ボードテクスチャー(3)

ランク

スーテッドネスとコネクテッドネスに加えて、もうひとつ考慮すべき要素があります。それが「ランク」です。ボードにはハイカードとローカードどちらがありますか?と言うことです。ランクを考慮に入れる主な理由は2つあります。まず、ハイカードボードは、ターンでのエクイティの変化は比較的少ないです。仮にAK7というボードがあったとすると、大きなエクイティ変化はありません。AKxxでツーペアを作った時のような良いメイドハンドは、よりよいツーペアに逆転されると言う事がありません。恐いのはセットとドローのみです。

一方、972のようなボードでのトップツーペアは脆弱なもので、多くのストレートドローだけでなく、ペア+オーバーカード全ての組み合わせにも逆転があり得ますし、あるいはオーバーペアにさえ、ターンで2が落ちれば負けてしまいます。

しかし考慮すべき事はそれだけではありません。相手はローカードよりも、ハイカードのハンドをより多くプレイしていますので、相手のハンドレンジとフロップの相互作用と言うべきものもまた、考えなければいけないのです。これによって私たちは、「ヘヴィネス」と「ライトネス」という概念を検討することになります。

ヘヴィネスとライトネス

ヘヴィネスが意味するところは、相手のプリフロップレンジによりマッチしたボードテクスチャーと言う事です。プレーヤーはごく自然に、ハイカードをより多くプレイしますので、ローボードよりも、ハイカードボードのほうがヘヴィであると言えるのです。逆に、プリフロップのレンジからすると、ライトボードではそれほどマッチしないと言う事になります。例えば、752は相当にライトなボードです。ほとんどのプレーヤーは、低いポケットペアをあまりプレイしませんし、低いランダウンも、そうよくあるものではありません。低いランダウンは、合理的なオープンレンジもしくは3ベットレンジのうちの少ない一部分なのです。

よって、プリフロップレンジはよりヘヴィなボードに噛み合います。ライトなボードよりもヘヴィなボードの方が、トップツーペアやセットが存在する確率が高いです。ほとんどのプレーヤーは、ハイペアと同じくらいスモールペアをプレイするということはないのですから。それではいくつかの、ヘヴィボードとライトボードの例を出します。

ヘヴィ:AK2、AT9、KQ5、QJ7、JT9

ライト:974、853、654

ここまであなたは、いくつかの方法でフロップをカテゴライズする方法を学びました。しかしまだ、その戦略的意味合いについては取りかかっていません。そのアドバイスをする前に、もう1つ非常に重要なコンセプトを知らなければいけないのです。それが、ひと括りに言うところの、フロップのダイナミクス(動性)です。

それでは、再び探究を始めていきましょう。フロップが、ウェットネス(スーテッドネス、コネクテッドネス)とランク(ヘヴィネス、ライトネス)でカテゴライズできる事は既に学びました。しかしこれらは全て、「ダイナミクス」と一体になっています。こういったコンセプトを使う事によって、バランスの取れた、エクスプロイットされないゲームプランを立てていきます。

ダイナミクス

ダイナミクスは、次に落ちるカードで現在のナッツが変わる確率と関係しています。ダイナミック(動的)ボードは、ナッツを変えるカードがたくさんある事に影響されます。反対にスタティック(静的)ボードは、そういったカードがほとんどもしくは全くありません。

一目見る限り、このコンセプトはウェットネスとドライネスの関係と同じであると思うかもしれません。実際、ダイナミクスはそれらのコンセプトから一歩進んだ概念です。ウェットネスとドライネスは単にボードの構造の事を指しますが、ダイナミクスは、プレーヤーの持っているハンド及び、それらに適用する戦略もまた考慮に入れます。

あなたの総合的なゲームプランの中で、異なるそれぞれのハンドを様々なボードにおいてどのようにプレイするのか、その方法をダイナミクスが明らかにしてくれます。例えば、非常にスタティックでドライなボードで、トップセットを持っているとしましょう。この場合、あなたはいくらかクリエイティブなラインを取れそうです。そういったボードは逆転されにくいからです。よって、レンジのバランスのために、非常に強いハンドをチェックバックしたり、レイズに対してコールに留めたりするのもいいかもしれません。非常にウェットなボードでは、よりハンドをプロテクトしなければいけなくなり、スロープレイはベストな選択にはなり得ないでしょう。

あなたはまた、様々なボードテクスチャーにおいて、相手がどのようなハンドでそれぞれのアクションをしているのかを考えなければいけません。ポラライズされたレンジによる、ドライでスタティックなボードでのレイズは通常、非常に強いメイドハンドかブラフのどちらかです。逆に、ウェットなボードでのレイズには、たくさんのメイドハンドとセミブラフが含まれています。

当初の議論に戻りましょう。ウェットネスとランクはボードテクスチャーを定義付けします。そしてダイナミクスは、あなたの総合的なゲームプランに則った、あなたのレンジを様々なボードでどうプレイするかという戦略を決定づけます。

私たちはフロップテクスチャーを、ウェットネス(スーテッドネス、コネクテッドネス)及びランク(ヘヴィネス、ライトネス)によってカテゴライズし、それぞれのボードをダイナミクスと関連づけていきます。これらの考え方を説明するために、いくつかの例を見ていきましょう。ボードをスタティックとダイナミックの2つのタイプにわけ、サブカテゴリーとしてヘヴィネスを置きます。よって、以下に分類したボードテクスチャーについてそれぞれ議論していくことになります。

スタティック:ヘヴィ/ドライ、ライト/ドライ、ペアボード、モノトーン

ダイナミック:ヘヴィ/ウェット、ライト/ウェット

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