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【第2章-お金と仕事の仕組み-第1節】お金の歴史と本質:Moneyとは何か?

私達は物心が付いたときから、毎年正月になればお年玉をもらい、お菓子やおもちゃを買うために、期待を胸に玩具店や駄菓子屋に向かう。お店では、手持ちの小遣いで購入できる商品はどれだろうと、予算に応じて商品を選択する。購入可能な商品が決定すると、「小銭や紙幣」を店員に渡し、その引き換えとして「商品」を渡される。

やがて成長した子供は、アルバイトや会社員として労働に従事し、支払った労働の成果に応じて、給料日に「お金(給料)」を受けとる。支給される金額は人それぞれだが、限られた予算の中から、「食費」「家賃」「水光熱費」などの生活費を賄い、「家電」「洋服」「交際費」などに予算を分配する。

日常生活を営む上で、すべての行動や取引において、必ず「お金」が取引手段として利用され、お金が無くなれば、たちまち生活は困窮状態に陥る。私たちが勉学や仕事に励むのも、最終的には「お金を得るための努力」であり、お金を取得できない労働に勤しむ人間は、非常に限られている。

誰もが一度は「もっとお金があれば...」「もっといい給料が欲しい...」「誰かお金を恵んでくれないかな....」「どうすればお金が手に入るのだろうか?」このように考えたことがあるはずだ。

しかし、「一体お金はどこからやってきたのか?」「お金はどのようにして誕生したのか?」「誰がお金を管理しているのか?」「なぜお金には価値があるのか?」と真剣に考えたことのある人間は非常に少ない。

そもそも「お金」とは一体なんなのだろうか?

なぜ店舗や店員にお金を渡せば「商品(サービス)」を享受できるのだろうか?一万円札(紙幣)は数十円程度のコストで製造できる「紙切れ」にも関わらず、なぜ一万円の価値として使用することができるのか?ほとんどすべての人間が毎日使用しており、社会生活の根底に関わるのが「お金」であるにも関わらず、「お金という仕組み」を正確に理解している人間は極めて少ない。

本節では、人類がお金という道具を創り出した成り立ちを紐解き、人類が人生の大半を費やして獲得したいと願う「お金の正体」を解説する。なぜ「お金は紙切れ」であるのか?なぜ「お金には価値がある」のか?本節を読み終わったとき、あなたのお金に関する価値観や見方が、大きく変わっているはずだ。

ぜひ手元に「1万円札(紙幣)」を用意したうえで、本節を読んで欲しい。

《内容目次》

「お金とはなにか?」
「お金の歴史」
「無尽蔵にお金(紙幣)を生み出す錬金術」
「お金を生み出す銀行の仕組み」
「中央銀行による通貨発行権」
「政府と中央銀行の関係」
「金に裏付けされた兌換紙幣」
「お金が紙切れとなった大事件」
「資産を防衛するための金投資」
「どんな経済危機が起きても生き延びる方法」
「お金の価値は突然消失する」
「デジタル化するお金」
「仮想通貨は中央銀行を駆逐するか」
「実体経済と金融経済」
「世界にはどれだけのお金が存在している?」
「なぜ投資家はお金持ちなのか」
「お金は紙切れにすぎない」

文字数:約37000文字
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