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明日からトレーニング指導ですぐ使える!「Killer cue 35選」

「キューイング」という呼び方、を聞いたことがあるだろうか。キューイングは、運動指導の際などに使う効果的な声かけのこと。英語ではCoaching cueのほうがよく使われているかもしれない。

キューイングを上手に活用することで、トレーニング指導の質は一気に高まるもの。「ああ、経験があるトレーナーさん/S&Cコーチだなぁ…」そう感じるテクニックの一つが、このキューイングの的確さだと感じている。

2020年12月末。オンラインにて「指導現場において必要なキューイングスキル~伝わるように伝えることの重要性~」というタイトルで、NSCA地域ディレクターの講師を務めさせていただいた。

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内的キューイングと外的キューイング

キューイングは2つに大別できる。内的キューイング(Internal cue)と外的キューイング(External cue)だ。

・内的キューイング
論理的で本質的な声掛けで行うもの。
・「股関節をしっかりと伸展させて臀筋を収縮させる感覚を出そう!」
・「体の重心を感じながら、腹横筋を意識して腹腔内圧を高めていきます。」など

・外的キューイング
例えやイメージを使った声掛けは外的キューイング。
・「後ろにある壁をグーッと足の裏で押し付けるようなイメージで!」
・「お尻の穴を後ろの天井に見せるようなところまで~(失礼!)!」など

相手をざっくり3タイプに分けて判断せよ

キューイングの使い分けは手段の一つ。現場で選手やクライアントと向かい合っているときに基準になるのは「相手に伝わるように伝える」ことだけ。

その判断基準というかベースとなる考え方は存在し、私自身は経験を積む中で、選手やクライアントを視覚派、聴覚派、感覚派のどのタイプか判断することで、優先するキューイングや比率を変えている。

・視覚派…とにかく目で見て確認したいタイプ。表面的に理解し「失敗しないように」やりたいタイプが多い
<対処法>
正しいデモを見せる、ありがちなエラー動作を見せる、が有効。外的キューイングから入るほうが◎

・聴覚派…理屈っぽい人が多い。伝え方に一番気を遣うタイプ。
<対処法>
内的キューイングから入る方が理解しやすい。そのうえで外的キューイングを織り交ぜて実技を見せる。

・感覚派…イメージ先行で飽きっぽい。あまり難しく考えないが、はまると最も時間がかかるタイプ。
<対処法>
運動中に体の意識させたい部位を触るのが効果的。比喩やオノマトペをとにかく多く浴びせる方がいい。はまると途端に動きが良くなることが多い。

この辺りの詳しい話をセミナー内では、できるかぎり丁寧に行った。おおむね好評を得てオンラインセミナーは終了となったのだが、参加者の多くから「もう少し具体的な『よく使うキューイング』を教えてくれませんか?」という声をいただいた。

大前提は「腹落ちした自分の言葉で」だが

セミナー内では私自身が手応えのあったキューイングを3~4個共有したのだが「あくまで大前提は『腹落ちした自分の言葉で』伝えるキューです。そうでないと、何となく上澄みっぽいボンヤリとしたキューになってしまうので」ともお伝えした。

だが、現場経験の機会がない若い世代や、ある程度自分で創意工夫しながらも「もっと伝え方のバリエーションを増やしたい…」と悩んでいるトレーニング指導者も存在するのかもしれない。

セミナー後、自宅へと戻る車の中で、ちょっとモヤモヤとこんな思いが頭をもたげてきた。

「自分自身の整理にもなるし、効果的だと思ってよく使っているキューイングをまとめてみるか!」

年末にも関わらず、自分なりの「Killer cues(必殺のキューイング)」をまとめてみた。

ここから先は、小手先ではなく本気でご自身のトレーニング指導の質を上げたい!と思っている専門家にのみ共有したい。有料であっても今後に向けて教育投資をするぞ!と思う方は、参考にしていただけたら嬉しい。

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