ボードテクスチャー(6)

ダイナミックボード

スタティックボードとは対照的に、ダイナミックボードは、ターンやリバーでのエクイティ変化が頻繁に起こります。メイドハンドはこれらのボードでバリューを失い、ドローは非常に強いハンドになります。強いラップとフラッシュドローの組み合わせは、トップセットにさえフェイバリットになり得るのです。フロップストレート、それがたとえナッツストレートであったとしても、リドローのないものは非常に脆弱です。それどころか、セットとフラッシュドローの組み合わせに対してひどいアンダードッグになってしまいます。それではダイナミックボードにおける、一般的なエクイティ例をいくつか見ていきましょう。その後に、ヘヴィネスをカテゴライズする段階に移ります。特に際立った例として、J♥T♥9♠ボードにおけるK♦Q♣2♦2♣を見ていきましょう。

フロップでナッツストレートになっていて、一見するとあなたのハンドにとって良いフロップです。しかしそれでも、注意深くプレイするべきなのです。こういったハンドをタイトなプレーヤーに対してファストプレイするのは、大きなミスになり得ます。現状ナッツストレートのハンドに対してフェイバリットなハンドがいくつかあるのです。JJ♥♥はトップセットとフラッシュドローを同時に持っていて、ナッツであるストレートに対して63%ものエクイティがあります。A♥3♥33のような、フラッシュドローのあるクラップ(クズ)ハンドにさえ、38%のエクイティがあるのです。フラッシュドローと、ツーペアのようないくらかエクイティを増やすハンドの組み合わせは非常に強くなります。例えば、T987で♥が2枚というハンドは、フロップのリドローがないナッツに対して52%のフェイバリットです。とりわけマルチウェイにおいては、リドローのないただのナッツストレートは非常に弱いハンドになってしまいます。マルチウェイポットにいて、2人のプレーヤーがオールインしたところを想像してみてください。一人はセットを持っていて、もう一人はナッツフラッシュドローを持っています。この場合、現状ナッツストレートのエクイティは31.73%にまで減らされてしまうのです。

この例は、ダイナミックボードにおけるドロー(あるいはリドロー)の重要性を示しています。メイドハンドは、何らかのリドローが付いている場合のみ非常に強くなるのです。

ヘヴィ/ウェット

ヘヴィ/ウェットボードの例として、JT6やAT9のツートーンボードなどがあげられます。こういったボードでトップツーペアやトップセットになったとしても、ビッグドローに対しては基本的にフリップになってしまいます。ガットショットやストレートドロー、あるいはフラッシュドローといった、エクイティを増やしてくれる何かしらの付加要素が欲しいところです。それでは、A♥T♥9♠ボードについてもっと詳しく見ていきましょう。

♠ターンでストレートが完成し得る確率:48.92 %

♠ターンでフラッシュが完成し得る確率:22.35%

♠リバーでストレートが完成し得る確率:82.65%

♠リバーでフラッシュが完成し得る確率:45.76%

これらの数値によって、このボードテクスチャーがいかにウェットであるかが示されています。リバーまでにストレートが完成し得る確率は約83%、フラッシュは46%です。単なるトップセットにとってこれは良いニュースではありません。そして、トップセットをどのように見て、どうプレイするかについて重大な影響を及ぼします。

単純化するために、トップセットのサイドカードをランダムにして、ラップになるKQJTと比較してみます。

ボード:AT♥9♥

ハンド           エクイティ

AAxx            46.99%

KQJT:♥♥          53.01%

トップセットにフラッシュドローがついた場合、ラップに対してのエクイティが劇的に増大します。

ボード:AT♥9♥

ハンド           エクイティ

AAxx;♥♥         71.63%

KQJT                                             28.37%

ヘヴィ/ウェットボードに関してもう1つ、考慮すべき重要な要素があります。それがナッティネスです。PLOにおいて、ただ強いドローではなくナッツドローをプレイするべきと言う事は広く知られています。とりわけマルチウェイにおいては非常に大事です。自分のドローが更に良いドローにフリーロールなどされたくはないでしょう。上のAT9ボードを例にとって、フラッシュドローのついた8765をプレイしていると想像してみてください。一見これはビッグドローのように思えますが、マルチウェイには複数のプレーヤーがいます。あなたは大抵、強いメイドハンドやあなたを上回るドローによってドローイングデッドになっています。

それでは、ライト/ウェットボードについて進んでいく前に、ヘヴィ/ウェットボードの特徴をおさらいしましょう。

ヘヴィ/ウェットボードの特徴

♠フロップのナッツはドライボードと比較してエクイティは少ないです。

♠メイドハンドはバリューを失います。

♠多くのドローを持ったハンドは、ドローのないナッツに勝っていることさえあります。

♠ドローとセミブラフによって多くのアクションが起こります。

♠エクイティは互いに接近しています。

♠ビッグコンボドローとリドローのあるメイドハンドが最も強いハンドになります。

♠ナッティネスが非常に重要です。


ライト/ウェット

それでは最後に、ライト/ウェットボードについて評価していきましょう。ライト/ドライボードと同様に、プリフロップレンジがあまりヒットしないボードですが、762ツートーンボードでは少なくともいくらかのフラッシュドローがあり、こういったボードをダイナミックにしています。セットや強いメイドハンドは少なく、更にトップセットでさえ、様々なハンドに対して大きくフェイバリットにはなりません。ラップ+ペア、ペア+ストレートドローあるいはオーバーペア+フラッシュドローなどのペア+ドロー系が相当数、幅広く存在し、あらゆるメイドハンドに対して非常に良いエクイティを持っています。

こういったボードでは、互いにエクイティが接近している故に強いアクションをする事が許されており、メイドハンドとセミブラフによって多くの活発なアクションが起こります。ライト/ウェットボードにおけるレンジはマージされています。とりわけマルチウェイにおいては、ナッツ及びナッツドローにいつも注意を払わなければいけません。逆に、ヘッズアップポットではいくらかライトなアクションも可能になります。

ライト/ウェットボードの特徴

♠フロップのナッツはドライボードと比較してエクイティは少ないです。

♠強いメイドハンドは非常に少ないです。

♠ドローとセミブラフによって多くのアクションが起こります。

♠エクイティは互いに接近しています。

♠ドローハンドとリドローのあるメイドハンドが最も強いハンドになります。

♠ナッティネスが非常に重要です。

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