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抹茶で、日本の和の世界を広げる“江崎宗徳”さん

表千家のお茶の教室 花月会(かげつかい)で、茶道の稽古をされている江崎宗徳さんに話を伺いました。
江崎さんは、福岡県の二日市で、国籍や年齢を問わず幅広い方に和の文化を伝えられています。
敷居が高いと思われる茶道も、不思議でチャーミングな魅力の江崎さんから教えていただくと、とても身近に感じられます。日常でも抹茶をたててみようと自然に思えてきました。

江崎宗徳さん profile
出身地:福岡県
活動地域:福岡県筑紫野市
現在の職業及び活動:お茶の教室 花月会
座右の銘:千里の道も一歩から


Q.江崎さんが描かれる夢やビジョンはなんですか?

江崎宗徳さん(以下、江崎敬称略):最近、留学生の方にお茶を教える機会も増えるので、タイ語だったらコップンカー、サワディーカーなど挨拶を覚えたいです。皆さん言葉を知ってるだけですごく喜んでいただけます。希望者には着物を着せてあげたり、なるべく柔軟に対応できるようになりたいです。皆さんが気軽に茶筅でお抹茶を点てて、お菓子を楽しむ風景が日本中のあちらこちらで見られたらいいなと思います。茶人生活を楽しんでいく人が増えたら、日本人のDNAが目覚めて叙情的な生活になるでしょう。それによって真心が広がっていったらいいなと思っています。
自分のこともとっても大事に思うと同時に、あなたのこともとっても大事という心が「おもてなし」の気持ちでもありますね。
記者:境界線がない感じがしますね。
江崎:そうですね。海外の方に会うと興味を持って「どこからきたの?」とつい話しかけてしまうんです。みんな友達だと思ってます。人に興味があるんですね。
記者:国籍に関係なくお茶を広めていきたい江崎さんの気持ちが伝わってきます。

Q.これから、どのように茶道と関わっていこうと考えられていますか?

江崎:日常生活に抹茶が広がることが夢です。抹茶を点てることで、忙しい時間の中でホッと一息つく、ゆとりのある時間を持つことができます。
また、自分が点てたお茶を誰かに飲んでもらうとき、「おいしく点てられたかしら?」と気になったりします。だからこそ、誰かがいれてくれたお茶に対しても、相手の気持ちがわかるからこそ「ありがとう」という言葉が自然に出たりします。そんな自分自身や相手を思いやる気持ちをお抹茶を点てることで感じることができると思います。茶の湯を通じて日本文化の奥行きが伝わっていくことをしていきたいです。
記者:江崎さんのお話を伺うと、おもてなしのイメージが広がりますね!! 

Q.普段はどのような取り組みをされていらっしゃいますか?

江崎:今の時代には今の時代に合った伝え方があると思いますので、茶の湯の文化に触れてほしくて500円で抹茶を体験できる講座をしています。講座に参加された方の中には、抹茶を点てることを気楽に感じ、毎日点てるようになった方もいます。敷居が高いように感じるかもしれませんが、ちょっとした時間で点てられることが分かると、日常生活に取り入れようと思われる方が多いです。
最近は、インターネットで抹茶の点てかたの動画などをみることが簡単にできるようになりました。それでも、動画ではわからない細かいところは実際に見ないとわからないからと、稽古にに来られる方もいます。少しでも抹茶の良さを知ってもらうために、小学校や老人ホーム等のボランティア活動や商店街等のイベントで抹茶コーナーをつくっています。
また、わからないことは、質問されたら答えるようにしています。知って頂くのが大切だと思い、誰に対しても分け隔てなく接しています。まずは自分で点ててみるまでの第一歩をお手伝いできたらな、と思っています。
記者:江崎さんから教えていただく茶道は本当に楽しそうですね!

Q.江崎さんが茶道を始めたきっかけは何ですか?

江崎:小学校6年生の時に、母から叔母の茶道の教室に通うように言われました。
母親のいうことは何でもハイハイと聞く子供でしたので、お稽古していく中で1000人のお姑さんがいるような厳しい環境にいたこともありましたが、反抗をすることもなく、結婚して出産してからもずっと続けてきました。お茶の世界はとても深くて色々と学ぶことが多く、中学2年生の時、「茶通箱」(表千家の許状の一つ)の壁にぶつかりました。とても難しかったのですが、あきらめたくなくて「できるまで、これしかお稽古しないから!」と叔母に伝え稽古して、2か月でできるようになりました。この経験は、私の中で大きく「やればできるんだ!」という自信になりました。
それから、茶道を学んでいくことが更に楽しくなり、数えの50歳から修得できる教授の事を知り、それを目標に何をしないといけないのかを考えるようになりました。そして数えの50歳の時に京都で念願の教授をいただき、その後、教授会への入会資格を頂きました。 

Q.お茶の世界は、とても厳しい世界とお聞きします。そんな中で、途中で挫折する人もいると思いますが、江崎さんはなぜそんなに長い間続けることができたんですか?

江崎:そうですね、お茶の世界は、お姑さんが1000人いるようなイメージです。そんな世界の中でも私はくじけないんです。今でもそうですが、千里の道も一歩からって思っています。子供の頃から「継続は力なり。一つのことをちゃんと続けていればものになるからね!」と母から教え込まれていました。そしてお稽古に行ったらお茶とお菓子が食べれるでしょ!?(笑)気分転換になるんですよね。その時は気づいていませんでしたが、自分をリセットできるというか、一人でお稽古に出かけていって無心にお茶を点てて、褒められたり、怒られたりと、違う環境に身を置くことが楽しかったんです。
記者:江崎さんは何でも楽しんでいらっしゃいますね。
江崎:世間から見たら、のほほんとしているように見えるようですが、子どもが小さい時に夫が突然亡くなったり人並みの苦労はあったんではないかと思うんですね。それを苦労と思わないのは、切り替えがうまいのかもしれませんね。基本的に楽天的なんです。
記者:人並み以上のご苦労があったんですね。そこに江崎さんの器の大きさを感じます。

Q.江崎さんにとって抹茶とは何ですか?

江崎:抹茶の世界は終わりという事がないんですね。今でも「あと200年間くらい習い続けたい!」と思うくらい奥行きがあり深みがある世界なんです。いつも茶の湯に向かう時、先生方への感謝と初心を忘れずに取り組んでいます。
また、抹茶は昔、お薬の仲間で一服二服と言われていて、抹茶を飲むことで、美と健康にもつながるんです。だから自分のお家で紅茶やコーヒーを飲むように普及したらいいのにな、と思っています。「まずはみんな、抹茶生活始めてみよう!!」って言うのがキャッチフレーズみたいに思っています。
記者:抹茶が大好きなんですね!!
江崎:そう!私の血液の半分は抹茶なんです!!(笑)
記者:江崎さんのお茶に対する熱い想いが伝わってきたインタビューでした。ありがとうございました!!

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江崎宗徳さんについての詳細情報についてはこちら
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https://facebook.com/tea.kagetsukai/


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【編集後記】
今回インタビューを担当した古川、岩渕、平城です。茶道の先生と聞くと、怖くて厳しいイメージがありましたが、とても柔軟で、ご自身が楽しみながら新しいことを取り入れていらっしゃるので、江崎さんに学ぶと、「茶道をもっと知りたい!学びたい!」という心が育てられるのを感じました。気軽に茶道を体験させてもらえたことで日本文化の素晴らしさに触れることができました。貴重なお話と茶道体験、ありがとうございました!

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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36