3ベットレンジ(4)

ハイペア

AA

AAは、3ベットハンドにカテゴリーされるものの中で、最も重要なハンドです。実際、一番3ベットされるハンドです。タイトな3ベットレンジはAAが非常に濃いですし、多くのプレーヤーは未だに、レンジをミックスアップすることなく、全てのAAを3ベットしています。その戦略的意味合いは後々議論します。

3ベットするAAの中で最も重要なのは、ダブルスーテッドのAAKK、AATT、AAJTといった、スーパープレミアムハンドです。これらのハンドは、全てのハンドに対して極めて優れたエクイティとプレイアビリティをもっています。ですので、全てのポジションから、そのエクイティアドバンテージを押しつけていくようにしましょう。限定されたいくつかのシチュエーションでは、これらのハンドでフラットコールし、ブラフやスクイーズを誘ってもいいかもしれませんが、通常はポジションに関わらず3ベットするべきです。保証されているエクイティアドバンテージによって、これらのハンドは、タイトなレンジとルースなレンジのどちらに対しても、非常に優れた機能を発揮します。

プレミアムではないAAは、いくらかその扱いがトリッキーになっていきます。AA22ssのようなハンドは、フロップ後、プレミアムなAAほど良いプレイができません。多くのボードで、微妙な判断をしなければいけなくなるからです。それでもなお、3ベットはしたほうが良いでしょう。これにはいくつかの理由があります。まず1つ目に、参加人数を絞って、ヘッズアップポットにしたいという事があげられます。マルチウェイにおいては、要求されるハンドの強さがヘッズアップのそれに対して厳しくなります。フロップでトップセットやナッツフラッシュドローにならなかった単なるオーバーペアは、マルチウェイでの強いアクションに耐えられないのです。もう1つの理由は、フロップのSPRに関することです。SPRが低くなるほど、プリフロップでのエクイティアドバンテージの重要性が高まります。AAを持って、SPR1近辺のポットをフロップで作れるのなら、それは常に利益的な事なのです。SPR1でスタックオフに必要とされるエクイティ、33.3%が保証されるフロップは充分な頻度で引けます。そして、いくつかのボードテクスチャーの場合に微妙にならざるを得なくなるポストフロッププレイを、排除できる事にもなります。

AA72rを典型とするような非常に弱いAAは、自動的に3ベットするべきではありません。プリフロップのラインを決定する前に、あなたの置かれている状況を注意深く評価しなければいけないのです。IPではあるいは3ベット可能かもしれませんが、OOPにいてマルチウェイポットになりそうなのであれば、オープンレイズに対してジャストコールして、セットバリューに期待したほうが良いかもしれません。ほとんどのフロップで、プレイの続行は不可能になりますが、このような場合、プリフロップでの投資を制限した利益的な決断と言えるでしょう。

それでは、異なる色々なタイプのAAの、様々なレンジに対するエクイティ分布表を見ていきましょう。例として、5種類のAAを選びました。まず、AAxx(全てのサイドカードの可能性を含む)、それから、スーパープレミアム、ダブルスーテッドのAAJT、シングルスーテッドのAA22、そしてレインボーのAAKQとAA72です。

これらの表から、いくつかの興味深い結論を導きだすことができます。まず、AAJTdsのようなダブルスーテッドでよくコネクトしたものは、よりよく機能し、他のタイプのAAと比べて5%以上のエクイティアドバンテージが、全てのレンジに対してあります。また、全てのAAはタイトなレンジに対してより有利で、広いレンジに対してはいくらか有利が少なくなります。その傾向は、AAのクオリティが下がるほど、より顕著になります。60%のレンジまでエクイティは減り続け、100%のレンジに対してはいくぶん回復します。

コネクトはしているものの、レインボーなAAKQによって、もう一つの重要な結論が導き出されています。フラッシュドローの可能性が全くないという事は。エクイティ全体に対して弊害でしかないと言う事です。特に、広いレンジに対してその傾向があります。

以下の表のAAKQによって、フラッシュドローの重要性を、より精密に見ていきましょう。

見ての通り、フラッシュドローは、エクイティを著しく押し上げます。更にフラッシュドローは、ポストフロップでのプレイアビリティを大いに上げてくれます。そして、いくつかのタイプのフロップで、チェックフォールドせずに済むようなモンスターハンドになってくれます。また、フラッシュドローによるエクイティアドバンテージは、ルースなレンジに対してより大きくなる事も覚えておいてください。

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