客への配慮が表れていると感じました。

最後に

いただいた視座を早速取り入れて、自分の中で育ててみようと思いました。座学というよりは、対話の中から困りごとの本質を発見して、価値を提供するということと考えると、デザイナーの職能としても行うべきことそのものだと感じますし、どこか諦めてかけていた本質に立ち戻る大きなおおきなきっかけをいただけたと感じています。

定期的に壁打ち相手を募集されているようですので、私と近い立場でお困りでしたら、今回に限らず機会がまたあると思いますので、ぜひご連絡をとってみてください。


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