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私がビジネスパーソンに「イベント運営」を勧める理由

私は「イベント」を企画したり、運営したりするのが大好きです。でも、参加するのは実はそんなに好きではないかもしれない……。不思議なものです。あくまで主催側、運営側が心地よいんです。

思えば、私が「イベント」なるものを身近に感じたのは、宝塚のファンクラブでした(出た)。あ、私、ヅカオタなんです。
宝塚のファンクラブというものはですね、それぞれのスターさんごとにあったり、なかったりする私設ファンクラブです。私は数年前までその世界にどっぷりと浸かっておりました。ええ、どっぷりと。

こんなに好きなんだし、そこから学んだことがたくさんあると感じているのだから、ちょっと向き合ってみようと思います。

私の「イベント」の原点は秘密の花園、宝塚のファンクラブ

ところで、「イベント」ってそもそもなんなんでしょうね? ちょっとググってみました。

1:行事。催し。 「 -情報」

2:スポーツで,競技種目。試合。 「メーン--」

(三省堂 大辞林より)

これ以外にIT用語もありましたが、今回は割愛。私が行っているのは1番目の「行事」とか「催し」にあたるんでしょうね。人が集まって、何かをすること。こんな感じで捉えておけば良さそうです。

宝塚のファンクラブを運営する側にまわったのは、色々な偶然が重なった結果でした。私は当時もワーキングマザーだったし、今よりも子どもが小さかったから本来なら裏方にまわる可能性って低いんですよね。(あ、宝塚のファンクラブのスタッフにどう「なる」ものなのかは、また別のお話で……。)

ばたばたとファンクラブスタッフになった私は、前任者から引き継ぐこともできずに、宝塚市に住むファンクラブ代表とは遠隔のやり取りで日本の東半分を管轄することになりました。
色々割愛しますが、このファンクラブにおいて「イベント」の存在がとっても大事だったんです。

宝塚の私設ファンクラブとはなんぞや

「タカラジェンヌは会いに行けるスター」なんです。これ、聞いたことありませんか? AKB48が「会いに行けるアイドル」と言われていたと思うのですが、宝塚もまさにこれ。舞台に立つために楽屋入りするタカラジェンヌに会ってお話を聞いてお手紙を渡すことができたり、公演中には兵庫県と東京で一回ずつ、ホテルの宴会場などを貸し切ってのお茶会(パーティー)が行われたりします。

これらを取り仕切るのが、宝塚においては私設の「ファンクラブ」なんです。

こういった繰り返しで、ファンはより心理的にタカラジェンヌと近くなり、成長を我がことのように喜ぶようになります。さらに、リアルの場があることで横のつながりも増して、共に応援する仲間ができていきます。当然、そこには「たくさんチケットを買える」「お茶会(パーティー)に人をたくさん呼べる」「入り出にたくさん通える」などのヒエラルキーも形成されていきます。

程よい連帯感と程よい競争を生み出せるファンクラブは、実際の会員数以上の効果を生み出すことができ、大いにタカラジェンヌのバックアップをすることができるようになります。トップスターになるようなジェンヌさんの場合は、ご本人の活躍とともに会員数も増えて自然と大きくなっていくのでいいのですがね。そうでない場合は、ファンクラブの運営能力に大きく左右されます。

まぁこれが、やったことに対する結果の跳ね返りのスピードも速いし、素人がボランティアで運営する割には動かすお金も規模も大きい。そして、タカラジェンヌさんの方針にもよりますが、私のいたところはかなり権限移譲がなされていて、ボールを持った状態であれこれやることができたんです。だからものすごく大変だったけれど、ものすごく楽しくて、得られるスキルも多岐に渡ったんです。

子育てして、会社員もしてましたから、その上でのボランティアでのファンクラブ運営は本当に大変でした。いつも眠くて、いつも走っている感じ。その上いつもスキルや知識が足りなくて、精一杯やってもたくさん失敗しました。
これ、会社と全然違ったんです。会社ならある程度やればちゃんと結果が出て、評価もされていたのに、ファンクラブはそうはいかなかった。
「がんばったことないコンプレックス」を持っていた私が初めて味わった、ギリギリまでがんばり、自分の限界を超える体験でした。

あーこれ、いくらでも語れちゃう……。

イベント運営を繰り返して得たもの

ファンクラブの運営に携わったことで、私は何度も何度もイベントを運営する機会に恵まれました。そこには、様々なスタイルのイベントがありました。

お茶会(ホテルで大規模なパーティー)
お食事会(レストランで少人数)
親睦会(レストランやパーティースペースでの中規模のパーティー)
入り出のイベント(制限の多い中での短時間のイベント)
同期の卒業公演でのフェアウェルパーティー(ホテルで中規模〜大規模)

対象者もファンクラブ会員のみの場合と一般ありの場合では、企画から何から異なります。シチュエーションも会場もそれぞれ。
企画から運営まですべてやり通すことで、いろんな力がつきました。企画の力もプレゼンも、PRも、ITスキルも、ライティング、ゲストアテンドもなんでも必要なんです。ボランティア組織ですから人的リソースと資金はだいたい足りず、スキルと工夫で乗り切るしかなかったから。

パーティーでは進行表を作り、BGMを編集し、司会原稿を作って司会をしました。さらには、配布するパーティーのプログラムも自分でデザインをするようになり、IllustratorやPhotoshopといったソフトの使い方を覚え、撮影したものを後日販売するため、動画編集までやるようになりました。

今、一緒に会社を経営しているビジネスパートナー実加は、その時のスタッフ仲間です。彼女は彼女で写真撮影、グッズの企画・制作、販売のスキルを徹底的に磨き、販売時間1時間で100万以上売る(集客は300人弱で)能力を身につけていました。

お互い自分の担当しているところだけでも必死でしたからね。任せて自己完結してくれて、安心していられる存在って、最高の存在でした。
普通の友人だったら一緒に起業はしないけれど、修羅場を共にくぐり抜けたことで唯一無二の存在になったんですよね。こんなパートナーが見つかる効果もあるかも。

ビジネスパーソンは、修羅場体験を積むことで成長する

まぁここまではやらないにしろ、イベントを運営するためには、決められた範囲の仕事を繰り返すこととはまったく別の次元の経験を積むことができるのは確かです。
どれだけ事前に想定をしておいても、絶対に当日、想定外のことが起きるんです。物がなくなるとか、届かないとか、お客様がとんでもないことを言い出すとか、ゲストが歌う予定だったのに声が出ないとか、とにかくまぁ様々なことが。

私は、何か能力を身につけるためには「修羅場体験」が必須だと思っています。物事がスムーズに進んだ場合、引っ掛かりがないから振り返る際にも印象が薄くなるし、問題がないところから何かを学ぶのって難しいです。試験だってそうですよね、問題を解くから解き方を覚えるのだから。

でも、普通の仕事ではそうそう「修羅場体験」は積めません。そんな綱渡りの日常業務だとしたら、その会社は危ない! そうならないように、二重三重のケアがされているのが日常の業務というものです。そうでなければ会社は成り立ちません。

「修羅場体験」については、私は岡島悦子さんの本『40歳が社長になる日』で学びました。まさに私はこれをファンクラブで経験していたんです。本業ではなく。

現在(2019/1/24)、岡島さんの本はkindle unlimited対象でした。初月無料なので、このサブスプリクションサービスを試してもいいかも。月額980円で対象タイトルから好きなだけ読めますから、本書を買うより安いです。他のNewsPicks Bookもいくつか対象になっていました。

本にも出てきますが、「修羅場体験」を若いうちにどれだけ経験しておけるかって、ビジネスパーソンにとって今、重要なんじゃないかなって思います。それは不確実性が高くて、変化のスピードが早い時代だからです。先が読めないからこそ、変化に対する適応力は、高めておいた方がいい。それには「修羅場体験」を積むこと。

体験を繰り返すことで、自ずと意思決定力もそのスピードもつきます。誰の判断を仰ぐ暇もない状況で、自分で考えて「決める」「動く」経験をたくさん積むことができるのが「イベント」なのです。

オンラインサロンでのイベント運営をすすめる理由

宝塚ファンクラブでの経験をもとに、私は後に起業をしました。会社くらい作れちゃう分の経験は積むことができましたから、起業後に起きたいろんなことにもまったく問題なく対処できました。

むしろ、ファンクラブ時代のほうが大変だったかもしれない……。昼間は会社員として時間を拘束されていたので。
今は何か起きても自分の(家族に使う時間以外は)すべての時間を費やすことができるので、あの頃より楽に感じます。
権限委譲されていたとはいえ、やはり上の存在がいたあの頃と違い、すべての決定権を今は持っていますしね。

私は今、本業とは別にボランティアでオンラインサロンの運営に携わっています。どうしてそんなことをしているかって、それは自分が会社以外の場所での人との出会いや積み上げてきた経験のおかげで、「自分で自分の人生をデザインできる」ようになったからです。

もしそれがなかったら、今もワーママとしてガラスの天井を眺めてため息をつき、家事も仕事も完璧にして、いつも疲れているんじゃないかなと思うんです。
別に起業しろっていう話ではないです。企業に属しながら、自分で自分の人生をデザインすることだってできるのに、当時の私には単に会社が敷いたレールしか見えていなかったんです。

「あなたは次世代のリーダー育成計画の対象者ですよ」と言われても、意味を見出せないTOEICの点数上げとか、マウントしてくる上司の存在との戦いを続ける気になれなった。だから上を眺めてはため息をついていました。それをしたら、今よりもっと刺激的な働き方ができるんだろうかって。

今回はファンクラブの話のみでしたが、その後に入っていたオンラインサロンで手を動かした経験も私の生き方を変えるきっかけになった。そこには、やろうと思えば圧倒的に経験を積める場があったから。
だから今は、できるだけそんな場を提供する側になりたいと考えています。私がサロン運営に携わるのは、主にはそんな理由です。人のためというよりかは、そうすることで今後息子が生きていく社会を、ちょっとは生きやすいものにしたいからという利己的な理由です。

オンラインサロンでのイベント運営も、宝塚ファンクラブと同じです。宝塚のファンクラブだって、ぬるくやろうと思えばいくらでもぬるくできます。ただ私は、応援している子が活躍する姿を私も夢見たから、必死でやっただけ。

もし、オンラインサロンを使い倒してなんらかのスキルを身につけたいと思ったら、ぜひ「イベント運営側」にまわってみてください。最初は、誰かのサポートでいいんです。本気で横で見てたら、学べることがたくさんあるはず。少しずつ規模の大きいものや、一般市場を相手にするようなイベントに関わっていけば積める経験も変わっていきます。本気でコミットしたら「修羅場体験」もいくらでもできますよ。

ただ、そこには「ボールを持たせてくれる」ことは必須かなと思います。権限がないままやっても、それは言われた通りにやっていることになり、会社と変わらないので。もちろんサロンといえど、人が作った場であったらそこのルールには従わないといけませんが。

良き場があったら、活用しない手はないです。失敗しても命を取られないどころか、最悪サロンを辞めることになったとしても会社をクビになるリスクとは比較にならないですよね。

少なくとも、自分が関わるサロンはそういう場であってほしいと思っています。そうであるように、動いているつもりです。
特にワーママ、ワーママ予備軍の皆様にはサロンは本当にオススメです。ライフイベントがある以上、女性には早めの「修羅場体験」が必須だから。現状、早い段階でそこまでさせてくれる会社は少ないし、選ばれた一部のエリートにのみ特別な道が用意されている場合も多いです。

もちろん、ガチガチに活動せずとも同じ意識の仲間を見つけて、ひたすらに楽しいことができるのもサロンの魅力です!

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Yuka Shibayama
会社を経営したり、オンラインサロンを運営したり、秘書をしたりしているワーママです。


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