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「僕は小さい1つ1つを完成できるよう頑張っています」/WILD MART オーナー 山北 マサトさん

福岡県糸島市にあるお店「WILD MART」
車も人も通りは少なく、周りにはゴミ焼却場があり普通は選ばない場所にある山北さんのお店。今や全国的に有名になった糸島市で、知る人ぞ知るお店のオーナー であり、「糸島レジェンド」としてその名を轟かせている山北 マサトさんのお話を伺ってきました。

山北さんのプロフィール
出身地:
福岡県糸島市
活動地域:福岡県糸島市
経歴:高校卒業後、東京の俳優養成所に入る。夜間の仕事をしながら俳優を目指すが体を壊して断念。東京に住んでいた時に行った湘南の文化に感動を覚え、湘南を糸島に持ってきたい思いから、糸島の海岸線にお店を出し純忠満帆生活を送るが、42歳で全てを失う。その時の経験から経営他、マルチな活躍で今も糸島の顔として糸島を盛り上げている。
現在の職業および活動:自身が『俺の行きたい店つくり』から糸島を『カントリー』にすることを目標に深く広く活躍中。
座右の銘" ハングルース🤙


「僕の姿勢はウェルカム!ようこそ!」

Q1.山北さんのこれからの夢、ビジョンは何ですか?

山北 マサトさん(以後 山北):「やりたいこと」と「やれること」の2つあります。やりたいことは、ハワイでTシャツ屋をする、ビールを作る。
やれることとしては、今の店の外に土のカマクラを作ること。そこはランプだけにして囲炉裏のようにみんなで飲み食いしたいね。
あと、ビンテージショップも考えてます。

記者: わー!楽しそう!
そもそも、やりたいこととやれることの違いは何でしょう?

山北: それはお金でしょう。ハワイやビールは絶対にお金がかかります。お金がかかることって、今すぐできないからね。
やれることはお金をかけずに手をかけています。
前は銀行にお金を借りて店を出したりしていたけど、借金してまでモノをつくるのは嫌だと思ったんです。

この店は自分の家の土地にプレハブ小屋があって解体するにもお金がかかるからって、先輩が「作ろうぜ」って言ってくれて、2人で20日間の突貫工事で総額26万8000円で作りました。最初は10万で作ろうって言ってたけど、そんなもの1週間で無くなった。最後はその時もらった給料を全部つぎ込みましたよ。

記者:どうしてそこまですることができるのですか?

山北:僕は糸島を「田舎」って言うより「カントリー」って言う感覚で捉えてます。
「田舎」は過疎化のイメージだけど、「カントリー」は「垢抜けた農村」のイメージなんだよね。

旅行で行ったハワイがすごく良くてねー、
ハワイは毎日がバカンスだけど、地元の人がマーケット開催をしていて、全てがウェルカムの姿勢だったんです。
すごく感動して、カタチだけの真似ではなく、人を真似たいと思った。

だから、僕はこの店に来たお客さんには必ずウェルカムコーヒーを出します。
ウェルカム!ようこそ!って意味でね。
半分ハワイ、半分糸島。
助け合える糸島カントリー、お金の助け合いだけじゃなく、言葉やふれあいでね。
それを提供できたらいいと思ってます。


「インスタントはカッコよくない」

Q2.その夢を実現するための計画はありますか?

山北:  やりたいこと・やれること共に半分くらいは計画通りにいってますね。
何かをしようと言う時は3〜5年のスパンじゃないとできないですよ。
インスタントでやるものは面白くないから時間をかけて次のものをやろうとしてますね。

チャンスが訪れてきた時にその波にどうの乗るのか
その時に積み上げていないと乗れないですからね。


「常に感動を見たい!」

Q3.その夢を実現するための日々の行動はどのようにされていますか?

山北: この店は10年やってるけど飽きない、毎日がおもしろいのよ!
楽しいことは飽きるけど、おもしろいことは飽きないね。

僕は、常に感動をみたい、「感動屋」です。それが原点。
感動が僕をここまでいざなってくれたんやないかなぁ〜…

それに、今出来ることは今しかできないからね。
出会いは一期一会だから大事にしたいね。



「Yesマンになった42歳の転機」

Q4.夢をもつきっかけにはどんな出会いがありましたか?

山北  高校を卒業して東京に行き、そこで湘南に行ったのよ。
毎日が日曜日みたいでね、40年以上前だけど、今より派手なビキニ、音楽、全てが感動だった。
18歳までは糸島で悶々としていたから、すごい!と思った。

僕は集中するタイプで見とれてすぐ迷子になる。
この時の東京で、知りたい欲求を体いっぱいに入れ込んだんだ。

そのあと福岡に帰ってきたけど、その時に感動した湘南の文化を糸島にもってこれたらいいと思い、海岸線に「ビーチボーイズ」と言う店を出したんです。

27.8歳の頃は毎日お金が3〜40万入ってて、若い時から42歳までお金に苦労したことがなかったのよ。
時計はロレックスを何本も持ってたし、車は外車しか乗ってなかったんだよね。

それが42歳の時に全部失くしたんです。
女房、子供、家と店3軒、信用全部。
それまではNoと言えたのに、42歳でYesしか言えなくなりました。
それでYesマン。
頂ける仕事は、土の中、マンホールの中、夜中の仕事。それはそれまでに比べると屈辱ですよ。
人が仕事を頼む時はできそうな仕事しか頼まないから、それを断ったら縁が切れてしまう。
だから、頼まれたら僕は全部「はい」って言うようになりました。

だけど、それをしたらいっぱい仕事が増えたんです。草刈りや庭の剪定、湖の斜面の草刈りに姫島まで行ったこともあります。あとは作詞、バンドのボーカル、モデル、司会…。

記者: すごい!マルチですね!

山北: そうそう!マルチになったのよ!あと若い頃ラグビーやアメフトもやっていて、学校から子供にラグビー教えてくれってきてね、このことは大きかったですね。



「人を育てるのに大切なことは目線を同じにする」

Q5.どんなことがきっかけでその夢を持つことになったのですか?

山北: 42歳で全て失くしてあるのは命だけ。その時頂いた仕事の一つで中学生にラグビーを教えたんです。

僕、大学行ってないんですよ。そんな僕が先生をするから、雇われサラリーマン先生だけになるのはやめようと思いました。
本当は先生なんて仕事に就くことはできないのにできたから、「指導者」になろうと心に決めて、飲み会は一次会で帰ってました。二次会になると砕けて、人からいろいろもらったり、誘惑も多いからね、自分を律するためにも。
じゃないと人に教えることはできないじゃない!

記者: カッコイイ!誰かモデルがいるのですか?

山北: そうだね、小学校2年時の担任のシバタ先生かな。それこそいつも励ましてくれたんよ。「山北君ならできるよ」って。励まされたら一生懸命になるじゃないですか!
僕は、僕が好きな先生になろうって決めました

記者:そうだったんですね〜。でも、人を育てるって難しくないですか?

山北:そうねぇ…人を育てるのに大切なのは、目線を一緒にすることだね!
上目線じゃなくて同じ目線にすると大変なことはないね。一緒にやりぁいい!

「何しよっとやぁー!コラァ!」って言い方はせず、その子の目線に合わせて「どうしたとや?」と聞く。そうするとバイブスが合ってくるんです。


ラグビーを教え出して僕自身が少し変わりました。
それまでは上からしか喋っていなかったけど、それからは、子供もお年寄りも女性も男性も同じ目線で喋ろうって思いました。

記者:山北さん自身のそれまでと何が変わったんですか?

山北:それこそ42歳で全て失った時、それまでは上からしか見ていなかった、バカにしていたんです。それがバカにされて下からしか見る方法がなくなったんです。屈辱的な思いもしたけど子供達に教えて、上も下もなく同じ目線があるってことを教えてもらったのかもしれません。

何もかも失った時、一度だけ死が近づいできたことがありました。
自分が思うのではなく死が寄ってきたという感じでね。その時隣にいた友達が何か察してくれて「おい!遊びに行こうぜ」って連れ出してくれたんです。
こうみるといつも人に恵まれていますね。
籠るとよくないね、外に出すことで死が離れていったよ。

人様と比べたらちょっと雑な生き方をした分、後半はちゃんとやらないとね。
みんな、わざわざこんなへんぴな所に車を飛ばして来てくれる、ありがたいよ。

だから僕は、来てくれたお客さんにはまず、「ようこそ!」って意味で、ウェルカムコーヒーを出すんです!


記者:コーヒーすごく美味しかったです。 この一杯のコーヒーに山北さんの思いが溢れているのですね。
今日はありがとうございました。

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山北 マサトさんの活動、連絡については、こちらから
↓↓
ワイルドマートWILD MART

Address:福岡県糸島市志摩西貝塚199
TEL:090-1086-9952
営業時間:11:00〜19:00
営業日:土日祝のみ
駐車場:あり

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【編集後記】インタビューの記者を担当した岩見、山口です。大変な思いをされた山北さんが、一つひとつ丁寧に出会い直しをされて、今までとは違うご自身で新しいことにチャレンジし続ける姿に格好良さと美しさを感じました。
そして最初に出してくれたコーヒーが優しくて美味しいことを納得しましたハングルース🤙

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。 https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36






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