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ニカの鼓動には意外なモデルがある

ルフィの覚醒形態である太陽の神ニカ。心臓を「解放のドラム」というリズムで鳴らし発現する。そのリズムが「ドンドットット」だ。

これにはモデルが存在すると考えられている。尾田栄一郎が影響を受けた一人、松本人志によるもので、「ダウンタウンのごっつええ感じ」という番組のコント「MR. BATER」だ。

松本扮する「ベーター」が店で商品を頼むのだが、注文と違う物ばかり出てきて、ノリツッコミをしていくというもの。

店は毎回変わるが、最初は必ずインディアンの衣装と斧を持って来られる。それを着て少しばかり踊った後ツッコむのだが、そのとき口ずさまれるのが「ドンドットット」というフレーズなのだ。

「MR. BATER」の初回放送は1995年。この時20歳の尾田栄一郎は、もちろん見ていたに違いない。強度のインスパイアを受けていたことは想像に難くない。

その後、ONE PIECEが連載されるのだが、このリズムが最初に出てきたのは第253話。空島編である。

この時すでにニカの構想が固まっていたのか定かではないが、インディアンのような部族の宴を描く際、「ドンドットット」というフレーズが想起されたと思われる。

そういうのを一般に「パクリ」というのかもしれないが、この場合、極度のオマージュと言って差し支えないだろう。

また、奴隷を救う「解放の戦士」とも言われるニカにこのリズムが使われたのには、あるエピソードも関係していると思われる。

界隈では有名な話だが、あるミュージシャンが自殺しようとしていたとき、たまたま流れていた「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」のトークを見てふき出してしまい、「俺、まだ笑えるじゃん」と死ぬのを思いとどまったというのだ。

人々を笑顔にする解放の戦士に松本人志を重ねたのか、松本人志からニカを発想したのか。ニカが全身白なのも、ベーターを暗示しているというのは考えすぎだろうか。

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