3ベットレンジ(1)

3ベットレンジについて深く掘り下げる前に考えてほしいのですが、そもそも私たちは何故3ベットをするのでしょうか?3ベットをするどんな理由があるのでしょうか?ゲーム理論的観点から見れば、よりバリューを稼ぎ、期待値を上げる行為、となります。3ベットをする最も明らかな理由は、プリフロップにおいてエクイティアドバンテージがある時に、バリューがあるという事です。あなたのエクイティアドバンテージを直接押しつけて、可能な限り大きなポットを作ります。これは常に、ダイレクトに利益を発生させます。

スタックがショートであるほど、プリフロップのエクイティアドバンテージはより重要になります。よって、ショートスタック時やCAPゲーム、あるいはトーナメントにおいて、3ベットレンジはよりハイカードに偏り、エクイティをベースにしたものになるのです。あなたは、エクイティアドバンテージがある事、3ベットによってSPRを低くできる事を分かっているので、心地よくポストフロッププレイを排除しながら、エクイティリアライズが可能になります。しかし、妥当なエクイティアドバンテージがあるのならば、ポットをあまり大きくせずポストフロップをプレイした方が良いと言うのもまた、確かに一理あります。

PLOは通常、少なくとも誰かしらが4ベットする事を望んでいない限り、プリフロップでオールインに持ち込む事ができません。仮にあなたがエクイティに関わらず全てのAAxxで3ベットをしても、良いプレーヤーに対して、たくさんの中~高SPRシナリオのポストフロップで、エクイティリアライズをさせてしまうチャンスを与える事になります。悪いAAは通常、ほとんどのフロップで強くヒットしないので、たくさんのフロップで難しい推測を強いられる結果になってしまうのです。

プレイアビリティ、およびフロップのエクイティディストリビューションも、3ベットをする時に考慮すべき要素です。エクイティはそれほどでもないけれど、プレイアビリティ的アドバンテージがあるような良いハンドでは、あなたに有利に働くようにSPRを調整して、ポストフロッププレイの質を上げるようにします。この事に関しては後々、様々な3ベット可能なハンドを用いて議論していきます。

エクイティやプレイアビリティのアドバンテージをもって、バリューを最大化しようとする事以外に、プリフロップでリレイズする理由は他にもたくさんあります。弱いプレーヤー、あるいは3ベットポットを上手くプレイできない(CBに過剰にフォールドしたり、あるいはスタックオフを簡単にしすぎる様な)プレイヤーをアイソレートできるのです。アイソレートはNLHEほど重要ではありませんが、それでも価値のあるプリフロップラインと言えるでしょう。

とりわけIPにいるときは、3ベットは非常に強力な武器になります。あなたのハンドにとって丁度良いSPRへの操作が容易で、適切なハンドをより大きなポットでプレイできるからです。対して、OOPからの3ベットは、はるかにトリッキーになりかねません。特に、AAxxやKKxxといったポラライズハンドをもっている場合は。しかしながら、フロップに行く前にあらかじめSPRを低くしておくと言う事は、ポジション的不利を軽減することになります。ポジションは、SPRが高くなるほど重要な要素になるからです。

それでは、3ベットを考えるようなハンドについて詳細に議論していく前に、ポジション的観点から見た3ベットと、それにともなういくつかの一般的な考慮事項について話していきます。

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