見出し画像

「長野県には台風が来ない」伝説

巴創業塾主宰の藻谷ゆかりです。台風19号で被害にあわれた方々には心よりお見舞い申し上げます。私も長野県在住なのですが、「長野県には台風が来ない」という伝説を信じておりました。というより信じようとしていました。こういう状況を災害心理学では「正常性バイアス」といって、災害時などで都合の悪い情報を受け取らず「自分は大丈夫」と信じてしまう心のメカニズムがあるそうです。

冒頭の写真はnaverまとめサイトからお借りしたもので、2013年の台風26号が長野県には来ないとテレビ放映された画面です。長野県民はこういうシーンをよく見ているので「長野県は高い山々に囲まれているから、台風がこない」と信じてしまいます。

よく考えてみれば3000メートル級の山々があるのは南アルプス(赤石山脈)中央アルプス(木曽山脈)北アルプス(飛騨山脈)に囲まれた中南信と呼ばれる地域で、今回の台風でもこの地域での被害はほとんどなかったと報じられています。今回の台風で堤防や橋が決壊した千曲川が流れる東北信には、台風を遮る高い山脈はありません。

今回の台風はかなり強力な雨台風だったので、千曲川の氾濫で大変なことになりました。私も微力ながら先日千曲市で泥除け作業をしましたが、今後も被害の大きかった長野市などでボランティア活動をしていく予定です。

長野県上田市の別所温泉では、台風の被害がほとんどないにも関わらず、上田電鉄別所線の鉄橋が流されたことにより、旅館の宿泊キャンセルが続出しているそうです。例年なら10月は紅葉と松茸で観光のハイシーズンとなっているところですが、大変な状況です。北陸新幹線も復旧し別所線の不通箇所には代行バスが走っておりますので、別所温泉へのアクセスはほぼ問題ないです。(上信越道が碓氷軽井沢ICと佐久IC間で通行止め)

「思い込み」というのが、災害の被害を拡大し、その後の観光への影響が大きいことを実感した次第です。

日本政策金融公庫の広報誌「つなぐ」に「事業承継でイノベーションと地域活性化」を寄稿しました。ご一読いただければ幸いです。

巴創業塾のHP https://www.tomoesogyo.work/
#事業承継 #地域活性化 #地方移住 #藻谷ゆかり