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"残り物で作る"ことができないし冷蔵庫に野菜なんてなかった。

料理のうまい人はよく言う。

「残り物でパパッと作っただけだよ~」

「冷蔵庫の残り物、処分しなきゃ」

残り物で作っただけ、なんて言葉を信用してはいけない。料理のうまい人は料理がうまいのだ。例えそれが残り物で作ったものだったとしても一定の水準に仕上げられてしまう。才能か。天才か。神か。

才能でも何でもなく、料理のうまい人にも料理の下手な時期というのがあって、そこから改善を重ねて料理のうまい人になったということを最近ようやく理解した。料理のうまい人は最初から料理がうまいのだと思っていた。これは料理のうまい人の努力をなかったことにする思考である。それで怒られたこともあるが、正直あまり反省できなかった。だってあなた今私より料理できるんじゃん、って思ってしまったから。

まず、残り物があることがすごいもの。

は? 何言ってるの? と思うかもしれないが、朝はレンチンするだけのナンピザ、昼は冷凍うどん、夜はレンチンするだけのパスタ、みたいな生活をしていると、残り物なんてものは、出ない。当たり前だ。すべて一人前に個包装されているものなのだから。

"残り物"は、自分で材料を買ってきて手を加えて食べている人のところにしかなく、自分で買うのはレトルトだけ、といった私のような人間の冷蔵庫には残り物なんてないのだ。

当然野菜も買わないからない。野菜を買わないから野菜の余りもない。肉はたまに気が向いて買う程度だった。

残り物で作るなんてことはまず残り物がなければできないのだ。そして私には残り物がない。何故なら料理しないしできないから。

執筆のための資料代にさせていただきます。