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助成金制度の運用とかあれこれ(26/100)

こんにちは、まえゆかです。

新婚生活開始早々に、盛大に風邪を引きました…年末年始にそれぞれの家族と会ったり、初詣に行ったりしてたのではしゃぎ過ぎましたかね…。
熱はないのですが咳と鼻水に苦戦中です。
早く治りますように…!!

さて、例のごとくかなり間が空いてしまいましたが、前回も助成金制度について書いてきました。

今回は実際の運用面について

さて、前振りはだいぶ長くここまで書いてきましたが、助成金制度の出来上がった背景はこれでご理解いただけたかなと思います。

今回は実際にどのように運用されていたかについてを書いていきたいなと思っています。

始めに注意書きとして、私は2020年3月で組織を退職していますが、助成金制度は現在も継続しています。
私がここで書いているのはあくまでも2019年度までのお話です。
現在も、(一社)日本車いすラグビー連盟として助成金を受ける側の目線としてわかるものはあっても、制度の運用面については過去の情報であることをご承知おきください。

また、当時の資料などは退職時のPCに保管されているので正確な資料などは手元になく、助成金制度の仕組み上、対象団体が明確なため応募要項等も外部公開されていません。
過去のあやふやな記憶のままに書いている部分があることをあらかじめご承知おきください。

助成金制度の概要

スケジュール

2015年度の年度途中からパラサポの活動がスタートしておりましたので、ざっくり以下のようなスケジュールだったと記憶しています。

2015年8月下旬:競技団体向け説明会
2015年9月~12月:申請受付
 ※申請の月末に採択結果通知、翌月から助成対象

助成期間は年度末の3月までで受け付けました。
申請期間は11月までだったか…募集開始が10月からだったか…ちょっと覚えてないです…でも急ピッチだったのは確かです。

2015年は11月に共同オフィスもオープンしているので、そこで働く人材の給与や事務所の備品整備のために使用できるように、9月、10月、11月と月ごとに申請を締切、順次採択をして急ピッチで審査&入金対応をしたと思います。

以降は、毎年4月~3月を助成期間として、ざっくりこんなスケジュール。

1月下旬頃:競技団体向け説明会
2月~3月上旬:申請相談 ※後述
3月上旬:申請締め切り
3月下旬:採択結果通知
4月:全額入金
(予算に余りがあれば)6月・9月・12月:追加申請受付
翌年4月:完了報告書提出
翌年6月頃:監査実施

助成金額

途中で変わっているんですけど、2015年度のスタート時点が

人件費
 A申請(事務局長クラス) 上限420万円
 B申請(事務局員・アルバイト等) 上限240万円 
 計 660万円/年

事業費
 覚えてない…!!

助成率
 100%

びっくりされることも多いですが、助成率は100%です。
お金のあるとこに出してないので、自己負担はない形での支援です。

でも、肝心の事業費の上限額、全く覚えてないです…。
800万とか?そのくらいだったような気がするんですけど。。。400万だったか…
2016年以降もいくらだったのか覚えてないですが、800万とか1000万とかくらいの金額を出していたような気がするんです。
でもそれが事業費だけで出していたのか、事業費と人件費を足して出していたのか、何かの根拠があって算出したと思うのですが、さーーーーっぱり覚えてません。。。。

でもその後、2020年以降の競技団体の自立を考えて、助成金額を変更したのは覚えてます。

助成金額(変更後)

まずは、競技団体を2種類に分けました。

赤:一般会計(協賛金など)として1000万円以上の収入がある
緑:一般会計として1000万の収入がない

<赤コースの場合>

人件費
 計660万円/年(A申請・B申請の区分けなし)
事業費
 上限なし 
助成率
 100% 但し事業費の400万円以上からは90%

<緑コースの場合>

人件費
 A申請 420万円/年
 B申請 240万円/年   ※その後赤コースと同じようにAB申請は廃止
事業費
 400万円/年
助成率
 100%

助成金額の意図

どうして助成金を出すのかって話はこれまでさんざんしてきましたが、金額もちゃんと考えて算出しました。
(といいつつ、事業金額覚えてないんですけど…笑)

A申請、B申請と分けたのは、スポーツ界の給与形態等も鑑みながら(これでも健常のスポーツ団体と比較すると高い)事務局長クラスの方を一人明確に立てていただく必要があると考えて、A申請を事務局長ポストとして創りました。
それだけではもちろん業務は回りませんが、フルタイムで雇うべきか、スポとで雇うべきかは競技団体の体制によって異なると思ったので臨機応変に使える事務局員クラスのポストとしてB申請の枠を作りました。

これらはあくまでも助成金額なので、給与の上限額ではないです。
事務局長の給与を月に50万支払うって場合は、差額分を自己負担する形になっています。

事業費はたぶん…これくらい必要だよねって感じだったかと(^-^;)

助成金額を変更した意図

その後、コースを2つに分けたのには大きな意味がありまして、当時はパラサポの活動期間が2021年度末までと言われていたため、その際に助成金制度が止まってしまうことを念頭に考え始めた時期でした。

まだ、ここのnoteでは詳細を書いていませんが、パラサポでは競技団体向けの共同オフィスも無償提供しており、事務局長クラスの方の人件費も拠出している形になるので、どうしても依存型になってしまいます。

一気に支援がなくなったら、組織として立ち行かなくなってしまうとしたら、支援の意味がありません。

そこで、各競技団体の財政状況を調べて、依存ではなく自立に向けたあるべき形になるように2つのコース設定をしたのです。

一般会計でコースを分けた理由

まず考えたのが、競技団体が継続して活動できること。
そのために必要なものは何なのかと考えたら、やはり人材だったのです。

自由なお金ではなく税金から拠出されたお金を多く使う団体だからこそ、ちゃんとした事務局員は必要。
事務局長や事務局員なくして、法人格のある団体を運営するのは不可能です。

人件費として出している660万円は最低限必要だろうと考えました。

その他でも、法人運営には細々とお金がかかるもの。

・経理・法務・財務系の業務に係る費用
・HPのメンテナンス
・郵送代や事務局備品・・・

ざっくり考えても、1000万円の自己財源を獲得できないと、団体としての自主事業を行うことは厳しいだろうと考えました。

既に獲得できている赤コース団体は、どんどん飛躍してパラスポーツ界を盛り上げるように、事業費の上限額を撤廃。その代わり、自己財源があるので負担率を変更。

自由に事業に使用できるだけの自己財源の確保に苦戦している緑コース団体は、別途計画するシェアードサービスの利用と併せて、競技団体のコアとなる部分のコストを極力抑え、団体としての安定運営を図りながら、自己財源獲得の道筋を探るような意図でコースを分けました。

人件費の変更点

赤コースと緑コースで、人件費で変更したのは上限額の部分。
どちらも660万円の総計は変わりませんが、赤コース団体はA申請とB申請に分けませんでした。

それは、1000万円以上の自己財源のある団体の中には億に近い収入もある大規模団体もあり、競技団体の自己財源で他にもスタッフを雇っていたりもしている状況です。

競技団体によっては、もっと給与の高くて専務理事的なポジションの人を入れたいというニーズもありそうだし、むしろ主催事業がたくさんあるから、イベントの時だけスポットのアルバイトがたくさん必要ってケースもありそうで。
特に優秀な人材に660万円を全部かけてもいいし、細切れに使ったりしても良いようにしました。

競技団体の状況によりフィットしやすく使えるようにしたというのが変更の意図。

一方で、緑コースは1000万円の自己財源がない形になるので、人件費はその後の収益によっては団体として負担できなくなる可能性もあり、そのあたりも視野に入れた上でA申請、B申請の枠を維持しました。

その後、一律で660万円になったのは、私の退職後なのでわかりません・・・
何かしら、担当側の意図がきっとあるのだろうと思います。

事業費の変更点(助成率90%)

金額的に、赤コースは上限なし、緑コースは400万円としたのも人件費の部分と同じ考えの元。

自己財源がある前提で、もっと大きなチャレンジをしたいという団体を後押しできるように上限額は撤廃(もちろん、助成金全体の予算はあるけど)。
でもやみくもに助成しても意味がないので、400万円を超えた分については助成率は90%としました。

つまり、500万円分の事業費を助成申請したら、
400万円までは100%
超過分の100万円に助成率がかかるので、自己負担は10万円という形になります。

これは結果的に、助成金の執行後の返金額の計算が厄介だったので、作った本人とはいえちょっと失敗したなーと思うのですがw
まぁ、でも、今も維持されているので運用上は計算が面倒ですがメリットはあったのだろうと思ってます。

事業費の変更点(採択の部分)

助成事業の対象については前の方に書いていますが、

コースを2つに分けた頃から助成事業の特にガバナンスの部分を変更しました。

これまでは安定運営に必要なものとして助成していましたが、必要なものだからこそ、助成金頼りだと困るものでもあります。

助成金なくなったら法人運営できなくなった! というのではシャレになりませんので、ランニングでかかるものはすべて不採択にしました。

ランニングコストがどれくらいかかっているのか、正直助成金をもらってその中から払っていると、金額の高い低いって見えなくなっている者でもあって。
事業規模に会ってない顧問契約をしているパターンもあったりします。(年に2回くらいしか相談しないのに、弁護士の顧問契約を5万/月でしていたりとか)

何が必要で何か不必要かのジャッジまではパラサポ側でもできないので、ランニングコストは不採択とした中で競技団体側に必要なものと不要なものを判断していただき、本当に必要なものの分の金額だけは自分たちで獲得できるように、寄付を募ったり協賛を集めていただく形で対応する形にしました。

運用面の細々したことはまだあるのだけど

気付けば4000字を超えてしまった!!
ので、今日はここまで。

細々したところは、もっとあるけどどこまでニーズがあるのかわからないので一旦運用面はここまで。

途中でチラッと書いた「申請相談」というものをやったりとか、審査を如何しているかについても私なりのこだわりがあったので、次回はそのあたりを書いていこうかなと思っています。

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