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ワークショップデザイン・ファシリテーションを仕事に役立てる3つのスケール

先日、これまで何度も安斎のワークショップにご参加くださっている方と情報交換させていただく機会があったのですが、「ワークショップデザインやファシリテーションのエッセンスは、ワークショップではない場面でも活用することができる」というご指摘をいただき、なるほど、と思いました。確かに、ワークショップの熟練者もよく「”ワークショップ的”にものごとを考える」だとか「これもある種のファシリテーションだ」などと、ワークショップデザインのエッセンスを拡大解釈しながらワークショップ以外の場面に転用しているケースが非常に多いと感じます。

思い返せば、過去にご参加いただいた方からも、「アンケートを作成する際に、自由記述の質問の設定のヒントになった」「2時間のインタビューのフローを、ワークショップのプログラムを参考に構成した」「営業活動において、アイスブレイクと情報提示の仕方にワークショップ的な方法をとりいれた」「デートもある種のワークショップデザイン(笑」といったフィードバックを耳にしたことがあります。そう考えると、“ワークショップを仕事に活用する”アプローチは、3つの規模感があるのではないかと考えました。

1)スモールスケールの活用:ワークショップデザインのエッセンスを日々の仕事に部分的にとりいれる

例えば、ギクシャクした社内会議に、ちょっとした遊び心とひねりのある問いを導入し、アイデアを活発にする。
例えば、講義型の大学の授業に、アイスブレイクや手や体を動かすグループワークを導入し、能動的な学びを促す。
例えば、営業やインタビューなど対面コミュニケーション場面において、ワークショップのプログラムを参考に流れを構成し、ワークショップ的なファシリテーション技術によって話を円滑に進める。
..など、ワークショップそのものを開催するわけではないが、ワークショップ的な考え方や、学習環境デザインやファシリテーションの技術を部分的に応用するパターンです。

2)ミディアムスケールの活用:単発のワークショップを企画して開催する

例えば、自身の専門や関心テーマに基づくワークショップイベントを企画し、関心のある人をSNSで集客して開催する。
例えば、授業(90分)や研修(数時間)の枠を、まるまるワークショップ形式で実施する。
例えば、2時間の社内勉強会を、ワークショップとして実施する。
..など、ワークショップデザイン論をフル活用して、数時間〜のワークショッププログラムを企画して実施する、素直なパターンです。

3)ラージスケールの活用:目的の異なる複数のワークショップを使い分けて長期プロジェクトに組み込む

さらに大規模な発展的な活用方法として、商品開発や地域活性化の数ヶ月〜数年のプロジェクトに、フェーズごとに目的の異なるワークショップを組み入れるパターンです。必ずしもワークショップだけでプロジェクトを進めるわけではなく、各種リサーチや個人作業なども組み合わせます。

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ミミクリデザインが運営するワークショップデザイン論を体系的に学ぶオンラインコミュニティ「WORKSHOP DESIGN ACADEMIA(WDA)」では、この3つのスケールを意識してコンテンツ設計・配信をしております。ニーズに合わせて、ぜひご利用ください。





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