手作りの絵本を読む贅沢

手作り至上主義ではないけれど、手作りのものはとても好き。機械で作るのではないから、必ずしも同じものが出来上がらないところが好き。作り手のその時々の状況(体調、時間、技術力、予算…)によって、結果が変わるところも好き。

私は、効率化を追求しているイメージもあるようだけれど(そしてそれは否定しない。仕事や家事の効率化にとても熱心だから)、季節の手仕事は大事にしている。

例えば、お正月は、娘と一緒に祖母の家で大量の金柑と柚子をとった。それを一つ一つ丁寧に洗って、柚子ジャムにしたり、金柑の甘露煮を作った。「今年の柚子ジャムは最高の出来だね!」と自画自賛する私に、娘は「じいじが植えた柚子だもん。おいしいんだよ」とお空に逝ったじいじのおかげだという。そんなたわいのないやり取りの時間も好きだ。

(写真: 私が今年のお正月に作った柚子ジャム)

講演等ではよくネタにしていて、いつかどこかに書こうと思っている「お着換え袋事件」以来、娘の持ち物を手作りするのを厭わなくなった。夫から、ミシンをプレゼントにもらって、せっせと作っている。40歳をすぎて始めた裁縫の技術はとても低いので、残念な出来栄えのときもあるが、それでも使ってくれる人を思いながら、その人のために丁寧な時間を使ったことが形になるものを、娘のそばに置くのは悪いことではないと思っている。夜中に刺繍をしたり、何日もかけて洋服を作ったりするようになったことに、自分でも驚いている。友人が、「丁寧に扱われる人は、人にも丁寧になれる」という話をしていたが、そうかもしれないなと思いながら……。


自分のつたない裁縫と比べるのは心苦しいが、手作りの大変さもわかるので、手作りのものはリスペクトしている。

そんな私が最近楽しい時間を過ごしているのが、タラブックスの絵本。

最初に買ったのは、この『The Very Hungry Lion(はらぺこライオン)』という本だった。インド古来のワールリー画の手法で描かれたインドの民話。だまされやすいライオンがあの手この手で楽して獲物を捕らえようとする話。私は楽しく読んだが、3歳の娘にはまだ早かったようだ。

見返しにこんな絵が描かれていて、手作り感満載。

最近、デジタル絵本も増えてきたけれど、紙で読むほうが私は好きという親の趣味で、娘にはデジタル絵本は与えていない。

タラブックスのハンドメイドの本は、紙もインドの手すきの紙を使っていて、でこぼこ感があり、やさしい手触りなので、そういう触感も楽しみながら読める本。

他にもタラブックスの本はいくつか持っているが、3歳の娘には、こちらの本のほうがヒットした。

Sun and Moon (太陽と月)』。こちらもハンドメイドでシルクスクリーン印刷だ。

10人のインドの先住民アーティストがそれぞれの民族に伝わる物語をもとに、太陽と月を描いている絵本。見開き事に、月と太陽が描かれていて、この写真は、表紙をめくったところ。絵がどれも個性的で、そして、それぞれの民族が持つ神様の存在や月と太陽に関する世界観が出ていて、私もとても好きな本。娘は、天体から名前を付けたので、宇宙に関する絵本を小さいころから読み聞かせていたこともあり、この本は、「私の本」と感じているよう。古布から作った紙の独特のにおいもあって、手作りの絵本を読めるってとっても贅沢なことだなぁといつも思う。

私はこちらの『In The Land of Punctuation』もとても気に入っている。ドイツの詩人、クリスティアン・モルゲンシュテルンの詩をビジュアル化したものだが、「おぉぉぉぉ、こんな絵にしちゃう、しかもパンクチュエーションで!」と初めて読んだときは衝撃を受けた。

これを子供の本にしておくなんて、もったいない!大人がぜひ読むべきだ!と思った作品。タラブックスの本は、他にも何冊か持っているけれど、どれも子供も大人も楽しめる、そして、とても贅沢な五感を刺激する贅沢な時間を過ごせると思う。

最後に、最近『タラブックス』という本を見つけた。2017年の夏に上梓されたようだ。この本を読むと、タラブックスがいかに真剣に本を作っているかがわかって、次にインドに行くときには、工房に寄ってみたい!と思った。もう10年以上インド熱に冒されている私なので、もう少し娘が大きくなったら一緒に行きたい! 

Top Photo by Debby Hudson on Unsplash
そのほかの画像は、著者私物を著者が撮影

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秋山ゆかり

子どもの本

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