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「しくじり」から学ぶ #APPDIVE パネルディスカッション

2019年10月16日(水)19時からGINZA SIX 10FにあるPLAID社のオフィスで開催された『APP DIVE vol.2 〜新規アプリの「しくじり」から学ぶユーザー視点のプロダクト改善とは〜 #APPDIVEに参加させて頂きました。

前半のライトニングトークの様子はこちら。

今回は後半のパネルディスカッションをまとめています。

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(クックパッドマート福崎さん)クックパッドマートはお買い物アプリ。ネットスーパーはWebで、Uber eatsなどはアプリ。買い物は日常使いと、毎週買う、というサービス。世の中の買い物は週1回なのでWebでサクッとで良い。でも、本当に週1回でよかったんだっけ?買い物カゴを出し入れしたりもする。そう考えると思想的にアプリが良いと考えた。

もう1つはプッシュ通知。夕方の買い物忘れ。

Webの前は、スプレッドシートに書いたいものを記入してもらうことで始めた。オーダーがスプレッドシートで、プッシュがSlackだった。そこからWebを作り、アプリに舵をきった。

(リクルート瀬沼さん)エリクラのユーザーからもアプリはないんですか?という問い合わせが多かった。リクルートのSUMOなど他のサービス全体でもアプリからのコンバージョンがあがってきた。ブランド名でアプリを検索するなど、指名での利用が増えてきた。


最所の仮説・想定と違ったなどの事例はありますか?


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左 : クックパッド福崎さん、右 : トレタ名取さん


(クックパッド福崎さん)個人的にネットスーパーよりも、自分が買いにいったほうが安く良いものを買える自身があった。近所の八百屋に行くとか。そういうのをサービスにしたら面白いかと感じた。Uber配達のようなイメージ。

実際にやってみると結構大変だった。世の中にうっているものから良い素材を探すのは、誰かが選ばなかった売れ残りの場合もある。またリリース時期に大雪での積雪があった。自分が買いにいったが、苺を運ぶだけでも大変だった。

想定外のこともたくさん起こる。キムチが臭うとか。こういう場合はビニール袋は2重以上が必要などのノウハウが蓄積されていっている。

(会場笑)

(トレタ名取さん)思った以上にユーザーニーズがあった。逆に簡単に予約ができすぎて、ユーザーが不安になることがわかった。ここまで簡単に予約が取れるとは思わず、怖くなってキャンセルしたなどの話が出てきた。

(坂本さん)競合のウォッチはされていますか?ぐるなびさんとか。

(トレタ名取さん)僕たちは超直前予約を目指している。事前予約は目指していない。これが実現できるのは当日の座席台帳の正確性。

(リクルート瀬沼さん)最近は空前の隙間時間の仕事ブームが来ている。直近であればタイミーさんなど。戦々恐々とみていたが、深掘りしてサービスをみていいると、タイミーさんは飲食店のお仕事のリプレイスだったり違った。

(リクルート瀬沼さん)新規事業への投資がかなり実は厳しい。全然予算を貰えない。ただ成長すると、使いきれないくらいの予算がでたりしてこまる(笑)最近ならエアレジなど。競合はかなり見ている。5つの競合などは、毎日朝晩、競合アプリを利用。

新規事業に向いている人

(リクルート瀬沼さん)リクルートの有名な話で会社では「圧倒的当事者意識」を刷り込まれている。世の中の課題を解決しているかを会社から真に問われる。お金が儲かるだけでは続かない。

たまにユーザーインタビューもせずに提案に来る人がいるが、こういう人はNG。1対nでもよいので当事者の確認が必要。

(トレタ名取さん)自分達は会社自体が新規事業。ただ当事者意識、課題意識は必要。


スキルや能力がまだ足りない場合


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左 : リクルート沼瀬さん、右 : smartly.io 坂本さん (司会・モデレーター)

(トレタ名取さん)不得意な領域はチームでカバーするのが大事だと思う。能力という意味では自分も全然たりていない。新しいからこそ助け合っていく。

(クックパッド福崎さん)クックパッド社長の岩田さんと話したり、ランチで新規事業のアイディアを話して、最所の事業立ち上げの3名を募った。

残酷な話だけど、最初のメンバーは強い。スキルもそうだし、ビジョンへの革新だったり。新規事業はとても不安。これに能力的にもマインド的にも乗り越えられる強さが必要だと思う。

(リクルート瀬沼さん)新規事業の仕組みRingは新規事業を作るためなのか、そのマインドを醸成するために必要なのか、哲学的に考えることもある。このRingは面白い仕組みで、いまは社外の人とも組むことができる。それこそ卒業した人と一緒にできたりもする。よい仕組みだと思う。

(Smartly.io 坂本さん)僕も昔は楽天にいたたので、新規事業の審査員をやっていた。でもこういうのって仕組みを作るだけでは応募は難しい。

(リクルート瀬沼さん)Ringの最終までイベントとしてお祭りのようにやる。起案の仕方でリーンキャンバスをみんなで考えたり、応募してもらうために毎日、迷惑メールよりメールを出したり。それでもその文化を容認する会社の風土がある。それだけ重要なことだと考えている。

新規事業の位置づけ

(クックパッド福崎さん)ずっとクックパッドにいるので色々と見てきた。クックパッドを伸ばすには生活のあらゆるものを考える必要があることがわかってきた。家の片付け、買い物、子育て、本当にいろいろある。こういうことを解決しないとクックパッドは次に進めないと考えた。

また対外的にも、利益は見ずに、キャッシュフローだけを見ると宣言している。

2012年まで料理の事業でやっていたが、そのあとに様々な事業もやった。僕たちは料理の力を信じている。家族の健康だったり。これまでの数年を取り返すために、料理の力でやるべきことがある。5年前とは会社が良い意味で全然変わっている。

(トレタ名取さん)社長がまず新規事業にコミットしている。なので新規事業への文化はできている。ただ既存事業の伸長ももちろん目指している。たまにコンフリクトはおこるが、問題にはなっていない。また作ったものに対して、NGをぶつけることはあまりない。エンジニアの方がプロダクトを作ってみたら「じゃぁやってみたら」という雰囲気になっている。

社長が新しいことが好きだというのもあるし、最終的にコミットできるなら、やってみようという雰囲気になっている。


ユーザーの声を拾うプロダクト改善


どいういう形でユーザーの声をプロダクトに取り入れられていますか?

(クックパッド福崎さん)ユーザーインタビューは薬だと思っている。必要なときに飲むと効果があるが、何もないときに飲んでも効果はない。

なので最初のうちは、自分の妄想を先にプロダクトにして世に出したほうが早い。そこから課題がでたり、仮説の検証をするときに、ユーザーインタビューは良い薬だと思う。

ウケないと思っているお笑いを観客にだしてもしょうがなくて、ウケると思っているお笑いを観客に出したい。

(リクルート瀬沼さん)初期は熱狂的に使ってくれているユーザーが重要だと思っている。もちろん離脱ユーザーの声も必要だけど、作り手のもちべーションとしても、訂正的だけど熱量は大事だと思う。ライトニングトークの登壇者はユーザーインタビューを通して、LINEグループで日常会話での友達になったりした。

ユーザーインタビューは誰がやってる?

(トレタ名取さん)みなさんと同じだけど、初期は自分達のものを作り、そこから仮説をもってユーザーの声を聞いている。またユーザーインタビューをすることで、ユーザーがよりファンになってくれることもある。

Q&A

エリクラは賃金の手数料でマネタイズするモデルかと思いますので、金額が小さい分トランザクションで勝負になると思いますが市場としてはどれくらいを見込んでますでしょうか?

(リクルート瀬沼さん)市場10億くらいなら撤退する、市場規模は最低100億は必要。

(トレタ名取さん)既存事業と同じ規模の市場になることを調べた上で、事業にしている。

(クックパッド福崎さん)やはり市場があるかは大事。数千奥の市場がなければ事業にしない。生鮮食品市場自体が2兆円。1%とれても2,000億円。また仕組み化は重要。これから人材確保が難しくなるので、人を増やさないとできない事業にはしない。

Toreta nowの行動分析設計はアプリ開発のどのあたりのフェーズから(リリースのどのくらい前から)取り組んでいたのでしょうか?

(トレタ名取さん)リッチですが、最初からデータアナリストと伴走していました。

(クックパッド福崎さん)いまはまだ10%もプロダクトの出来にもなっていない。仮説が重要だと思っている。サービスは戦争だといっている。非連続の波がある。なのでその波に合わせて作戦を作っている。 

最初のクオリティでのスタートに文句はいわれません?

(クックパッド福崎さん)そこまで世の中の人はプロダクトに興味がないと思っている。またそれだけ興味があるならある意味ファンということで嬉しいことでもありますね。


懇親会

今日はお寿司を頼みました。お寿司です。大事なことなので2回言いました。

と、懇親会のご挨拶でAPP DIVEの企画者の方がお話されていたのが印象的でした。

おいしいお寿司とドリンクを頂きました。普段はお話しする機会がない方とも出会えるのも嬉しいです。

ステキなイベントをありがとうございました。


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