イニシアティブ

NLHEと違い、PLOの場合、イニシアティブ(主導権)はそれほど重要ではありません。イニシアティブは、全ての参加者がフロップをミスしているであろう場面でより重要になってきます。よって、全員のエクイティが接近していて、かつ、はるかにフロップにヒットしやすいPLOにおいては、ブラフのCBでバリューを失う事になるのです。ただし、イニシアティブというコンセプトを理解する事自体は、ゲームの改善の助けになるでしょう。

イニシアティブはヘッズアップの状況でより重要になってきます。相手がフロップをミスしていたり、あるいは継続が難しい弱いハンドしかヒットしていない可能性はより高いでしょうから。こういうケースでは、ブラフのCBはとても利益的になります。また、プレーヤーの傾向も考えます。仮に、ハンドをプレイしすぎる弱い相手をアイソレートしたとしましょう。フロップで彼に強いハンドがヒットした可能性はほとんどありませんから、アグレッションによってポットを勝ち取れます。この事から、一般的にこちらのレンジの方が強いときは、イニシアティブ及びエクイティ的アドバンテージによって、常にバリューを生み出せると言えます。加えて、弱いマージナルハンドもまた、なるべくイニシアティブを持ってプレイすべきでしょう。オーバーペアやトップペアを持って、チェックコールのようなパッシブなラインを取るようなプレイは、大抵-EVな行為なのです。

一方、マルチウェイにおいて、イニシアティブはほとんど効力を発揮しません。全てのレンジが強くなるほど、イニシアティブはより微妙なファクターになりますので、それに頼りすぎるべきではないのです。マルチウェイでピュアブラフのCBを打つという行為は、ほとんどマネーを失う事と同義です。イニシアティブを持った状態でのブラフが正しいプレイになるかどうかは、極めて厳密に考慮しなければいけません。

イニシアティブは、フロップでレンジがポラライズされるという理由によって、ウェットなボードよりも、ロックダウンボード(仮にナッツがいたとしたら、そこに対してほとんどエクイティがないボード)や、かなりドライなボードでより効果的になります。例えばあなたが3ベットをして、AA2というボードになったとしましょう。AxxxやAAxx、もしくはハイペアを含んでいるはずのあなたのレンジはこのボードにかなりマッチしていて、相手はプレイを続行する事が困難になります。あなたのトップレンジに負かされているリスクはかなり高く、弱いハンドを中途半端にプレイする事が許されていないのです。よって、この様な場合にプリフロップでのイニシアティブを利用するという事は、かなり合理的になります。その一方で、仮にあなたがUTGからレイズして、765rというボードになったとしましょう。この場合、あなたのレンジが強いハンドを主張するには無理があり、イニシアティブを行使するという行為は理にかなっていない、という事になります。

総括すると、イニシアティブはヘッズアップの状況でより効果的なものになります。レンジ対レンジのエクイティ的アドバンテージを活かして、ペアボードやロックダウンボードなどの両極化したフロップで利用するようにしましょう。そして、マルチウェイやウェットなボードでは、イニシアティブはより重要ではなくなります。

まとめ

♠PLOでのイニシアティブはNLHEほど重要ではありません。

♠イニシアティブはヘッズアップでより効果的になります。

♠マルチウェイにおいては、イニシアティブはほとんど意味のないものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?