よしなしごとたち

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ノート

嫌われたくないやいやいや

突然ですが、質問です。
「嫌われる勇気」なるものを、あなたはお持ちでいらっしゃる?

わたしは、持っておりません。
9年間もの義務教育を終えて高等学校も卒業し、晴れて人間関係のしがらみから解き放たれた4年前。

中・高時代はそうでもありませんでしたが、特に小学生の頃、人間関係のあれこれに対して非常に心を砕いてきたことを思うと、大学においての人付き合いというのは夢のようでありました。

まず、

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東京と電車

東京。駅のホームで、改札の前で、ときに車内で、いつも誰かが。
手にしたビニール袋の中に顔を突っ込んで、壁に手を突いて、ときに誰かに背をさすられながら。まるでこの世の終わりみたいな顔をして。

それを見て良いことなんて一つもない、むしろこっちまでつられて気分が悪くなってしまうこともしばしばなのに、何故だかいつも目を離せなくなってしまう。
自分がほとんど飲めないこと、そして大酒飲みの友達が少ないこ

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靴擦れしたらば人魚姫

痛みほど鮮烈な感覚は他に無いと思う。

それも、物理的な痛みでなければいけない。
胸が痛い、良心が痛いということになれば、切なさであったり申し訳なさであったりと、余分な感情の方が上回ってしまうからである。



朝、家を出て1分も歩いた頃には、もう後悔し始めていた。
おろしたてのスニーカーに、パンプス用のごく浅い靴下を合わせたのがいけなかった。アキレス腱あたりの皮膚にローカットスニーカーの

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勿体ないかどうかは自分で決める

「そんなん、今しかできひんやん!」
「今やっとかな勿体ないで!」
みたいなセリフを、わたしと同世代の若者は特に、よく耳にするのではなかろうか。

たとえばそれは、学生時代の海外旅行。
周囲の大人たちに「社会人になったら長期休みなんか滅多に取れんのやから、借金してでも行くべき」と言われた経験があるのは、きっとわたしだけじゃないはずだ。

たとえばそれは、資格の取得や勉強。創作。
社会に出てからそ

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秋一番が吹いた朝

今朝、家から一歩出た瞬間に「ウワーーー!」という気持ちになったのは、決してわたしだけじゃないはずだ。

空気が秋をまとっていた。
何食わぬ顔で。まるで、昨日までもずっとそうでしたよみたいな自然さをもってして。

季節の移り変わりかたというのは本当に、その瞬間まですっかり忘れているものだから、いちいちびっくりしてしまう。
夏には秋の乾いた風を忘れ、次の季節を迎える覚悟を決めぬまま秋は過ぎ、冬

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R18の自由を手にしたわたしたち

年を重ねるってうれしいな、と最近よく思うようになった。

思い立ったら一人でどこにでも行くことができる。お酒だって飲める。日付を跨いだって外で遊んでいることもできる。
いずれも子供の頃には叶わなかった。まだ若干21歳とはいえ、どれも大人ならではの醍醐味だなあと思うのだ。

そのうちの一つには、正々堂々R18作品を鑑賞し、胸を張って好きだと言えることがある。

たとえば、わたしが昔から愛

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とくべつな春の綺麗な日

京都駅を過ぎた電車は、おもしろいほどに空いている。荷物が置けるほど座席が空いている電車なんて、一体いつぶりだろうか。

平日の昼間であるせいか、車内の年齢層は結構高めだ。ジャージにダウンを着込んでリュックを持ったグループが目立つ。
この先に山があるのだろうか。みな、登山にでも行くような軽装だ。

「あんた、そろそろお腹すいてへん? 私パン持ってきてるからな、いつでもゆうてや」
「私もあめちゃん持っ

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インスタとわたし、おいしい関係目指します。

「はー、またや……」

目はちいさな画面にくぎ付けのまま、スクロールする指が不意に止まる。
わたしは、大きなため息をついた。

楽しそうな飲み会の写真。
恋人との幸せそうなツーショット。
正方形に切り取られた、かわいい雑貨やコーディネイト、きらきらしたスイーツたち。

インスタグラムは、劣等感を刺激する写真の宝庫だと思う。
「SNS疲れ」なんて言葉が飛び出して、その意味がすっかり定着した今日この頃

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就活、絶対に楽しんでやる宣言。

"「みんなと同じ事はしたくない」という、みんなと同じセリフ。"
ご存知だろうか。お笑い芸人・だいたひかるさんの有名なネタである。

もう、ほんとうにその通り。大学生なんて「みんなと同じはイヤ!」で走り出しては、盛大に道に迷う天才なんじゃないかと思う。

かくいうわたしも、勿論その例外ではない。
在学中の過ごし方をはじめ、卒業後の進路、さらには自分の生き方と、もはや趣味と呼べるんではなかろうかと思

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自虐のプロを目指して

プロ・アマ問わずいろいろな人のエッセイを読んでいると、常々思うことがある。
それは、「読ませる文章を書く人は、ほぼ例外なく自虐がうまい」ということだ。

江國香織であれば、方向音痴。
角田光代なら、偏食や生活習慣。
向田邦子はせっかちな性格や、独身であるという事実。
朝井リョウはお腹がとてつもなく弱いことや、自分の容姿。
星野源に至っては、その大部分がありとあらゆる自分の欠点に基づく話である。

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