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【動画紹介】バスケ米国代表が豪州代表に親善試合で敗北したのは、監督が理由?!

日本にいると、海外スポ―ツに関して上手に解説した動画が中々手に入らない、もしくは見つかっても英語であるが為に何を言っているかわからないという課題に当たるかもしれません。

その為、今後定期的に僕個人として日本のスポーツファンに是非見てほしいと思う、有益な動画を定期的に解説を交えて紹介してまいりたいと思います。

その初回となる今回は、是非若いバスケ選手、また指導者の方々に見てほしいなと思う動画です。


こちらはBBALL BREAKDOWNという米国で大人気な、バスケの戦術分析を行うYouTube番組です。

この番組のホストで解説者のニック(通称コーチニック)は、高校バスケシーンで長期間に亘りバスケを指導した経験を持ち、また今では3ポイントシュートの専門コンサルもやっています。

そのコーチニックが出した最新の動画が日本バスケ界にもとても参考になると思ったので、共有させてください。(動画は以下ご参照)

今月末(19年8月末日)より開幕となるFIBAワールドカップ前に、豪州代表と親善試合を行った米国代表は、なんと圧倒的有利とされる中豪州代表に負けてしまったのです。しかもこの敗北まで米国は78連勝中だったというのですから驚きです。

その試合における米国の敗因についてコーチニックは語っており、その主要因として①「米国がディフェンス面でミスコミュニケーションが多かった事」、②「豪州の巧みなモーションオフェンスとスクリーンプレー」と結論付けています。

それが見れるシーンが以下です。


①米国のディフェンス面でのミスコミュニケーション

1)(ビデオ1:25-1:42秒)

このシーンでは、豪州のボールマンであるジョー・イングルスのマッチアップをしていたクリス・ミドルトンがピックに引っかかっているのが上記画像からわかるかと思います。米国側の問題はこの後起きるのです。

本来であれば、ゴール下にいる米国の56番マイルズ・ターナーがボールマンのゴールへの接近を防ぎ、そのターナーのマークマン(灰色丸)と3Pラインにいる自身のマークマン(灰色丸)の間に場所どりし、その二人を同時に右ウィングにいるドナバン・ミッチェル(赤丸)がガードする必要があります。

ですがそのミッチェルが自身の役割に気付かなかったがために、コーナーにいるターナーのマークマン(12番)がオープンとなり、結果イングルスからのキックアウトを受けた12番が3Pを決めるというシーンです。

2)(ビデオ3;12-3:25秒)

このシーンでは、トップでトライアングル・アクションが行われたのち、ボールマンであるアンドリュー・ボーガットが右ウィングからゴール下へカットするイングルスへパスを出し、イングルスがフリーのレイアップを決めるというシーンです。

個の一番下の写真を見て頂ければわかるかと思いますが、本来であれば赤丸の米国代表選手二名(ブラウンとテイタム)はイングルスへヘルプに行かなければならないものの、自身のボールマンにとらわれ過ぎており、イングルスのディフェンダーであるジョー・ハリスが明らかに抜かれているのにヘルプできずにいるのです。

3)(ビデオ4:52-5:04秒)

このシーンはまず豪州のボーガットの美しいパス(ハンドオフ)にも注目が集まるが、それ以上にそのパスを受けたパティ・ミルズが明らかに同ディフェンダーを抜き去っているのに、またもブラウンがヘルプに行けていないのが分かります。

ここまで3つの例を上げさせて頂いたが、米国代表は豪州代表のスクリーンプレー後に、ヘルプディフェンスが全く機能していなかったのが分かるかと思います。

これは代表選手のプレー経験が少なく、ディフェンスのイロハをまだわかっていないためなのか、それとも各選手が親善試合という事で気を抜いていただけなのか気になる所です。

② 豪州の巧みなモーションオフェンス・スクリーンプレー

先ほど紹介した①の3)のボーガットとミルズによるスクリーンプレーもそうであるように、豪州代表はオンボールマンのみならず、オフボールマンも継続して効果的な動きを行い、ボールが常に回っているのが分かるかと思います。また常にボールが回るのみならず、その時々で仕掛けられるスクリーンが実に効果的なのも注目して欲しいです。

特に注目したいのが以下2つのプレイです。

1)(ビデオ5:36-5:50)

このプレイでは、ミルズがまずゴール付近から3Pラインまでキャッチ&シュートをする姿勢でボールを貰いに行っています。

多くの場合、ここでパスを受けた選手(ミルズ)はキャッチ&シュートで3Pシュートを放つが、そこで終わらないのが豪州バスケの特徴です。

3Pラインでボールを受けたミルズに対し、(ディフェンダーが完全に3Pシュートを警戒している中)12番が左サイドにスクリーンをかけに行くのです。

そして、そのスクリーンを上手に活用し、またその後のパスフェイクで完全にフリーとなったミルズは、簡単にミドルシュートを決めるのです。
(米国ディフェンスのコミュニケーションが悪いとも言えますが。。)

2)(ビデオ 7:12-7:25秒)

このシーンでボーガットが見せる玄人好みのプレイが凄い。このプレイはまずはブロークンなシチュエーションから始まり、トップでボーガットがボールを受けるところから始まります。

その後、シザーアクションでポジションを入れ替えた左ウィング・コーナーにいる選手の内、コーナーにいたミルズがボーガットに向かって走ってきます。その後ボーガットはミルズのディフェンダーに対しスクリーンを書けるのですが、その後のパスの出し方が要注目です。普通のスクリーナーであれば、左手でスクリーンを過ぎ去ろうとするミルズにハンドオフしますが、ボーガットはスクリーン後少し間を置き、右手でバウンドパスを出しているのです。

また、スクリーン後間をおいてから右手でパスを出したことで、ボーガットは既にゴールを向いた姿勢となっており、ピック&ロール後に再度パスを貰った際にシュートが打ちやすい体制となっているのだ。

このように豪州(特にボーガット)はハイライトにならなかったり、中々注目の集まらない細かいプレーを効果的に行う事で、豪州にとって良いオフェンスのリズムをもたらしていたのです。

終わりに

いかがでしたでしょうか!?

今回は米国で人気のYOUTUBE番組をご紹介すると共に、その最新号で取り上げられた米国バスケ代表の豪州代表への敗北要因分析動画を、日本語で開設させていただきました。

今回の紹介によって、米国YOUTUBERの凄さを体感していただくと共に、ハイライト等には表れない地味なプレイを継続することで、ジャイアントキリングも起こせるという事を実感していただけましたでしょうか?

本FIBAワールドカップでは日本代表も対戦する事となる米国代表ですが、そこで日本代表も豪州のように緻密な作戦を基に勝利できるか、要注目です!

家徳



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