ときどき短歌 ①
三宮ごときでめげてどうすんだ通勤ラッシュは春の入り口
両方の耳をふるわす音の列あのときは右側だけだったのに
パンを食む車内はいつも旅のなか今日はさらなるみちの向こうへ
マフラーとトレンチコートの混ざる冬マーブル模様のチョコが食べたい
異例とか暖冬だとか聞きあきた最初で最後の如月いとし
胃ではなく口の欲望に負け続けこんなにまるいよ今日のわたしも
*
君越しに恐竜映画をみています ゆらめくこげちゃの美しいこと
息燃ゆる真空パックの夜のさき大口あけてるあみあみの場所
くるってるアイデンティティーを抱きしめて今日もあなたの生き血をねだる
しあわせか?くちづけそう問う君の背に突き立てて刻む「私を愛せ」
愛の向くその矛先を誤りて昨日を生きてる息をひそめて
ほとばしる言葉は愛の裏返し?そうじゃないなら今すぐぶって
きみけものわたしもけもので芳しい果てを求めたくまの子ごっこ
*
さいきん短歌もはじめました。
比喩と言葉選びが上手になりたいなと思っています。
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