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物を捨てすぎる私と、捨てられない私のこと。

人は定期的に物を捨てなければ生きていけない。住空間にはどんなお金持ちでも限りがあるし、多くの人はお金持ちでもないからだ。

だから断捨離なんて言葉が流行るし、もてはやされもする。ミニマリスト、というのも実在するらしい。私は驚きを隠せなかった。私は本を捨てられないからだ。

本というのは、一期一会である。そのときしか売っていない本、なんていうのが世の中にはいくらでもある。むしろ5年後も手に入れられる本の方が少ないかもしれない。

私はそういった意味では"捨てられない"人だ。一度は読んでみたいと思って買った本なので、捨てるに捨てられない。結果として、本棚は足りなくなった。

そんな私は"捨てられない"人? いや、それも違う。本は捨てられないけど、他の物は捨てられるのだ。例えば、思い出が詰まっているはずの修学旅行のしおりとか、キーホルダーとか、そんなものを。

母には大層驚かれた。思い入れってものがないのかと呆れられもした。だけど私にはただの紙の束より、キーホルダーより、本の置き場を作りたかった。小さな頃から世界は本のなかにあったからだ。思い出はゴミ袋にまとめて放りこんだ。

本が大事で、それ以外は大事じゃなかった。言ってみればそれだけのことである。母の価値観とは大幅に異なったらしく、私はもう二度と片付けに母を同席させないことを決めた。

しかし、世の中捨てられる人間が偉いわけでもない。程よく捨てられる人間がよいのだ。住環境を整え、生きられる程度に仕上げられる。それさえできればミニマリストでも何でもいい。

私は本についてはミニマリストどころかマキシマリストになってしまうので、定期的にもう読まない本を売るとかしないといけないな、と思っている。

執筆のための資料代にさせていただきます。