見出し画像

結果、直感で動いて良し!

「おまえの提案は思いつきだろう」
「はい、思いつきですが、ロジカルチェックもしましたから、大丈夫です。」

本書を読んだ後、読者にこのように答えてもらえば理想だと、内田氏。
新年早々、興味深い本を読みました。

私もそうですが、世の中の女性、アーティスト系の人たちは、何かの提案の時にロジカルな弱さを自覚しません?
もちろん、女性の中にも、アーティスト系の人たちの中にも、ロジカルシンキングが得意な人もいるでしょうけど。

昨年、高次脳機能障害者を支援するNPOを設立した関係で、脳の本を結構読んだのですが、知れば知るほど、右脳と左脳の役割分担に驚かされます。
そして、私は常にロジカルな思考に憧れるのです。
この「はい、思いつきですが、ロジカルチェックもしましたから、大丈夫です。」の台詞には相当憧れます。

私は、思いつきや着想の感覚が結構強くて、出すアイディアなどには「それ、面白そう!」「楽しそう!」とよく言われるのですが、「採算が取れるのか?」とか、「スムースにうまくいくか?」については、弁明がしどろもどろ。なかなか上手く説明できません。
「はい、思いつきですが、ロジカルチェックもしましたから、大丈夫です。」
これ は、今度何かを提案した時に、私もこうこたえてみたい、そんな台詞なのです。

市場の隙間や、これまで世の中にまったくない市場を、分析や理屈から探し出すのも不可能に近い

さて、著者は、ロジカルシンキングの限界をこのように表現しています。
私からしてみたら「当たり前やろ」と思うことですが。

例えば「次はこんなブームが来るのでは?」と感じることは、何かの分析や理屈から探すのも大変。
でも、「あ、これ、次に流行るね」という勘が働く人はいます。
そういうが大事だということ。
もちろん、勘を働かせるのには経験は必要で、ある程度積み重ねたデータから来る「勘」は、もはや無意識レベルの分析や理屈がはじき出した結果、そのものだと私は思います。AIもそのうち勘が働くようになるんじゃないかしら。
経験値のそれほど多くない私にとっても、この「勘でOK」という言葉には、勇気づけられました。だってあとは経験を積むだけだもの。

アイデアを事業化するとは、右脳で考えた思いつきを、左脳を使って理論武装するプロセス

この言葉を聞いて思い出す人がいます。大相撲協会にいる友人で、大きなブームの仕掛け人と呼ばれる女性です。
もう色々な雑誌などで取り上げられているので、知る人ぞ知る彼女ですが、実は友人です。
彼女は着想かで、相撲協会でTwitterを許可してもらったり、力士と記念撮影やハイタッチをしたりするイベントを企画したり、和装デーなどの企画を立てる際、そういうセンスが買われたのだと思ったのですが、それは違いました。

「思いつきで企画やイベントの提案なんてできないよ。ちゃんとデータを取らないと。」

私がショックに感じた彼女のひとことです。
彼女は提案時にきちんと検証して、それを添えてた。
これが上手くいくことが分かって提案していたんです。
世の中には、例えば面白いCMだったり、思いがけないコラボ企画だったり、そういうことが結構あるじゃないですか。
「いやー、これは想定外だったなぁ。すごいなぁ」と思うことって、アイディアがすごいというのももちろんあるんですが、ビジネスとして成り立って成功しているところがまずすごい。
それって、例えば社長の思いつきを社員が実現の為に支えているんじゃないかぐらいに思っていたんですが、そもそも採算が取れる、データに裏付けられて生き残ったアイディアなんですね。

私は思いつきが多く、自分ではいいアイデアだと思っているのだけど、バックアップする能力が脆弱。
いつも、スタートのエネルギーはどこへやら、たいてい、実行するレベルにまで持ちません。
ところが、この本を読んで、改めて自分の中の二面性に気づきます。自分の右脳と左脳、もしかしたら協力態勢が取れるかも!と感じました。

左脳で考えたことを右脳で肉付けする

これならできそう!と思えた著者の言葉です。完璧じゃなくてもいい。自分の感覚や思いつきを大切にして、しっかり実現させてあげようと感じました。
そして、人間、最後は右脳。人は感情で動くということも、たくさんの事例とともに紹介されています。

ロジックにストーリーを付けて相手を説得させること
相手の腹に落ちるように、組み立てられたロジックを心にしみこませること

こういうことなら、右脳派の私にも何かできそうな気がするんです。

この本には、著者がコンサルティングの中で出会った、失敗例、成功例、数多くの事例が載っています。
それは、例えば私とは逆の悩みを持つ人、ロジカルなことは得意だけれども、そもそも、感覚的なことが苦手だという人たちをも勇気づけられると思います。

なぜ相手はOKしないのか?

ロジックにミスはない、実に論理的で正しい。でも相手はどうしても首を縦に振らない。そんな時は何がどうなっているのか、どうしたらいいのかも、実例付きで載っています。特に関心したのは、彼自身の失敗談についても分析しているところ。これは、多くの企業戦士にとって、大きなヒントになるかと思います。

OKしない理由は右脳で探り、説得方法は左脳で考える

この台詞にも大いに感銘を受けました。きちんと役割分担があり、右脳と左脳がキャッチボールをすればいいんです。
確かに私はロジカルな思考が弱い。弱いけれども、左右の脳がキャッチボールしあって出てきた結果は、今までの「単なる思いつき」よりずっと実行力を増していることでしょう。

結果、直感で動いて良し!

正しいか正しくないかではなく、面白いか面白くないかで動く

それがここ数年の私のコンパス。確かに面白い人生は送れるんですが、何かをコツコツ積み重ね、育てていくことは難しい。
でも、この本を読んで、右脳と左脳でキャッチボールをし、途中で放棄せず、アイデアを育てていこう、面白い実績を育てていこう、そんな自信が持てる本でした。

右脳派、左脳派、どちらの方にもおすすめの本です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?