3ベットレンジ(5)

KK

PLOにおいてKKというハンドは、NLHEほど強くありませんが、3ベットするには充分な強さをもっています。ではさっそく、エクイティ表を見ていきましょう。全てのスターティングハンドにも言えることですが、コネクトしていると言う事は、スターティングハンドのクオリティを、プリフロップのエクイティおよびフロップ後のプレイアビリティという点に関して大いに高めてくれます。

以下の表でのスーテッドハンドは、常に一番高いカードがスートになっています。

上の表を見ての通り、KKはAAに比べると、プリフロップでのエクイティがはるかに劣ります。タイトなレンジに対しては全く有利ではありませんし、KKが良くない(KK72rのような)ものであれば、ビハインドにさえなってしまいます。この事がまずAAとの大きな違いで、AAがタイトなレンジに対して有利な一方、ルースなレンジに対していくらかエクイティが少なくなりますが、KKはその点で全く異なります。相手のレンジが広くなるほど有利になっていきますが、タイトなレンジに対して、著しいエクイティアドバンテージはありません。AAの存在および、AAが多く含まれるタイトなレンジが、明らかにKK全体の性能を弱めています。加えて、フラッシュドローやコネクトのない非常に弱いKKは、全く強くありません。25%のレンジにさえアンダードッグ(不利)になってしまいます。

2番目の表を見てください。AのあるKKは、エクイティ全体をものすごく押し上げています。これは、こちらがAを持っている事によって、AAをもつプレーヤーがいる可能性を減らしていることによります。また、フロップにAが落ちても(ひとまずAのペアにはなるので)、弱くなりづらいです。

また、コネクトしていてスーツもある良いKKは、広いレンジに対して極めて良い性能を発揮します。そういったレンジに対しては必ず3ベットして、エクイティアドバンテージを押しつけましょう。とりわけ、レイトポジション、BTNのオープンに対しては気軽に3ベットできます。安定したエクイティアドバンテージと、良いプレイアビリティがあるからです。

その一方で、非常に弱いKKは3ベットを控えましょう。もしくはよほど特殊な状況に限定するべきです。エクイティディストリビューションが完全にポラライズされていますので、3ベットポットで利益的なプレイをするために必要な強さになるフロップは、あまり引けません。弱い相手に対しては、それでもうまくやりおおせるかもしれませんが、悪いKKは、オープンレイズに対してフラットコールに留めるほうが良い場合が多いです。3ベットするのは、ダブルスーテッドでコネクトしている、非常に良いKKに限った方が良いでしょう。それでは、以下のグラフを見てください。KK72rはポラライズドエクイティディストリビューションの性質をもっています。60%以上のエクイティをフロップで引ける確率はわずか20%にすぎません。こういったハンドはマルチウェイ、高SPRをプレイするのに適しています。このようなハンドで3ベットをする事は、バリューを稼ぐ事にはなりません。弱いKKは通常、高SPRであるほど良いプレイができます。よって、プリフロップではほとんどの場合、ジャストコールに留めたほうが良いでしょう。

KK72rと、スーパープレミアムであるKKQJdsのエクイティディストリビューションを見比べると、そこには顕著な違いがあります。ポラライズされたKK72rとは対照的に、KKQJdsは、非常にスムースエクイティディストリビューションの性質をもっています。80%ものフロップで、50%以上のエクイティが保証されています。さらに、半分のフロップで最低でも60%のエクイティがあります。これは大きな違いです。

タイトなUTGオープンに対しては、KKで3ベットはしないほうがいいでしょう。もしするのであれば、スーパープレミアムKKに限定します。こういった場面ではエクイティアドバンテージは与えられていないので、フラットコールしてポストフロップをプレイする事を考慮します。より弱いハンドになるほど、この様なオプションの重要性は増してきます。また、タイトなレンジに対して3ベットをしないことで、4ベットをされるという、厄介なスポットに引きずり込まれる事を避けられます。4ベットレンジの大部分を占める良いAAは、KKにとって非常に良くないハンドなのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?