ポストフロップライン(3)

AK9r、A92r、A72r、J66r、KKQrあるいはストレートボードやモノトーンボードといった、非常にスタティックなボードにおいては、通常高い頻度のCBが要求されます。妥当なCB率は75~85%くらいでしょう。こういったボードはウェイアヘッド/ウェイビハインドな状況になり、後のストリートでエクイティを変化させるカードがより少ないのです。ボード上のナッツに対して充分なエクイティを持つハンドはほとんどなく、相手はマージナルなハンドを持ってプレイを続行する事が難しいので、プリフロップでイニシアティブを持っていていくらか強いレンジを持つプレーヤーがベットしたくなる状況なのです。こういったボードでのコールレンジは非常にイネラスティック(どんなベットサイズで打たれてもアクションの決断に影響がない事)で、ドローもほとんどありません。

よってスタティックボードやロックダウンボードでは、ベット額は明らかに小ない額(ポットに対して50~75%)でかまいません。エクイティの変化が少ないので、ダイナミックボード(ドローヘヴィなボードあるいはウェットなボード)に比べてあなたのハンドをプロテクトする必要がないからです。ベットする頻度は高くなり、ブラフするコストも安くなります。ベット額を大きくしても働きは変わりません。また、ベットサイジングはあなたの総合的なゲームプラン次第でもあります。ここで示した額はガイドラインに過ぎません。私たちが記述した50~75%と言う額に必ずしも従う必要はないのです。どのくらいの額があなたのゲームプランに合っているのか探究していきましょう。

プレーヤーの傾向もまた問題になってきます。こういったボードで頻繁に強いアクションを取ってくるプレーヤーがいるのであれば、彼らのスタイルに順応し、どんなハンドで攻撃してきているのかを確認する必要があります。彼らはローボードやペアボードで、ライトなレイズをしばしば行ってきますか?彼らがレイズしているハンドはブロッカー、バックドアドロー、オーバーペア、それともエアーですか?後のストリートでポットをスティールするべく頻繁にフロートを行ってきますか?フロートをOOPでさえ行っていますか?相手の傾向をよく見極めることが重要な鍵なのです。いくつかのノートを取り、彼らがバランスの取れたプレイをしていないのであれば、それに対するカウンター戦略を築きましょう。例えばあなたがチェックした時、常に攻撃を試みるプレーヤーがいるのであれば、EVを最大化するべく非常に強いハンドをチェックレンジに含めます。ただし、こういったウェイアヘッド/ウェイビハインドなボードの場合、バランスの取れたチェックコールあるいはチェックレイズレンジを作ることは非常に難しいです。したがって、この様なエクスプロイット的アプローチは、より弱い相手に対してだけにしたほうが良いでしょう。良いプレーヤーに対しては、バランスの為およびエクスプロイットされない為に、レンジの大部分でベットするべきです。

後々、この本の最後の「ディープスタックプレイ」の章で、こういったボードに関して議論していきます。

非常にスタティックなボードの要点

♠プリフロップレンジはこれらのボードで頻繁にミスをします。また、ドローもほとんどありません。

♠CBは高い頻度で打ちますが、ダイナミックボードよりも小額になります。

♠相手の傾向が非常に重要です。

AQ9r、A52r、J87r、T86r、775r、JJ5ssといったスタティックなボードは、非常にスタティックなボードと同様のアプローチを取りますが、ドローが存在する可能性がいくらか増えるので、コールされる頻度はより高くなります。スタティックボードでのCB率はおよそ70~80%で、ダイナミックボードよりも小さい額で打ちます。妥当な額としては、ポットの55~80%ほどでしょう。

ベットサイズを大きくする事にもいくつかのメリットはあります。相手があなたの小額のベットを弱い物と認識して頻繁にピーリングを行い、ポットのスティールを試みようとしている、という事に気付いたのならば、ベットサイズをより大きくする事で彼をフォールドさせられるかもしれません。ただしこれは、プレーヤーおよび彼らに対する読み次第です。強いプレーヤーに対しては、エクスプロイットを許さないバランスの取れたベットサイジングで対応します。つまり、一貫してベットサイズを小さくするという事です。

スタティックボードの要点

♠プリフロップレンジはこれらのボードで頻繁にミスをします。また、ドローもほとんどありません。

♠CBは高い頻度で打ちますが、ダイナミックボードよりも小額になります。

♠相手の傾向が非常に重要です。

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