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ヨルシカ「前世」

友人がカラオケで歌っているのを聴いて、今更踏み入れたヨルシカ。去年いちばん聴いていたアーティストだと思う。
ラッキーなことにライブのチケットを入手できて、きっかけとなった友人と一緒に、ライブに行ってきた。

世界観が徹底されたそのライブは、一つの物語の朗読と楽曲で交互に紡がれ、進行していく。MCなどは一切挟まれない。
朗読も楽曲もほとんど全ての詞がスクリーンに表示され、観客は耳と目を通して、その文章に触れ、咀嚼する。音源でしか聴いてこなかった(たまたまMVも一切見ていなかった)楽曲の世界が、一気に色づくのを感じた。解像度があがる、というやつだ。

よく足を運ぶバンドやアイドルのライブでは楽曲だけでなく、歌っている・音を奏でている生身の人間と向き合うことが多い。というか、それこそがライブの醍醐味だったりもする。
だから、ここまで楽曲そのものと向かい合うライブは初めてだった。曲に触れて浮かぶ情景や、駆け巡る思い出、重ね合わす思考。ただイヤホンで聴いているだけでは現れてこなかったそれらが私の中を取り巻いた。そしてきっと今後イヤホンから聴くときも、ライブで気づいた自分の感情を思い出すんだろうし、捉え方の変化にも気づくんだろう。まるで好きな小説を読み返すみたいな感覚かもしれない。

音楽を鑑賞するという、新しい楽しみ方に出会えた新鮮な時間だった。

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