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週末フォトグラファーの現状について 12

こんにちは、平井(@yuji87)です。

近況報告

和歌山のクリエイティブを育成するワークショップが2ヶ月前から始まり、3回目の講座に講師として参加することが決まりました。

このワークショップの主催は無人島開拓者のTessiさん。3年前に和歌山で出会って以来、会うたびに和歌山のクリエイターを育成したいねと話をしていて、周りの環境も変化した和歌山で満を持しての開催になります。これまでのワークショップでは、和歌山の映像クリエイターmaruくんによる写真・映像の基礎講座、ローカルクリエイティブディレクターのハシモトさんによる地方との関わり方や和歌山美少女図鑑に関する講座が開催されました。どちらもとても好評だったので、ボクも和歌山に恩返しできるようにこれまでの経験をもとにお話ししてきます。オンラインの開催もするので、遠方からの参加も可能です。オンラインの場合は本編終了後の交流会には参加できないのですが、個別にメッセージ頂ければ質問には回答させて頂きます。お申込みはこちらのリンクからお願いします。https://wca-vol3-0917.peatix.com

講座のテーマは、「日常景色の切り取り方」、「Instagramで人気になるコツ」です。後者はアルゴリズムの影響がかなり大きいのですが、結論をいうと「誰に何をどのように届けるかを意識してブレることなく継続すること」です。ボクも2年くらいアルゴリズムに見放された時期もありましたが、それでも好きで写真を撮って投稿し続けていたら写真が届きやすい状況になりました。SNSに投稿したけど反応がなく、それに耐えられず写真を撮らなくなった人は少なくないと感じています。でも、そういうときに何を支えにすれば、写真をずっと好きでいられるかも講座ではお話したいと思っています。

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良いカメラとレンズを買えば誰でも綺麗な写真が撮れるようになった時代。周りに埋もれないようにするのか、埋もれていても気にしないのか、埋もれるなら撮ることを辞めてしまおうと思うのか。選択は人それぞれだし、他人が何を選ぼうと関係ないけど、写真を辞めるキッカケがSNSというのはあまりにも淋しすぎる。

写真の楽しみ方について

昨晩、今年から始めている共作ZINEのZOOM編集会議をした。約2時間お互いの写真をじっくり見ながら、全体構成と写真セレクトについて話をする時間は非常に充実していて楽しかった。これまではテキストと写真データをやりとりしながら作っていたが、後半戦にも入ったので新たな試みとして取り組んだ。1枚ずつどういう状況で撮ったかを共有したことで、全体構成を見直すことまですぐに決められた。色、焦点距離の話があんなに楽しかったのは久しぶりだ。ボクが彼の写真に一目惚れしたことが大きな要因の一つ。

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好きじゃない写真は本当に見ないほうがいいと思う。見て得られるものより、負のパワーの方が強いから。SNSだとミュートして、写真展だとDMの写真で判断したりなんか違うと思ったら電話がなったフリをして会場を後にすれば良い。最初は心苦しくなるかもしれないけれど、10年後に写真を撮っていないことに比べればどうってことないはずだ。ボクなら雑音から遠ざかり一人になることを選ぶ。一人になっても写真が撮り続けられたら写真が好きで、一人になったら写真が撮れなくなったときは写真より人に興味があっただけと気付ける。その後どうするかは、その人次第。

誰かにとって心地の良い距離が、ボクにとっては近すぎたり遠すぎたりする。一人で街の写真を撮るときに被写体との距離が掴めないときは、1番心地良いと感じる距離を探すことが大切だと思う。だからボクはファインダーを覗きながら歩くことが多い。今年の夏は福岡伸一さんの本に一目惚れして生物学の世界を満喫している。「世界は変化し続けている」と思っている自分も無常に変化しつつある。生物学の世界で今まで知らなかった考え方に触れる瞬間が楽しい。揺らぎを受け入れられるとより楽に、そして強く生きられる。5年、10年先も写真とともに生活していくためには、じぶんの価値観で写真を見られるようになる必要がある。誰かに頼っていると、その存在を失ったときに前へ進めなくなるから。1人で写真と向き合う時間は出口が見えなくてしんどいときもあるけど、そういう時間を経験すると必ず一歩前に進むことができる。

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人の記憶は月日が経てば書き換えられることは多々あるけれど、写真に記録した瞬間が変化することはない。だから写真は残酷であり、愛おしい存在になる。

最後に

半年か、1年後くらいには、映えという文字を見なくなっている気がする。巷に溢れる情報、サービスにより、SNSウケする写真が撮れるようになった人は増えた。その先で、じぶんらしい写真を追い求められるかが、今後の分かれ目になると思っている。今、SNSに写真を発信している人の半分くらいは10年経てば写真を撮っていないだろう。ビジュアルだけ真似してじぶんで写真のことを考えられない人が増え続けているような気がするので、数年先に写真の世界があらぬ方向へ進んでしまわないか少しだけ心配している。心があたためるような写真で溢れた世界がボクは好きだ。

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毎月ZINEをつくろうと思った理由のひとつに、紙の手触りや匂い、ページをめくるときの音も含めて写真を楽しみたいという気持ちがある。スナップで人が写っている写真を撮る機会も減った。理由はいくつかあるけど、人が居なくても写真から時の流れを感じられるようになったことが1番大きいボク自身の変化だ。ZINEのお披露目会をZOOMで行うことを決めたので、参加したい方がいたらSNSのDMでお知らせくださいね。


写真や旅のことだけじゃなく、今ボクが気になっていることをnoteに書いています!読んでいただきありがとうございます!