発酵するように生きたい
昔から話は聞いていたのですが、契約農家さんから無農薬の野菜を購入するようになって実感するのは、スーパーの野菜は腐るのに、無農薬の野菜は腐らずに枯れるということです。
もちろん枯れる前に食べ切りたいですが、どうしても時々しなしなにしてしまうものができてしまい、でも腐ってるわけじゃないので切って炒めたりすると結構食べられます。
で、野菜を眺めながら、人生折り返し地点にいる私も、年のとり方についてふと思うのでした。
腐るくらいなら枯れたいな。
肉体的なことというよりは、精神的に、ですけど。
その時、枯れるように老いていくのは私らしくていい、と思ったのです。
だけど、お台所にはもっと凄い奴らがいました。味噌、ヨーグルト、醤油、酵素ジュース。そうです。発酵食品です。
味噌を作ったり、果実で酵素ジュースを仕込んだりしていると、その度に思うのです。何もしなかったら、数日でだめになるものが、発酵させることで保存できて、豊かな風味を持つなんて、魔法みたい、と。常々私は発酵するものに対して畏敬の念を感じていたのでした。
枯れるより、発酵したい。
時間を経ることが価値になるお酒みたいに、環境中の色んなものを味方にして、年をとるごとに芳醇で豊かな精神を育めてゆけたら素敵です。
発酵を目指すなら、よりよい環境に身を置くことは必須ですよね。特に精神的に。無理したりストレスが多いのはいけない気がします。
発酵したい、と思うと、それだけで人生をよりよくするために色んな努力ができるような気がします。
人間関係の環境もそうだし、水も空気も食べものも、ちゃんとしようと思えそうで。
そして、自分の魂が喜ぶ音楽や、琴線に触れる文章や、自分にはない感性の刺激を貰えるアート作品や、そういうものをちょっと貪欲に求めるようになるかもしれない。
私あまり欲がないので、そういう動機がないとあっという間に心が枯れてゆきそうだから。
とても漠然としているけど、心が枯れてきた時に、思い出せたらいいな。
発酵してゆけますように。
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