GTO戦略

GTO戦略とは基本的に、相手の戦略如何に関わらず、こちらの完璧なバランスによってつけこまれないという戦略を意味します。こちらは理論上完璧な頻度を保ってプレイしているので、相手はコールしようがフォールドしようが、こちらからEVを得ることができないというわけです。GTO戦略は、少し保守的なアプローチです。特定の1場面においてEVを最大化する事に主眼をおいていません。

あなたはリバーでポットベットを打ちます。ベットしている時の内訳は、バリューベットが67%、ブラフが33%。こちらは完璧なバランスのレンジと頻度を保っているので、相手はこちらのベットにどう対処してもブレイクイーブンになってしまいます。少なくとも理論上は。GTOアプローチによって相手はこちらをエクスプロイット出来なくなっているのです。

例を出しましょう。あなたにJJ87ss(シングルスート)が配られ、ルースなUTGのオープンにフラットコールすることにしました。フロップは、J♠9♠9♦。あなたは相手が常にターン、リバーとバレルを継続してくることを知っています。強いレギュラーに対しては、バランス上の理由からレイズしたくなるかもしれません。この場面では、よいバランスのためにフラットコールし、自分のハンドを弱い9XXXあるいはペア、弱いドローのように見せます。加えて、抵抗することが難しいレイズレンジを作ります。JJxx,A9xx,QTxxや、弱いフラッシュドローなどをレイズレンジとします。そして、強いコールレンジを保つために、J9xx,QQTx,KKTxや、ショウダウンバリューの見込めるドローハンドをフラットコールします。

このスポットにおいて、あなたが弱いプレーヤーに対してはレイズし、強いプレーヤーに対してはコールに留めたとしても、弱いプレーヤーはその事にすぐには気付かないでしょう。弱いプレーヤー達に対してはこの場面でバリューが存在します。彼らは正しくアジャストすることができないからです。強いプレーヤーに対しては、コールするレンジを強くするためにフラットし、弱いプレーヤーに対してはEXP戦略を使います。

さて、UTGにいるあなたにJJ55が配られオープンし、弱いプレーヤーがコールしました。フロップはJJ5r。強いプレーヤーに対しては、あなたのレンジ全体から見れば、ベットする場面でしょう。(この場面では、特定の相手に対してQQxx+などをチェックコールするでしょう。)今相手にしているのは、ゲームを全体的に見るということの意味を理解していない弱いプレーヤーです。彼は自分のカードだけを見ています。この場合あなたはチェックし、彼がドローもしくはペアを作り、ターンやリバーでアンダーフルハウスを作ってもらうことを期待します。また、対戦相手が何をもっているか、最大いくら支払ってくれるかを考慮にいれながらベットサイズを変えて、彼のコールレンジを操作することもできます。

EXP戦略とGTO戦略はどちらも「全体的なゲームプラン」の一部であり、これらを両用することがよいゲームプランになります。先に述べた通り、起こり得るシチュエーション全てにおいて厳密なゲームプランを立てることは不可能です。ゲームの原則を理解し、個々の場面に適用させなければいけません。深い理解を基に、利益的な頻度とラインを構築していきましょう。GTO戦略を基にしたゲームプランはあなたをエクスプロイット不可能なプレーヤーにし、弱いプレーヤーにたいしてはより良いEVのためにエクスプロイットします。これが勝てるプレーヤーになるためのゲーム理論原則です。

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