バンクロール管理

今章で言及されてきたスキルに加えて、ある一つの確固たるスキルをマスターする必要があります。すなわち、あなたがプレイに使用する資金の管理です。あなたのバンクロールは絶対的にゲームの中心にあるものであり、資金なしでのゲームなど不可能なのです。よってあなたは、バンクロールの大部分を失わないように、段階を踏んでいく必要があります。ポーカーには運と分散がつきものですので、資金の大半を失わないという保証はありません。しかし、バンクロールを最大限活用するような、賢明なリスク/リワード管理を行う事はできます。

あなたは、過度のリスクを負うことのない、合理的な利益を出す方法を見つけなければなりません。もしあなたが1000ユーロのバンクロールをもっていたとしたら、直ちに10/20のテーブルに座って、バンクロールの全てを持ち込むこともできるでしょう。見返りは大きいですが、大抵の場合、バンクロールを全て失ってセッションを終えることになり、そのリスクは受け入れがたいものになります。一方、0.01/0.02でプレイするならば、バンクロールを失うことはないでしょうが、大きな勝ちは見込めません。

重大な破産のリスクなしに、バンクロールを可能な限り速く増やすための、リスクとリワードの完璧なバランスを見つけていきます。まず、あなたは勝っているプレーヤーでなければいけません。どう良く見積もっても、バンクロール管理は、負けているプレーヤーにとっては考えても遅いものです。したがって、ゲームに勝ち、多大な努力でその内容を改善していく必要があります。

あなたが勝っているプレーヤーだとしても、他に収入のないプロポーカープレーヤーと、バンクロールに重きをおいていないレクリエーションプレーヤーの間には大きな違いがあります。プロプレーヤーは、金銭に関してはるかに注意深くあらねばなりません。バンクロールがなくなった時点で彼らのキャリアは終わりを迎えてしまうからです。100~500バイインほどの、非常に堅実なBRMが必要とされます。通常の収入があり、バンクロールに全てをゆだねていないのであれば、いくらかルースなBRMでもかまいません。それでも、最低30~50バイインは絶対的に必要でしょう。

積極的なBRMによって、早くレートをあげる事も可能ですが、その場合、いくつかのガイドラインにしたがうべきです。破産するリスクを最小限に抑えたいのであれば。まず、積極的なBRMには、厳しい自己管理が必要とされます。現在のステークスで上手くいっていないのであれば、直ちにレートをさげ、ティルトによってマネーを失う可能性を避けなければなりません。規律のあるセッション管理も不可欠です。次に、現在のステークスであなたが勝っているプレーヤーであるかどうかを正確に把握します。レートを上げてブレイクイーブンになるよりも、より下のステークスで高いウィンレートを出す方が、より大きな稼ぎになるでしょう。より強い相手と対戦するほど、分散は激しくなります。PLOのエクイティは互いに接近していますので、アグレッションのレベルも上がっていくでしょう。小さな期待値のために、多くのマネーをリスクにさらしていく事になります。よって、おびただしい数のフリップに対して心の準備ができていないのであれば、レートを上げる前に、現在のステークスで自信をつけていったほうがよいでしょう。

PLOにおいてはとりわけ、マネーを失うことにおびえながらプレイしてはいけません。アグレッシブなプレイでリスクを取り、しかもそれを気軽に行えなければいけないのです。ナッツを待ち続けるようなプレイはできません。そして、低いレベルでプレイしている時と同様の良いプレイを、高いステークスでもできるようにする必要があります。しっかりとしたBRMはリスクが低いので、あなたのプレイに自信を与えます。また、安定したゾーンにあるリミットを設定しましょう。金銭の価値は絶対的なものではありません。1ハンドにひと月分の家賃を賭けるようなフリップを平然と行えないのであれば、そのステークスでプレイしてはいけません。仮にプレイしたとしても、極端にパッシブでタイトになる可能性が高いです。そして、避けがたい損失によって、あなたは負けてしまうでしょう。また一方で、金銭を失う事が全くプレッシャーにならない低いレートでプレイするならば、まともなポーカーではないギャンブルをしてしまうかもしれません。

最も大事な事を心に留め置いてください。バンクロール管理は、それに従わないのであれば意味のないものです。多くのプレーヤーは、ティルト及び上振れによる自信過剰などによって定めたBRMを破ってしまい、バンクロールの大部分をリスクにさらしてしまいます。規律の欠如による破産をしてはいけません。より緩やかで危険のない道を行きながら頂上を目指し、安全で快適なポーカーライフを送りましょう。

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