いだゆ

長野県出身。関東圏で働くサラリーマン。 明治大学を卒業後、オンワード樫山、ジョンソン・…

いだゆ

長野県出身。関東圏で働くサラリーマン。 明治大学を卒業後、オンワード樫山、ジョンソン・エンド・ジョンソン等に勤務。 趣味は読書(年間200冊ほど)、旅、犬猫。 【Blog】yi423.com 【Twitter】@tabihonkoe

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    読んだ本の紹介記事をまとめています。 何かのお役に立てたら幸いです。

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    気まぐれ旅行記です。 どこかで誰かの何かのお役に立てたら嬉しいです。

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「あおり運転」はモラルではなく、科学の問題:『アンガーマネジメント超入門 「怒り」が消える心のトレーニング/安藤俊介』

怒りは「人生を壊す唯一の感情」「アンガーマネジメント」という言葉が注目されるようになったのは、いつ頃からだろうか。 個人的な記憶では、東名高速でのあおり運転事故以降、よく聞くようになった言葉だという印象がある。 本文にも、 「そもそも、アンガーマネジメントがアメリカで広がったのは、運転時のトラブルによる射殺事件が頻発したからという背景があります」 という記述が出てくる。 「ハンドルを握ると人格が変わる」という話はよく聞くが、「怒り」と「運転」というのは、世界共通の問題なのか

    • 子どもに伝えたい「お金の教育」:『夢と金/西野亮廣』

      欠けていた「お金の教育」日本で生まれ育ったことは、とても恵まれていたし、それ自体が幸運なことだったと、個人的には思っている。 ただ、1つだけ残念だったと考えていることがある。 それは「お金の教育」に関してだ。 子どもが影響を受ける相手(大人)は、家族や学校の先生がほとんど全てだろう。 両親や祖父母世代は、「預金に置いておけば年利で7〜8%も付く時代」を過ごしてきたので貯金信仰が根強いし、学校の先生は、そもそも実体経済からは遠い世界にいる存在だ。 (もちろん、それが良い悪いの

      • 「謙虚さ」は脳科学的にも重要だった:『認知バイアスの教科書/ 西剛志』

        自分の見ている世界は「真実」か?昔読んだ本に、「『自分にはまだ何も見えていない』と思わなければいけない」という内容の記述があったことを思い出した。 その時は、「心構え」の話なのだろうと思っていた。 しかし本書を読んで、それは「脳のメカニズム」の話だったのだ、ということがわかった。 「認知バイアス」という単語は聞いたことがあったが、ここまで詳細かつ網羅的に解説されているものを読んだことはなかった。 これは人間である以上、生存のために、誰にでも必ず備わっているものだという。 そ

        • タイトルの衝撃度を超える内容:『腰痛は肛門力で治る/鈴木登士彦』

          四十にして腰痛に惑う 40を手前にして、腰痛を覚えるようになってきた。 仕事柄、デスクワークも多いし、運転している時間も長い。そのせいもあるのだろう。 腰痛専門の整体のようなものにも行ってみたが、正直、あまり良くならなかった。 そんな折に、この本に出会った。 「すごいタイトルだな」というのが率直な第一印象だった。 まず、「肛門力」という単語を初めて聞いた。なんなんだそれは。 しかし、そのタイトルの衝撃度を超えた内容が詰まっていた。 序盤の方に、こんな一節がある。 「腰痛を

        「あおり運転」はモラルではなく、科学の問題:『アンガーマネジメント超入門 「怒り」が消える心のトレーニング/安藤俊介』

        • 子どもに伝えたい「お金の教育」:『夢と金/西野亮廣』

        • 「謙虚さ」は脳科学的にも重要だった:『認知バイアスの教科書/ 西剛志』

        • タイトルの衝撃度を超える内容:『腰痛は肛門力で治る/鈴木登士彦』

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          幸せについて本気出して考えてみた:『年収90万円で東京ハッピーライフ(大原扁理)』

          「節約術」よりも「考え方」最近「ミニマルに生きる」といった風潮が注目されている。 自分に必要な最低限の生活費を把握し、その範囲内で自由度高く生きる、というものだ。 個人的にも、非常に憧れているライフスタイルだ。 そんな関心もあって、この本を手に取った。 しかし、タイトルにある「年収90万円」とは、月にして7万5千円だ。 そんな金額で、日本で最も固定費が高そうな東京で生活していけるのだろうか。 ところが、本書を読み進めるうちに、それは十分に可能なことだとわかった。 しかも、

          幸せについて本気出して考えてみた:『年収90万円で東京ハッピーライフ(大原扁理)』

          より良く「生」きるために、「死」を思う。:『もしも1年後、この世にいないとしたら。(清水研)』

          父の三回忌で思い出したこと先日、父の三回忌があった。 思い返せば、がんが発覚してから亡くなるまでは、急展開の連続で、体感的にはあっという間(実際は半年程度)だった。 そんなことを回顧していた時、以前読んだ本書のことを思い出した。 自分もそうだが、人間はなぜか、「何げない今日が永遠に続く」かのように生きてしまう。 それが当たり前でないことに、本書はタイトルだけで気づかせてくれる。 例えば。 私は週末は原則、朝イチから近所の喫茶店に行き、読書や、このブログを書くことを日課にし

          より良く「生」きるために、「死」を思う。:『もしも1年後、この世にいないとしたら。(清水研)』

          敏腕プロデューサーは同時に、スーパービジネスマンだった:『佐久間宣行のずるい仕事術(佐久間宣行)』

          敏腕プロデューサーは同時に、スーパービジネスマンだった。「ゴッドタンで、プロデューサーなのに演者のごとく出てる人」。 本書の筆者である、佐久間さんに対して抱いていた印象だ。 テレビ関係者でもなんでもない自分にとっては、これまでは失礼ながら、そのくらいの印象しかなかった。 本書を読んで、その印象は「超絶デキるビジネスマン」へと変貌を遂げた。 一般的に、尖った個性や、卓越したクリエイティビティを持つ人は、いわゆるサラリーマン的な「組織の中でうまくやっていくスキル」には少々欠けて

          敏腕プロデューサーは同時に、スーパービジネスマンだった:『佐久間宣行のずるい仕事術(佐久間宣行)』

          この1冊があれば営業研修はいらない:『Sales is セールス・イズ(今井晶也)』

          「営業・販売」で世界は回っている世の中で最も多い職業は何かといえば、営業・販売の仕事ではないだろうか。 「何かを売る」という職業で世界は回っている、と言っても過言ではない気がする。 イコール、「営業・販売に対するスキルやノウハウ」も、それだけ多くの人に求められている領域ではないかと思う。 私自身も法人営業の仕事をしており、営業に関する書籍はこれまでに何十冊と読んできた。 そんな中、「この1冊だけで良いのではないか」「なんなら、営業研修といった類のものも、この1冊があれば不要

          この1冊があれば営業研修はいらない:『Sales is セールス・イズ(今井晶也)』

          「成長」するための唯一の習慣とは:『1行書くだけ日記(伊藤羊一)』

          「成長」するためには、〇〇以外は不要「リスキリング」という言葉をとてもよく聞くようになった。 成長意欲や向上心に溢れる人たちが増えているということで、ものぐさな自分からすると、尊敬の一言に尽きる。 その「成長」のために、本質的に重要なものは何か。 そんなことをぼんやり考えていたら、以前読んだ本書のことを思い出した。 再度目を通してみると、改めての気づきがたくさんあった。 本書では、「成長」のために必要なことを、次の一文で端的に表現している。 ・「振り返り」こそが成長に必要

          「成長」するための唯一の習慣とは:『1行書くだけ日記(伊藤羊一)』

          旅好き会社員必読の書 :『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周(東松寛文)』

          「世界一周」の概念が覆った「世界一周」と聞いて、どんなイメージを持つだろうか。 個人的には、「短くても数ヶ月とか、長ければ数年といった、まとまった期間でするもの」だと思い込んでいた。 「リーマントラベラー」を名乗る筆者は、平日は会社員をしながら(しかも、激務の広告代理店だという)、週末だけを利用して「世界一周」を達成した。 詳細は本書に譲るが、もちろん1回だけの「週末」でということではない。 その背景には、例えば「日本にいる時間はトランジットと考える」といったような、さまざ

          旅好き会社員必読の書 :『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周(東松寛文)』

          最強の「習慣」とは :『ゴミ拾いをすると、人生に魔法がかかるかも♪(吉川充秀)』

          胡散臭さにスルーしかけた「なんか胡散臭いなあ・・」。 書店で本書を見つけた時の、正直な第一印象だ。 なぜなら、書籍のタイトルでは滅多に見ない「♪」マークに、「魔法」という言葉。 さらに、そのテーマが「ゴミ拾い」だという。 これは何かスピリチュアル系の、雲をつかむような話なのだろうか。 そう思ってスルーしそうになったが、何か気になって、パラパラとページをめくってみた。 その1分後には購入を決めていた。 読み終えてみて、これは決してスピリチュアルな話ではなく、むしろ科学的な話

          最強の「習慣」とは :『ゴミ拾いをすると、人生に魔法がかかるかも♪(吉川充秀)』

          これが「ポートフォリオ」の最適解だ :『ビジネスエリートになるための 投資家の思考法(奥野一成)』

          最強の「ポートフォリオ」とは「ポートフォリオ」という言葉がある。 主には、「金融商品(現金や預金、株式や債券、不動産など)の内容や組み合わせ」といった文脈で使われることが一般的だ。 ここ数年の投資ブームで、この言葉を目にする機会も飛躍的に増えてきた。 本書では、「ジブン・ポートフォリオ」という概念を提唱し、 「自分で働く=自分資産」と 「自分以外に働いてもらう=金融資産」 を組み合わせる、という考え方を説いている。 この両輪は、互いに対して相乗効果を発揮し、好循環を形成し

          これが「ポートフォリオ」の最適解だ :『ビジネスエリートになるための 投資家の思考法(奥野一成)』

          本当の「ミニマリスト」とは :『超ミニマル主義(四角大輔)』

          「ミニマリスト」ブーム「ミニマリスト」という言葉や概念がブームになってから、どのくらい経つだろう。 そういったテーマの書籍も何冊か読んだことがあるが、この本は少し、視点が違うように感じた。 従来は「モノを捨てる」「モノを持たない」という部分ばかりがクローズアップされがちだった印象だが、次の一節が示すように、この本はより本質的な部分にフォーカスしている。 「次世代のミニマリストは本質的で、ただモノを捨てるのではない。大事なことのために、どうでもいいことを削るのだ」 「手段の

          本当の「ミニマリスト」とは :『超ミニマル主義(四角大輔)』

          『一生お金に困らない家投資の始め方(永野彰一)』を読んで、「家」の概念が180度変わった。

          「家」の概念が崩壊した「賃貸か持ち家か」というのは、あまりにメジャーな議論だ。 個人的には、一生賃貸で良いと思っている。 だが、そもそもなぜこの議論がここまでメジャーなのかと考えてみると、「家は買うとしても一生に1軒」という前提がどこかにあるからではないだろうか。 そりゃあ、一般的なサラリーマンからしたら、数千万円の家は「一生に一度の買い物」となるだろう。 この本を読んで、その概念が180度変わった。 何しろ「100万円の元手が用意できれば、3軒の家を手に入れて、それを上

          『一生お金に困らない家投資の始め方(永野彰一)』を読んで、「家」の概念が180度変わった。

          「自律神経」の驚異的な力〜『なぜ、「これ」は健康にいいのか?(小林弘幸)』〜

          「緊張しない方法」を探し続けてもともと、自分は緊張しやすい人間だった。 それもあってか、 「プレッシャーのかかる場面でも実力を発揮するためにはどうすれば良いのだろう」 ということを、いつもなんとなく考えていた。 昔からスポーツが好きで、テレビで中継を見る機会も多かった。 そして、以前から、 「多くの選手が重要な局面(たとえばサッカーのフリーキックや、バスケのフリースローなど)で、判を押したように同じ動作をするなあ」 と思っていた。 意識して見ていると、競技の種類に関わらず、

          「自律神経」の驚異的な力〜『なぜ、「これ」は健康にいいのか?(小林弘幸)』〜

          散々な目に遭ったインドにまた行きたくなった:『ガンジス河でバタフライ( たかのてるこ)』

          インドでiphoneを強奪された。3年ほど前に、インドに1人旅をした時のことだ。 初日の夜に、iPhoneを2人組の男に強奪された。 それはもうパニックになった。 全てをスマホに依存しきった現代社会だ。スマホがなければ正直、国内旅行でもアタフタしてしまいそうだ。 それが、よりにもよって、旅人たちの間でも「難易度が高い」と聞いていたインドで起こった。 ましてや、こちとら初めて訪れるインドで、しかもそれが初日ときている。 結果としては、事前に計画していた通りの旅程を意地でも全

          散々な目に遭ったインドにまた行きたくなった:『ガンジス河でバタフライ( たかのてるこ)』