エクイティディストリビューション(2)

スムースエクイティディストリビューション

スムースエクイティディストリビューションは、ポラライズされたそれとは逆のものです。より多くのフロップにヒットし、そこそこのエクイティになりますが、ものすごく強いハンドになるフロップはごくわずかです。スムースハンドとは、KQJT、T986、8765などの良くコネクトしていてかつ、ダブルもしくはシングルスーテッドのハンドを指します。

それではQJT9ダブルスーテッドを例に、様々なレンジに対するグラフを見ていきましょう。


QJT9ds vs 10%レンジ

一目で、ポラライズハンドのグラフと異なっている事がわかります。グラフの線はより平らでカーブがありません。より弱いレンジに対してはさらにその傾向が顕著になります。

エクイティディストリビューションはよりなだらかになり、バランスが良くなっています。フロップにヒットしやすいですが、エクイティは少ないです。トップセットを引いた時のような、著しくエクイティが高くなる箇所はありませんが、多くのボードでそこそこのエクイティがあります。

QJT9ds vs 30%レンジ

もっとルースなレンジ、とりわけトップ30%のレンジに対しては、フロップで噛み合った時に多くのバリューがあります。加えて、70%のケースで少なくとも30%以上のエクイティがあり、ハンドをプレイしやすくしてくれます。


QJT9ds vs 100%レンジ

100%のレンジに対した場合、このハンドはさらに良く機能します。50%以上のエクイティが、70%ものフロップで保証されています。

QJT9dsのような全てのスムースハンドは、このようなエクイティディストリビューションであるがゆえに、ヘッズアップのポットや低SPRに適したハンドです。これらのハンドは、ナッツフラッシュドローやセットオーバーセットのようなナッティなハンドにならないので、とても高いSPRになった時、より強いハンドにドミネートされる事を恐れなければならないからです。しかし、こういったハンドはマルチウェイでもプレイ可能です。IPでこれらのハンドを持っていれば、プレイアビリティという点で大いに役立つでしょう。しかし、あくまでもベストな状況はヘッズアップポットです。ヘッズアップでは、低確率で出来るナッティなハンドよりも、高確率でそこそこのエクイティのフロップを得る事の方が重要だからです。

PLOにおいて、ハンドの強さがどのように機能するかと言う事はすでに理解しているかもしれません。しかし、ハンドの強さの判断基準は、エクイティやプレイアビリティだけではありません。フロップ後の状況も想定しなければいけません。例えば「低SPRなヘッズアップポット」「全員参加しているポット」「高いSPRのリンプポット」など、これらの状況はそれぞれ著しい相違があります。ヘッズアップでより良く機能するハンドもあれば、マルチウェイ向きのハンドもあり、OOPでイニシアティブをもって戦うほうが簡単なハンドなどもあります。

次回以降のパートでは、ポストフロップシナリオを組み立てる際の助けになったり、ハンドをどうプレイするかのヒントを与えてくれるようないくつかの指標について学んでいきます。

まとめ

♠スムースハンドは多くのフロップでそこそこのエクイティを得ます。

♠ポラライズハンドはフロップであまりヒットしませんが、ヒットした時のエクイティは非常に高いです。





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