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細かすぎて伝わらない沈胴ズミクロンの魅力

今日は軽く読めるものを書きます

ぼくはレンズは今沈胴ズミクロンとオリンパスのフィルム時代の神レンズ zuiko 90mm auto-macro f2を使っています。
90mmの写りは全レンズ中一番好きなのですが、中望遠になるためやはり出番は多くありません。

なので気がつくとここ1年ほど沈胴ズミクロンでほぼ撮ってきました。
デジタルM240、フィルムM2、あとLUMIX S1Hでも使ってます。

解像度や性能のレビューはほぼありませんので、あしからず。

現行ズミルックスと比較して

ズミルックス 50mm asphも同時並行で所有していた時期もありましたが、
最終的には沈胴ズミクロンを残して現行ズミルックスは手放してしまいました

「ただのオールドレンズ好きか...」と思われるかもしれませんが、
描写性能自体は比べるのもおこがましいくらいズミルックスの方が普通に良いです。オールドの味が欲しい、というわけでもありません。
またズミルックスの開放付近の立体感、妖艶な写りは唯一無二だと思います。描写力を求める方はズミルックス一択です。

このズミルックスをベンチマークとして、沈胴ズミクロンの優っている部分は以下です。

①沈胴するのでカバンの中でも邪魔にならない(メーカーは非推奨です)
②モノクロの美しいトーン
③絞っても硬い描写になりにくい
④フォーカスレバーの動き幅が大きく正確にピントを合わせられる

描写は明確に劣っているのですが、
現代でもギリギリ毎日の使用に耐え得る描写性能がある上で、
上記のようなメリットが使いやすくてズミクロンばっか使ってたんだと思います。

描写も大事だけど使いやすさ大事

強みの深掘り

沈胴するとカメラの凸が少なくなる

メーカーは非推奨ですが、沈胴すると薄くなりジャケットのポケットにも入るくらいになります。

凸が少ないと出し入れがしやすく、出し入れのしやすさは写真を撮る多さに直結します

モノクロの滑らかさ

モノクロ時代のレンズなので階調が美しいです。
コントラストは弱いという強みを活かして、特にフィルムではグレーの中に無限段階の階調があります。

コントラスト高く白と黒を楽しむモノクロはカッコ良く、
グレーのグラデーションを楽しむモノクロは美しいです。

グレーで構成したモノクロ

また、マイクロコントラストは高く、黒(Lightroomでいうブラック)はしっかり落ちるのでコントラストが弱くても眠い写真にはならず立体感があります。

ボカさなくてもカートの存在感がある

絞っても雰囲気が出る

「絞るとどのレンズも変わらない」と言われることもありますが、
沈胴ズミクロン、というよりオールドレンズはガラス1枚隔てて撮ったようなヴェールがかった描写をするため、
絞っても遠景のコントラストが弱いです。

f11、手前の植物は高コントラストな一方、
奥の建物はコントラストが低い

それがかえって遠近感を生み、沈胴ズミクロンのブラックが落ちる特性も相まって絞ってもカリカリすぎず遠近感、立体感を維持し、雰囲気がでます。

ピントを正確に合わせやすい

フォーカスレバーがあるのは個人的には必須要件で、
その中でもピントが合わせやすい要因があります。

ズミルックスに比べ最短撮影距離が1mと長く、それなのにフォーカスレバーを回す角度が
ズミルックスは90°くらいなのに対し、
沈胴ズミクロンは180°くらいと大きいです。

短い方が素早く合わせられますが、
細かく調整できる方が精度も上がりますし、
僕がよく使うf5.6では慣れると指で覚えてノールックでもピントが合います

とはいっても100%ジャスピンは流石に無理です

弱いところ

カラーは得意ではない

モノクロ時代のレンズなのでカラー写真、特に緑と茶色の発色が良くないです。
色の深みがなくにごったり安っぽい感じになります。
なので公園での写真は苦手です。

代々木公園。なんかにごってる

開放〜f2.8まで多少滲むのと周辺は流れる

表現として使えますが、お金が発生する撮影だと流石にきついです

特にひどい部分の切り出し

まとめ

カラー写真で最高の描写を目指すレンズではないですが、
結局使い込むのはこういうレンズ、というレビューでした。

沈胴ズミクロンはモノクロ用にして、カラー用・仕事用に現代のレンズを買おうと思ってます。できれば寄れるやつ。

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