プリフロップコールレンジ

PLOにおいて、プリフロップコールレンジについて考えるときは、ここまで学習してきたハンドセレクションの原則を思い出してください。ポジション、相手の人数とそのプレイスタイル、そしてもちろん、シナリオの展開(ヘッズアップ、マルチウェイ、SPRなど)についてです。これらの要素は、プリフロップの決断の基礎を形づくります。レイズするのか、コールするのか、オープンに対してフォールドするのか。自分からオープンする場合、その決断はよりポジションに依存しますが、コールレンジの場合は、比較的相手とそのアクションによります。

あなたがそこそこのハンドを持っていて、プレイを続行したいと思った時に、コールとリレイズのどちらも可能です。どちらにも議論の余地があります。次の「3ベット」のパートで、リレイズのほうが優れているということについて広く議論していきますが、このパートでは、コールが正しいプレイになるような状況について議論します。ポイントとなるのは、ポストフロップにおいて何が起こり得るのか、を想定することです。

まず、非常にタイトなオープンに対しては、リレイズを返すべきではありません。4ベットポットになりやすく、そこそこのコネクトしたナッティハンドなどの、マルチウェイでも良く機能するようなハンドが、エクイティ的不利な状況でのギャンブルを強制されます。もしMPにいてUTGのオープンにコールしたのならば、ほとんどの場合マルチウェイになります。BTNのプレーヤーはポストフロップでのアドバンテージを生かすべく、よりライトに参加してくるでしょうし、非常に良いオッズを与えられたブラインドのプレーヤーもまた、簡単にブラインドをディフェンスするでしょう。ポットはマルチウェイかつ高SPRになります。すでに学んできた通り、このような状況では、ナッティでポラライズされたハンドこそが非常によく機能します。ナッティでないレンジを持った他のプレーヤーにも参加してもらいましょう。ドミネートしている弱いドローや低いポケットペアがコールしていれば、高い利益を出せるはずです。コールが正しいオプションになるのは、プレミアムではないけれどもナッティなハンドをもっていて、ポットへの参加者を絞りたくない時です。

3ベットが常に起こるような非常にアグレッシブなテーブルにおいては、あなたはより強いレンジでオープンレイズにコールします。そうする事によって、マージナルなハンドでスタックオフを強いられるような状況にならずにすみます。でなければ、更なるアクションによってフォールドせざるを得なくなるでしょう。プリフロップでリレイズが頻繁に起こるようなテーブルにおいて、マージナルなハンドをフラットするのは大きな間違いです。このようなテーブルでは、プリフロップのレンジを少しタイトにして、たくさんのマージナルなスポットでギャンブルする事を避けていきましょう。また、「トラップ」はこのようななテーブルにおいて有効なオプションです。オープンレイズに対して、レンジの中で非常に強いハンドをフラットします。そこでライトな3ベットがあれば、4ベットを返し、とても利益的になる状況を作り出します。アグレッシブなショートスタックプレーヤーに対しても、同様のオプションが有効になるでしょう。

一方、パッシブなプレーヤーばかりのテーブルにおいては、あらゆる(とりわけナッティな)ハンドをもって、たくさんのマルチウェイフロップを安く見にいきます。3ベットがほとんど起こらないようなテーブルでは、あらゆる種類のハンドで参加し、ポストフロップスキルを利用します。そうする事で、多くのチップをリスクにさらすことなく、フロップ後の利益的な状況に進む事ができます。

それでは、オープンレイズに対して良く機能するハンドをどのように選ぶか、議論していきましょう。ハイペアやハイカードのランダウンを多く含んだUTGの13%オープンに対して、他の状況であれば簡単に3ベットできるハンドをコールに留める事には、いくらかのメリットがあります。ポイントは、非常に良いプレイアビリティとビジビリティ(可視性:自分と相手のハンドの強さを簡単に測定できる事)を持つハンドでフラットし、ポストフロップでの利益的な状況を作りだす事です。

AQ98dsやAQJ9ssのようなハンドは、ルースなレンジに対しては容易に3ベットできます。しかし、非常にタイトなレンジに対しては、ただフラットコールする事しかできません。仮にこのようなハンドで3ベットしてしまった場合、フロップで、相手のレンジの大部分にドミネートされてしまう恐れがあります。したがって、これらの良いハンドは、フラットする事がベストなオプションになるのです。こういったハンドはマルチウェイでも非常に良く機能しますので、フラットする事によって、あなたのハンドにドミネートされているような弱いハンドを持ったプレーヤーにも参加してもらいましょう。一方、低いランダウンなどは、むしろ3ベットした方が良いでしょう。こういったハンドは、タイトなプレーヤーの4ベットに簡単にコールでき、フロップ後の利益的な状況に進むことができます。以上のような場面は、ハンド実例の「ハンド8」でより詳細に議論します。

このような原則を、非常にルースなレンジに適用してみましょう。AQJ9ssの様なハンドは、一転して簡単に3ベットを返せるようになります。一方、低いランダウンは、3ベットを返すべきではありません。ルースなレンジの中には、低いランダウンをドミネートするようなミドルカードが多く含まれているのです。よって、8765ssのようなハンドはコールに留めて、フロップでの優れたビジビリティとプレイアビリティを活用しましょう。

まとめ

♠シングルレイズのマルチウェイポットでは、ナッティなハンドがより良く機能します。

♠パッシブなテーブルではたくさんの(とりわけナッティな)ハンドで、ポストフロップをプレイしましょう。

♠特定の相手にコールレンジをアジャストする事は非常に利益的です。

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