オープンレンジ

“レンジ”に関しての一般的な考え方

全てのポーカープレーヤーは当たり前のように、「12%のオープンレンジ」「8%の3ベット頻度」などの言葉を使います。一目見た限りでは、合理的で明瞭な考え方のように思えます。しかし、より深く掘り下げていくと、そこには実際のレンジ構成について、いくらかの疑わしさがあります。NLHEと比較して、PLOには大量の組み合わせのハンドが存在します。15%のレンジには40600通りのハンドが含まれていて、全てを書き出す、あるいは表にするには数が多すぎるのです。それぞれのプレーヤーがどんなハンドセレクションをしているかを理解するには、多くの解析が必要とされます。ポケットペアを多めにプレイするプレーヤーもいれば、ダブルスーテッドやコネクトしたハンドを好むプレーヤーもいます。彼らがどんなハンドをプレイしているかを、その都度ノートに取っていきましょう。例えば、運試しになってしまうようなコネクトのないスモールペアを、3ベットポットでプレイしているようなプレーヤーがいたとしたら、彼のリークを最大限エクスプロイットするべく、その事をノートに取るべきです。

PLOにおいて、満足のいくレンジを作り出すという事は、非常に複雑な過程を伴います。また、プレーヤー次第という事もあり、一般化することも難しいです。私たちは簡潔性のために、スタンダードなハンドランキングシステムを使っていきます。この本では、レンジについてそれ以上掘り下げていく事はしません。3ベットなどのレンジについて、正確に議論できなくなる可能性があるからです。スタンダードなハンドランキングは、レンジに関しての基本的な原則を教えてくれます。それを実際のゲームに適用していきましょう。この本で提供される様々なツールによって、利益的なプリフロップゲームを系統立てたり、特定の相手に対してアジャスト出来るようになっていくはずです。定型化されたレンジをそのまま当てはめるよりも、原則を理解する事の方がはるかに重要なのです。

全てのレンジは、ポジションとあなたのいるテーブルに深く依存します。この本で提案されているレンジを、あなた自身のスタイルに応じて適用させていきましょう。テーブル全体がパッシブかアグレッシブかによって、いくらかの調整が要求されます。テーブルの人数が少なくなった時も同様です。テーブルに4人しかいなくなったとしたら、より多くのスティールとそれに対するディフェンスが必要になってきます。ハンドの強さが相対的に弱くなっているからです。前もってゲームプランをセットアップする事は、ポーカーで成功するために必要不可欠です。しかし、実際のテーブルと対戦相手に対して、常にアジャストしていかなければなりません。以降のパートで提案されるさまざまな情報を、あなた自身のゲームプランに適用させていきましょう。

それぞれのポジションからのオープンレンジ

UTG

アーリーポジションからは明らかに、最もタイトなレンジにするべきです。レイトポジションのプレーヤーにコールされて、OOPで戦う事になりやすいからです。ほとんどのプレーヤーは、アーリーポジションでは相当タイトにプレイします。よって、12%程度のレンジでオープンするのが大体正しいでしょう。

AAからQQのダブルスーテッドのハイペアはもちろんオープンできます。ある程度コネクトしたJJ(JJ98ds、AKJJdsなど)やベストに近いTT(ATTxdsなど)も可能です。JJT9のようによほどコネクトしていない限り、レインボーのJJやTTはオープンしません。6655のような、コネクトしたダブルペアは通常オープンします。

全ての、良くコネクトしたダブルorシングルスーテッドのAxxx(AT98、A765など)や、AKQJ、AKQTなどもオープンできます。ダングラーのあるAKxxdsもあるいはプレイできるでしょう。

ランダウンに関しては、ダブルスーテッドでコネクトした全てのハンド(8765+)および、JT87dsやQT98dsなどのワンギャッパーもオープンできます。

オープンレンジはあなたのスタイル次第ですが、それ以上に、対戦相手次第になります。タフなテーブルにおいては、あなた自身を守る為に、アーリーポジションからのオープンを非常にタイトにするべきです。ポジション的な不利が、とりわけ良いプレーヤーを相手にした時は大きくなるからです。

MP

MPからは、UTGに比べていくらかルースにオープンできます。UTGと同じハンドに加えて、いくらか弱い、コネクトしたレインボーやモノトーンハンド(A765やAJT9rなど)などがオープンできます。ただし、OOPでプレイすることになりやすいので、ゆるめすぎは良くありません。UTGおよびMPを極めてタイトにプレイする事は非常に重要です。ほとんどのプレーヤー、あるいはトッププロでさえ、これらのポジションをタイトにプレイしているのです。よって、あなたもそうするべきです。トラッキングソフトによってポジションごとの成績を見れば、この2つのポジションはそれほど良くなっていないはずです。広い視点で見れば、たくさんの難しいスポットを避けていく事がベストなのです。よりルースなプレイは、最も利益的なポジション、COとBTNに限定しましょう。

CO

COから、あなたのレンジをゆるめはじめます。全てのハイペア(TTxx+)はスートがない場合でさえオープンできるでしょう。全てのダブルペアも同様です。これらのハンドは、インポジションでプレイする事で大きな利益になります。UTG、MPという、最も強いレンジを持ち得るプレーヤーがすでにフォールドしているので、強いレンジを相手にする心配がより少なくなっています。全てのランダウン及び、いくらかコネクトしたハンドなどもオープンできます。

とは言え、COのオープンレンジもまた、後ろに控えているプレーヤーを考慮にいれるべきです。BTNやブラインドに、3ベットをたくさんしてくるプレーヤーがいるのであれば、タイトにオープンするべきです。その一方で、フォールドしやすいブラインドに対しては、広くスティールしはじめます。

BTN

BTNは、ポストフロップ以降のポジション的アドバンテージが保証されています。よって、あなたは最も広いレンジをプレイするべきで、それがとても利益的になるのです。プレイできそうなハンドはほとんどオープンします。大体のポケットペアや全てのスーテッドA及びランダウン、更に、8753ss、KQJ7rのようなハンドや、どんなダブルスーテッドでさえもオープンできるでしょう。

SB

SBは、OOPになる事が確定しているので、タイトにオープンするべきでしょう。オープンレンジは、やはりBBの性質次第になります。3ベットをライトに返してきたり、逆にフォールドしすぎていたりするのであれば、それぞれにアジャストします。BBが簡単にあきらめるのであれば、スティールはより重要になってきます。BBが3ベットを多くしてくるのであれば、レイズせずに色々なハンドでリンプしてもいいでしょう。

SBのレンジは、MPと似たようなものになります。しかし、MPにいる時よりもアジャストが重要になってきます。プレーヤーの性質を考慮すべき人数は1人だけなのですから。

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