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終わりと始まりを過ごすのがあなたでよかった

昨日は平成最後の夜だった。
あなたと2人でソファに座って、テレビを観て。
画面の中では渋谷がお祭りのようになっていたけれど、リビングの私たちはとても静かだった。日本って変な国だなと思っていたら、あなたが「天皇は世界で2番目に偉いんだって」と言って、そんなこと言うあなたが好きだなぁと思ってた。

最近は少しずつ部屋の中の白いダンボールが増えてきて、それとともに私の不安な部分が大きくなってしまった。いつ泣き出すかわからない私と一緒にいるのはとても疲れるだろうなと思っている。自分でもどうにかしたいけれど、この涙腺は私の支配管理外にあるみたいで、言うことを何も聞いてくれない。

突然だけど、私はあなたが夜に何かしら作業をするのを見るのが好きだ。それは鉄拳だったり、動画を見ていたり、タバコを吸っていたり。そんなあなたをベッドの中から見つめていると、とても平和な気持ちになる。
あなたの横顔に癒されて、時たま発せられる声にキュンときて、みんなが誰かを愛していたら世界には平和しか訪れないだろうなと思えるほど心が柔らかくなる。だから、私はどんなに眠くてもあなたの作業している様子を少し眺めていたいのだ。

昨晩も、あなたを眺めていた。
あなたを見ていると幸せなんだ。幸福。ただ、それと同時に私の感情とは無関係に、残された時間のことを考えると涙が暴走する。泣きたいわけでもないし、あなたを責めたいわけでも、困らせたいわけでもない。たまに、ふと訪れる悲しみが私の涙腺を何かで壊して通り過ぎるから、私だってとても困っている。

そんな私の横に来て、一緒に時間が過ぎるのを待ってくれるあなたは、世界で一番いい男だと思う。

平成から令和になる瞬間をあなたと過ごすことができて、私は幸せものだと思う。
あなたが生まれた年だから、私は昭和より平成が好きだ。そして、あなたと迎えた年だから令和も好きになると思う。

#平成 #令和 #エッセイ #コラム

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