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熱が出たらば

体調を崩したとき、あなたは人から心配&看病されたい派?
それともそっとしといてほしい派?

わたしは、やたらめったら体調不良を言いふらすのはかっこわるいと思うし、周りに心配をかけたりさらには移してしまうと申し訳ないので、なんでもないふりをしつつ一人でひっそりと完治させる派である。

とか言ってみたい人生だった。


めっちゃ恥ずかしい話をします。

わたしは断じて「SNSに体温計のせちゃう系女子」ではないのだが、とにかく心配されたがりである。

とは言っても、みんなからではない。
すきな人に、心配されたい。

すきな人以外の前では、「今日も元気やなあ!」と言われるくらい颯爽とふるまって、家に帰り着くなりバタンキューするような強い女性でいたいと思う。(とはいえわたしは非常に顔に出やすいらしく、体調不良は大抵ばれる。情けないことこのうえなし)

でも、すきな人の前ではぐじゃぐしゃのてろてろのばしばしになって、「しんどいよ〜〜むり〜〜〜!」って全部さらけ出して甘え倒したいのである。


わたしは、最近やたらと体調を崩す。

パターンは大体いっつも同じ。
喉と鼻のあいだらへんの奥のとこ(上咽頭というらしい)がじわーっと痛くなって、…あれ?と思いつつ気づかないふりをしてる間に「じわーっ」だったはずの痛みは「明らかなずきずき」に変わり、うわやばいと慌てた頃にはもう手遅れ。

頭はぼやーっとしてるし、
体は重いし、おでこは熱いし。あれま。

まあ、大したことはないのである。

自宅の体温計が壊れているのではっきりわからないが、多分微熱くらいだと思われる。

薬を飲めば、もやーっとした感じを引きずりつつもとりあえず一日動くことができる。

こうやって、携帯をいじったりかぼちゃのスープを作って飲むこともできる。(実際できた)


毎回せいぜいその程度。

なんですが。

なにせ、すきな人に求めるもののハードルが、高い。
自分でも嫌になるくらい、すこぶる高いのだ。

『大丈夫!?しんどそうやなあ。もう、ほんまにかわいそうに…。洗濯と洗い物と部屋の掃除はやっとくから、あったかくして寝とき。ほら、ポカリ買ってきたで』

的な。ホラ。(中間は家事嫌いゆえの願望)

「もう、大げさすぎるねんから…大丈夫やって」

と、あきれるくらいに心配されたい。

というか、あきれさせてくれ。
彼氏が大げさすぎてうざいーって言いたい。
気心知れた友達とかに。
言いたい。めんどくさがりたい。

ところがどっこい、わたしのすきな人はとってもさっぱりしている。

それがもう、それがもうちょっと寂しくて結構もやもやしちゃうのだ。

大丈夫?と家に来てくれるだけでどんだけ嬉しいか、と何度も自分に言い聞かせる。

ほら、恋人がいないときに体調をくずす心細さと泣き出しそうなくらい切実な想いを思い出せ、過去の自分に殴り殺されるでと。
いてくれるだけでいいと何度思ったか。

それが今やもう、ただのワガママ女である。

言わへんけど。
ぜえったいに口が裂けても言えへんけど。

友達からだと「大丈夫ー?」のメッセージ一つでめちゃくちゃ嬉しくなれるのになあ。

欲が出ますね。だめですね。

#エッセイ #恋愛 #体調不良

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