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退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング

筆者が購入したタイミングでは帯に「おかげさまで7万部突破!」とあり、売れているようです。「ホワイトカラー業務の効率化・自動化に...」とある通り、業務の効率化・自動化のために購入される方が多いのでしょう。

とはいえ、いつものオライリーの書籍のエディトリアルデザインであり、書籍の構成自体もエンジニアライクなもので、どの順番で読めばいいかなど、初学者であればあるほど悩むことが容易に想像できます。まともに最初から順番に読んでいっても挫折してしまいそうです。

実際の作業も、インタラクティブシェル(文字で命令を入力するいわゆる「黒い窓」)と、Pythonテキストファイルなので、慣れてしまえば汎用性高く、それこそ本書に書いてある様々なタスクを実行するのに役立ちますが、本当に初めてPythonを体験する人は、いきなり本書よりも、もう少し簡易に成功体験が積める書籍なり講習で学んでから、実用的に本書を使い倒すのが正解かもしれません。手前味噌で恐縮ですが、筆者も初心者向けに噛み砕いた講習を定期開催しています。

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本書の価値はなんといっても、Excelシート、Word文書、PDFファイルといったビジネスシーンで多用されるファイル形式に対しての読み書きが自動化する手順が載っていること。この部分がこの書籍の最大の価値だと個人的には感じます。

Webスクレイピングについては、ここでしか読めないような情報は少ないように思います。

メール送信は、スクリプトの失敗が他人に大きい迷惑をかけてしまう可能性もあり、定型業務であってもGUIで操作した結果を手軽に確認できるなどの、ほかの手段を探すべきかもしれません。

という訳で筆者のお勧めする、最初に一通り読むべき箇所は以下の通りです。

・11章 Webスクレイピング
・12章 Excelシート
・13章 PDFファイルとWord文書

以上。残りの部分、

第一部 Pythonプログラミングの基礎(P1-152)における、
・1章 Python入門
・2章 フロー制御
・3章 関数
・4章 リスト
・5章 辞書とデータ構造
・6章 文字列操作

第二部 処理の自動化(p153-518)における、
・7章 正規表現によるパターンマッチング
・8章 ファイルの読み書き
・9章 ファイルの管理
・10章 デバッグ
・14章 CSVファイルと JSONデータ
・15章 時間制御、自動実行、プログラム起動
・16章 電子メールやSMSの送信
・17章 画像の操作
・18章 GUIオートメーションによるキーボードとマウスの制御

は、汎用性が高く、具体的な問題解決から少し距離がありますので、前から順番に全部読むというよりは、必要に応じて知りたい部分のみをリファレンス読みする読み方でいいのではないでしょうか。

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退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング


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