エクイティ

ポーカーにおけるハンドの強さについて話すときは普通、ポストフロップを考慮に入れないプリフロップでのロウ(生の)エクイティ=ホット/コールドエクイティのことになります。このエクイティは指標にはなりますが、それ単独で決断できるものではありません。フロップ前とそれ以降では(とりわけPLOにおいては)、劇的なエクイティの変化が起こり得て、ポットを勝ち取れる可能性が変わってくるからです。それでもエクイティは、ハンドの強さの最も重要な要素であり、全てのとても良いスターティングハンドは明らかに、プレミアでないハンドに対してフェイバリット(有利)なのです。利益的なポストフロップシナリオを作っていくために、エクイティ的アドバンテージのあるハンドをプレイしましょう。それでは、プレミアムスターティングハンド:「AA」を見ていきます。

(※このグラフの見方については、こちらhttp://note.mu/yuka_sawamura/n/n553508d72457 を参照してください。)

ホールデムにおいては、AAは30%のレンジに対して85.99%以上のエクイティがあります。そしてフロップ以降もそれほど変わりがありません。AAは80%のフロップで80%以上のエクイティを保持しつづけていて、90%のフロップで77%以上のエクイティが保証されています。つまり、あなたのプリフロップでのエクイティはだいたい保護されていて、ほとんどの場合あなたのハンドはベストのままです。

オマハの場合、話が全く違ってきます。エクイティはより接近し、AAは30%のレンジに対して65.77%のエクイティしかありません。加えてこのより小さいエッジは、フロップにおいてホールデムほど保証されないのです。あなたのエクイティは40%ほどのフロップでしか持ちこたえられていません。半分のフロップでおよそ63%のエクイティがありますが、だいたい84%のフロップで、コインフリップ程度のエクイティしか保証されません。ホールデムほど有利にならないのです。フロップは大抵、エクイティを劇的に変えます。様々なシナリオにおいて、スターティングハンドのホット/コールドエクイティだけを評価するのではなく、ポストフロップのプレイアビリティ(プレイしやすさ)という要素も考慮にいれなければいけません。

エクイティ上のアドバンテージが大きいプレミアムハンドにとってはさほど重要ではありませんが、プレイしたくなるようなマージナルなハンドにとっては、プレイアビリティを考慮することは非常に重要です。PLOはポストフロップゲームであり、利益的なポストフロップラインによってマネーを生み出します。そのためにも、いくつかの自問自答をしなければいけません。「自分のスターティングハンドはフロップ以降よく機能し、エクイティの実現はできそうか」「自分のハンドはマルチウェイとヘッズアップ、どちらをより良くプレイできるのか」「このハンドは高いSPR(SPRについては後述します)と低いSPR、どちらにより適しているのか」「ティルトして広いレンジをプレイしている相手に対して利益的な3ベットはできるか」「3ベットを5回連続でしても大丈夫だろうか、相手がプレイバックしてこないだろうか」など。

プリフロップの決断は、プリフロップ単体でされるものではありません。あなたのハンド選択は、ポストフロップの影響という要素を考慮に入れるべきです。プリフロップは独立したものではなく、リバーまで続き、あなたのチップが全てポットに入る可能性もある一連のストリートの入口なのです。全てのストリートはつながっているということ、あなたのアクションを計画的に行うことを絶えず意識しましょう。一番ポットが大きくなるのはリバーであり、プリフロップではないのです。




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