日本ダムアワード2018に行ってきました!

この記事は ダム Advent Calendar 2018 の23日目の記事です。

日本ダムアワードとは?


一年間のダムの活躍を振り返り、ダムファン有志による選考委員が様々な角度から活躍したダムをノミネート。 選考委員と観客の皆さんによる投票で、各部門で今年もっとも印象に残る働きをしたダムを選出し、その功績を讃えよう、というイベントです。今年もっとも印象的なダムはどこ?

初めて参加したのは2013年。
その頃はダムに興味を持っていたわけではなく、知っているダムといっても黒部ダム(富山)、早明浦ダム、天ヶ瀬ダムくらいでなんとなく面白そうということで参加しました。
知らない用語や知らないダムばかりでしたが、プレゼンターの皆さんによるダムの紹介から伝わる熱量がすごくて、ダムの見方が広がり、もっといろいろなダムを見てみたいなと思ったことをのを覚えています。

そして今年の印象に残ったダムをみんなで讃える「日本ダムアワード2018」が、2018年12月22日(土) 東京カルチャーカルチャー(渋谷)にて開催されましたので、感想を書こうと思います。

開場待ちから開始まで

今年も売り切れ。開場の16:30になる前から、奥でチケットの番号順で開場されるのを待機しました。


開場は開始1時間前なのですが、開場してからあっという間にいっぱいに。

スクリーンの前に飾られているのが、毎年おなじみのダムアワード2018の各賞のトロフィー。ダム大賞はラジアルゲートの形。
初めての頃は、ラジアルゲートとは?状態だったけど、ダムアワードで話を聞くうちに、いつの間にか覚えて見慣れた感じがします。
(ダムのゲートなんて種類があるとか考えもしなかった。いや、まだ知らないゲートもたくさんあるな・・・ダム事典[用語・解説]ゲート)

テーブルに着席すると、これも毎年恒例のダムアワードのために用意された特別メニューが目に付きます。

ダムカレーは、開始までには売れ切れてしまうという勢いはいつものことで、すぐ注文!(今年は追加販売してくれたようです。)

今年は、ライスフィルのダムカレーを注文。

そして、肝心のダムアワード2018年の賞とノミネートダム一覧 & 投票用紙。

今年も知らなかったダム、行ったことのないダムがまだまだあるなぁというのもあるけど、初めての頃に比べると見知ったダム、行ったことのあるダムが増えてるなぁとも言える。

ダムアワード2018はじまる!

開場から開始まで1時間とはいえ、物品販売を見に行ったり、ダムカレーを注文したり、ダムアワードのトロフィーを愛たりしているとあっという間に開始の時間で、プレゼンターの皆さんが登場。

そして乾杯!

プレゼンターは、左から
萩原雅紀(@damsite)さん、©炭素(@tanso)さん、よっしー(佳)(@ten0618)さん、星野夕陽(@choidamnet)さん。
そして、今年の司会は琉(ダム王子)(@Ryu_DamPrince)さん。

放流賞

最初は、ダムといえば豪快な放流!放流賞から始まりました。
四国初点検放流イベント?富郷ダム(愛媛県)から始まり、1000人以上も人が集まったクロス放流の一庫ダム(兵庫県)、エフェクター?のところが気なる釜房ダム(宮城県)、けっこう放流しているらしい千苅ダム(兵庫県)など、
ノミネートが10基もあったにもかかわらず、あっという間に聞き入っているうちに発表が終わり、どれも見てみたい、見に行きたい放流ばかりでした。

ライトアップ賞

最近はダムでもライトアップされていて、津軽ダムとかはライトアップに力が入っていて、いろいろな色でライトアップしてくれます。
ダムなのに、照らすだけではなくダムをかっこよく、キレイにみせるためのライトアップ。

放流は知っているけど、ダムでライトアップというのは、意外だったりしますよね?

低水管理賞

3つ目の賞は、萩原雅紀(@damsite)さんによる低水管理賞の発表が行われました。渇水と闘ってきたダムについて、写真よりも流入量、放流量、貯水率についてのグラフでの解説が多いのが特徴でした。この低水管理賞は、雨が降らなくて渇水になったとき、どちらかというと地味な役割ではあるのだけど、田畑を維持するためや、普段の生活のための水がどのようにして届けてくれていたのか、ダムがとても大切なものを守っているという役割もあることを気がつかせてくれます。

低水管理されたことによって守られたもの、、
「ダムのことをかんがえているのか?」という問いについて
ダムのおかげで無事に出荷されたであろう、各地の"お米"を炊いたご飯と、
沖縄北部5ダムについては、生活、工業用水なのでなんとなくラフテーがふるまわれました。
「あきたこまちは、皆瀬ダムの味がしますね!」とのご感想も。

イベント賞

ダムのイベントは、ダムカレンダーによると400件もあったそうです。
それらの中からノミネートされたものは、6ヶ所。
薗原ダム(群馬県)の堰堤マルシェのある堰堤祭り、NHKにも取り上げられた横瀬川ダム(高知県)の夜間建設現場見学ツアー、地元グルメがたくさん集まった尾原ダム(島根県)など、いづれも普段は見られないところからダムが眺められたり、その時にしか見られない貴重な景色であったり、ダムを見に出かけるには十分すぎるくらいの理由になる価値のあるイベントばかりでした。

洪水調節賞

今年は台風や豪雨など広範囲で大量の雨が降った年で、
全国各地で雨量の更新もされ、防災被害も多く213ヶ所のダムが防災操作を行ったそうです。
低水管理は渇水との戦いだったのにたいして、洪水調節は雨との戦いという感じで、星野夕陽(@choidamnet)さんによるダムの貯水率や流入量、放流量、雨量といった情報の詰まったハイドログラフを中心のお話でした。
それぞれのグラフの動きが変わった時、ダムでは何が起きていたのか、安全を第一に考えるというダムの運用ルールとか原則があり、それらにそった操作がされていることを一緒に想像しながら、めっちゃダム頑張ってるやん!というのを、固唾を飲んで聞き入ったり、危機を乗り切ったときには、おおぉ〜という歓声があがったり、ダムアワードの空気もあって緊張感がすごく伝わりました。
本当は何事もなく平穏無事であることが望ましいのだけれど、渇水とは真逆の災害からもダムがあることで守られていたことを気づく機会になったと思います。

重大ニュース

各賞のプレゼンが終わり、投票結果を集計する合間に今年のダムに関するニュースというのがありました。
足場でバズった川俣ダム(栃木県)、土木学会選奨土木遺産に選ばれた古い方の黒部ダム(栃木県)、54年の歴史に幕を閉じたトロリーバス、
なかでも、愛媛県での災害で大変だった野村ダム・鹿野川ダムについては、ダムがあるからと安心してはいけなくて、ダムにも限界はあるということを改めて認識しないとなぁと。

結果発表

放流賞
千苅ダム(兵庫県)
けっこう普通に放流してることが多いらしいけど、目を奪われる放流は魅力的!
ライトアップ賞
旭ダム(福島県)
正確にはダムのライトアップではなく、イルミネーションなのだけれど、
「インスタに!!」のインパクトがすごすぎた。
そして、このダムの事業者は「昭和電工(株)」初めて一般企業の受賞!!
放流賞とライトアップ賞を受賞したそれぞれのダムの写真をプレゼンターの©炭素(@tanso)さんがツイートされていたので、こちらをどうぞ。

低水管理賞
沖縄北部5ダム
守ったのは沖縄県民の生活や工業のお水!
テレビや新聞で毎日ダムの状況が報道されているそうで、
ダム職員さんもてるてる坊主で雨乞いして
ダムと県民一体となって渇水を回避。

イベント賞

横瀬川ダム(高知県)
高知県宿毛市、高知市からは3時間ほどかかる場所にもかかわらず、夜間の工事現場の見学ツアーは大人気!
よっしー(佳)(@ten0618)さんが、投票結果の入った封を開けて確認すると、
苦笑していたが印象的でした。
(どんなに遠くのダムでも現地に表彰トロフィーを届けるまでがダムアワードなのです!)

洪水調節賞
岩屋ダム(岐阜県)
五日間の長雨で、流入量の山場が日ごとに大きくなって、その山場が4回。
水位計の無い水域に加え、観測所が水没してしまうというトラブルの中で、
4度目の山目は、急激な流入量の増減による異常洪水時の防災操作で、洪水時最高水の424mまで残り21cmというギリギリのところを乗り切った!

ダム大賞

岩屋ダム(岐阜県)
洪水調節賞とW受賞。
異常洪水時防災操作とはいえ、流入量より多くを放流してはいけないという「放流の原則」に則った操作の正しさを証明した五日間におよぶ豪雨との戦いを戦い抜いた岩屋ダム。
最後の発表だったとはいえ、圧倒的に印象に残りました。

閉会

プレゼンターの皆さんからは、たくさんネタに恵まれた年で、
洪水調節、低水管理、本当は何事もなければいいのだけれど、
来年も盛り上がるといいですね!とのこと。
ダムアワードの各賞のトロフィーを届ける、テンションが大変かもしれないのですが、「届けるまでがダムアワードですよ」と。
最後に、琉(ダム王子)(@Ryu_DamPrince)さんから
「来年も良いダム生活がありますように」
で締めくくられた日本ダムアワード2018でした。

ダムアワード2018に行けなかった人、行ってみたくなった人へ

Twitterで雰囲気がうかがえると思うので、
日本ダムアワード2018のハッシュタグ、#ダムアワード2018
を眺めてみてください。
それでも足りないとう人、時間がある人は、いつまで公開されているのかわかりませんが動画が公開されています!
日本ダムアワード2018

それでは、みなさま良いダム納めを。

来年もたくさんのダムを巡りたい、そして日本ダムアワード2019も楽しみにしている@yukainaでした。


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