次男の暴言! そこからみえたもの

先日、夜寝る前のひと時の出来事です。

些細なことがきっかけとなり次男(8歳) の怒りが爆発し、手当たり次第ものを投げたり、誰が何を言っても耳を貸さず、みんな僕の敵だと当たり散らす始末になりました。そして飛び出した 言ってはいけない一言。

次男の口からそんな暴力的な言葉が出たことに驚いた私たちの表情の変化を感じたのか、一瞬場が凍りつきました。

ここで親としてどう振る舞うか。皆さんならどうしますか?

暴言を吐いた次男の行為に対して、

なんて事言うんだ!
どこでそんな言葉覚えたんだ!
YouTube とかゲームばかりしているからそんな攻撃的な言葉使いになるんだ!
もう一切、インターネットもゲームもYouTube も禁止!!!

と言葉を発した行為を責めることはいくらでもできます。
また子どもがそういった言葉に触れるきっかけとなったであろう行動を強制的に制限することも出来ると思います。

ただ、その時その場で私たちが受けた衝撃に対して同じく怒りの反応を返しただけでは、本人の怒りを逆に力で押し潰してしまうだけ。
そこからは、やっぱり自分は認められていないんだという失望と責められたことへの反発心しか生まれず、本人にとっても私たちにとっても何も得るものはないと考えました。

そこで、この時私たちのとった行動は、こんな言葉を発してしまうほどの怒りの感情を次男に抱かせてしまった原因はどこにあるんだろう?その根本原因を突き止めて一緒に解消しようということでした。

もちろん、まず初めに、発した言葉の持つ意味と、言葉が相手やその周りにいる人にまでもたらす影響について話しをし、その上で、次男の話を聞くことにしました。

「君はどうしたいのか?」

始め次男は、怒りの矛先である兄のことばかり並べたてました。

〇〇(長男)が僕のところに無理やり入ってくるから僕は不機嫌になる。
〇〇はいつも僕にゲームをやらせてくれない。
僕はいつも順番譲るのに〇〇は譲ってくれない。優しくない。
みんな〇〇の話は聞くのに僕の話は誰も聞いてくれない。
〇〇のせいで毎日全然楽しくない。   …等々

怒りを撒き散らしながら話す次男に対して、もう一度聞きました。

うん。〇〇のことはわかったよ。
じゃあ、君はどうしたいの?相手がどうこうじゃなくて、君はどうしたいのか教えて。と。

どんな時が楽しいと感じるのか?
誰とどんなことをしたいのか?
どんなことがうまくいかないと感じているのか?

少しずつ自分のことを話し出した次男。

僕は〇〇と一緒に楽しく遊びたい。
僕は〇〇と一緒にゲームがしたい。
僕は〇〇と一緒にレゴつくりたい。
僕は〇〇と一緒にバスケがしたい。
僕は〇〇と一緒にプールで楽しく遊びたい。
でも〇〇は自分だけやってて僕の相手してくれない。
一人だとつまらないからYouTube とか見ちゃうんだよ...

涙ながらに自分の言葉で話してくれた次男。
そこから見えてきたのは、兄を慕い、認められたくて精一杯尽くす気持ちと、それとは裏腹に相手は自分に対して何もしてくれない、自分が与えたものに対して自分の期待する結果が得られないという不満でした。

海外生活特有の事情でもありますが、小学生であっても子どもだけの行動の自由度が制限される分、普段の遊び相手は基本的に兄弟のみ。
いつも兄と一緒に居るからこそ、自分も兄と同等の存在であり、同等に分かち合いたいと思っている次男。その分、自分がしてあげたことと100%同じことを相手にも期待していることがわかってきました。

僕が順番を譲ったのに〇〇は僕に譲ってくれなかった。僕は〇〇が順番譲ってくれるのをずっと待ってたのに... 最後まで出来なかった...。

そんなやり取りの積み重ねが、日々の小さな出来事であっても次男の中に不満のタネとして蓄積されていたのでした。

弟でありながら兄貴肌で、同級生のなかでは幼い頃からリーダー的な存在として慕われることも多く、人一倍周りの調和を気にかけて与える性格の次男だからこそ、相手からの反応にもとても敏感なのだと思います。

そこで次男には、次の事を伝えました。
人はそれぞれ異なる考えを持っているということ。
同じ家族でも君は君、兄は兄、パパはパパ、ママはママの感じ方や考え方を持っていること。
だからこそ、自分の気持ちはちゃんと言葉で伝えないと相手には届かないこと。

人はそれぞれ見た目も違うんだから中身も違って当たり前なんだけど、でもこの当たり前の事って大人になっても時々忘れちゃってミスコミュニケーションに繋がったり、これが原因で自分は理解されないと悩んでしまう人もいるんだよ。
君は今日、自分の気持ちを話してくれてありがとね。

悔しい気持ちや悲しい気持ちが入り交じりながらも頷きながらスゥーっと眠りについた次男。
どのくらい次男の意識に届いたのかはわかりませんが、今伝えられる事は届けられたかなと思いました。

親子も夫婦も人間関係の中の一部。家族だってお互い個々の人格があるので上手くいかない時もあります。

でも何か困難な状況に対面した時、何を自分が大切に考えるかどうかが明確に意識できていると、その時々の感情に振り回されずに一歩前に進めることができるのではないかと思います。

今回のような出来事に直面して、私たち家族にとってこの状況から何を得たいのか、どう対応するのがこの先私たちの描く家族像に合っているのか?この価値観がハッキリしていれば自ずと答えは出るのだと実感しました。

それと今回もう一つ嬉しいことが。
一緒に居た夫も同じ考えで次男に接し、声がけをしてくれたことです。
普段NLPで学んだ事をシェアしているせいか、言葉の持つ力や考え方までしっかりと夫にも浸透しているようです(笑) もしあの場面で次男を叱責する方向に進んでしまっていたら収拾がつかなかったかもしれません。
改めて学んだ事を周りにもシェアしていきたいなと思いました。

長文お読みいただき、ありがとうございました!


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