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人の体験を自分の経験値としてカウントしてはいけない

私は私をコントロールしたい!

コントロール」という言葉は去年からずっと私の周囲をうろうろしていた。したい仕事を増やしていったら、むしろすべきことの総量が増え、自分のキャパを超えてしまい「自分をコントロールできなくなってきた~」と感じていたから。仕事でもなんでも、自分の手元をもっとコントロールできる状態にしたい!と思い、色々なお話を断ってきたが、楽にならず。結局、総量を減らすか、ITに助けててもらうかして、自分にとってそれらを八分目にしておくしかない。腹も含めて(笑)

そんな時にタイミング良く読んだ本

能力ではなく余裕。そして仕組み

コントロールできるということは、まず、何がどうなっているか把握することから始まる。
例えば、私が金銭をコントロールできないのは、財布の中が、どうなっているのかすら分からない状態だからだ。
部屋の秩序をコントロールできないのは、部屋がモノであふれかえっていて、どこに何があるか100%把握できていないからだ。
仕事の量をコントロールできないのは、自分がいつどこで何をすべきなのか整理していないからだ。
しかし、財布の中を把握すること、部屋のモノを把握すること、仕事のすべてを整理する為には何が必要か?
それは、全体を把握する「能力」ではなく、「余裕」なのだとこの本では言っている。
いや、この本に限らず、勝間さんはかなーり前から言っている。
私はかなーり前から勝間さんのメルマガを購読していたが、古いメルマガを検索すると、2011年あたりからこの「余裕」という言葉を使い始めている。
勝間さんは良著を一緒に読み解いていくブックレビューを時々書いてくれるが、この本のブックレビューの回はとても面白かった。私が「スラック」という言葉に出会ったのもこの本。「スラック」は「余裕」だ。

お金がない、時間がないというように、何かが足りない状態は、人間の生産性を著しく下げる。例えば、なぜ貧困層に学力の低い人が多いのか、なぜ借金を繰り返してしまうのか。それは根性が足りないからではなく、お金がない故に判断能力や集中力が減っているから。そして「心の余裕」を持つために、スラックを作り出すことの重要性について書いてある。

さて、もとい。勝間さんの本。
人間は見込みを過信しすぎること、ITをもっと活用していくべきだということ、意志より仕組みが大事だということを、実例とともに、その原因やら対策やらも添えて書いている。
でもこれらのことは、私は勝間さんから聞いて知っていたはずなのだ。さらに、この本に書いてある実例はほぼ勝間さんから教えてもらっていたことばかりなのだ。ではなぜ私はできていないのだ?そこが重要だ。

人の体験を自分の経験値としてカウントしてはいけない

「勝間さん、今度は○○を買ったんだって」と聞くたびに、様子見をしていたのが私。勝間さんは、ものすごい量の実験をする。どの商品が一番良いのか、全部買って検証する、どの方法が一番良いのか、全部試す。そしてその一部始終をTwitterやブログであれやこれやと発信している。行きつ戻りつしたり、「結局やめました」という例もある。
正直「また始まった」感が半端ない。で、私はいつも結果だけを待っていた。

・音声入力は結局この機器をこう使うといいらしいよ
・結論。炊飯器はこれがベストみたい
・最終的に、腰痛にはこうするのがいいらしい
・今は、この家電は2台持ちが便利みたい

そんな勝間さんが試行錯誤したあとの結果情報だけを受け取り、経過を見ていただけで経験したような気になっていた私。

確かに、その結果だけを利用させてもらうと「なるほど。これはすごい」となるわけだ。おかげで自分の生活は良くなる。しかし変わらないものがある。それが「経験値」だ。

私は本や人から知識をもらう。それはそれでいい。全部の体験をしている時間なんてないのだ。しかし忘れてならないのは「それらを経験したことにはなっていない」ということだ。私が経験したのは本や人から知識をもらう動作だけ。

実際に経験から学んだ知識と、人から聞きかじった知識。その差は大きい。そしてその差がどんどん広がっていることを、私はこの本を読んで感じた。

人の体験を自分の経験値としてカウントしてはいけない。


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