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過去の詩(コロナ禍)

「1メートル」


触れたくても触れられなかった

話したくても許されず

そうして僕らは育ってきた

コミュ障なんて呼ばないで

記憶の中の君がどんどん薄れていって

おぼろげなまま

もし街ですれ違っても

きっと気付けないんだろう

見えない けれど重厚なカベの向こう

体温を感じられるほどの距離には

決して近づけない

僕の初恋は1メートル離れた

隣の机の君だった


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