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#2 小さい子供を預けて働く罪悪感に効く本

私は働くのが好きだ。仕事も好きだ。

頑張った分だけ評価やお金に(基本的には)反映されるわかりやすさも、人や社会と関わりながら何かを創り上げることも、好きだ。

だから他にもいくつか理由はあったけれど、次男を生後5ヶ月で保育園に預けることにあまり迷いがなかった。

だけど、「え、もう復職するの?早いね」と言われる度に、小さな罪悪感が積もった。
別に責められるわけでも、表立って悪意を感じたわけでもないけれど、何となく私の決断は間違っているのかもしれない、親として子供に可哀想なことをしているのかもしれない、というモヤモヤが広がった。

ちょうどそんな無用の罪悪感(と今ならわかる)を抱いているとき、働く意義について考えるきっかけをくれた本の言葉がある。 

「なんでもいいから、素敵な大人や先輩に出会って、なんだか人生って面白そうと思ってくれたら、あとはもう、ほんと、何もいらないと思っている。(中略)
 そう考えるようになったからか。自分の、仕事に対するスタンスがちょっと変わったような気がする。 自分の子どもに「素敵な大人と出会ってほしい」と望むのであれば、まず、私が誰かにとってのそんな存在になろう、と考えるようになった。  なんとなく、私が、誰かにとってのそういう存在になれたら、まわりまわって自分の子どもにも、素敵な出会いがあるような気がしてしまうのだ。」

—『ママはキミと一緒にオトナになる』佐藤友美著

 著者の佐藤友美さんはご自身の息子さんとの日常を綴ったエッセイの中で、子どもにいつか素敵な出会いが訪れるように、まずは自分が素敵な存在になれる仕事をしよう、と語る。

 私は、その文章が温かく自分の中に沁み渡ると同時に、少しだけ恥ずかしくなった。今まで私にとって”働く”ことは、お金を得ることや、自己実現のためでしかなかった。効率よく働き、稼げることが大事だし、どうやったら評価され、キャリアを積んでいけるかを考えてきた。

でも。

仕事を大きな意味で捉えたならば、いち会社員でしかない私の仕事だって、誰かに必要とされているはずなのだ。だから、仕事そのものや、関わる人との繋がりの中で、少しだけ誰かの力になれる。会社の力を借りて、少しだけ社会を良くできる。そうしているうちに、いつか巡り巡って自分の子供達を少しだけ幸せにできるかもしれない。

うん、やっぱり私は働くのが大好きだ。
大好きな仕事を終えたら、大好きな子どもたちを沢山抱きしめよう。

私って幸せだ。

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