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【バルミューダフォン】 バルミューダ社(と、寺尾社長)が「こう生きろ!」と叫ぶライフスタイルとは?

ちっさ!

高級トースターや扇風機でおなじみ「バルミューダ」社が満を辞して発表した新型スマホ、その名も「バルミューダフォン」。初見で思わず声に出たのはそんな言葉だった。
とにかく小さい。寸法はあらかじめ予習済みではあったが、まさに百聞は一見に如かず、である。まさかここまでとは。

比較

(筆者所有の「pixel4」との比較。「pixel4」も十分小型(画面5.7インチ/高さ147.1mm/幅68.8mm)なのだが)

ボディが小さい。それに伴い、画面の中のアイコンや文字表記もとても小さいものになっている。10年以上前のガラケーを思い出した。あの頃は、大画面にしたくても、する技術がなかったのだ。

文字小さい

(画面が小さいので、比例して文字も小さくなる。本当に、15年くらい前のガラケーを思い出した。VGA液晶になって細かい文字も表示できるようになった頃の)

世間では、その価格とスペックが相対しない、つまり高い(10万円する)クセにロースペックすぎる、いったい誰に売るつもりだ、との声が一斉に上がり、はたして何台売れるでしょうね、と嘲笑の的となっているが、そうなのか。
早速、本日11時に新規オープンしたバルミューダ社の総合モデルルーム、「バルミューダ ザ ストア」に見に行ったら驚いた、のが前述の通りである。ちっさ!
そして理解した。この機種は、価格がどうの、スペックがどうの、と言うところにあるものではないのだ。言ってしまえば「スマホを通じて世の中のライフスタイルを変えたい」となろうか。

ショップ

(バルミューダ ザ ストア。南青山の、高級ブティックが集積するあたりにある。家賃も高いだろうに)

画面が小さいから動画が見にくいのではなく、そもそもケータイ電話で動画なんて見るなよ、もっと外の世界を見ろよ、と言う。
スペックが低いのでゲームができないのではなく、スマートな大人は移動中にゲームなんてしないものだ。カッコ悪い。スティーブ・ジョブズが移動中にウマ娘やっていたか?やっていないだろう?なら、やるなよ。いい大人なら。
そんな、バルミューダ社社長、今回は久々に自らデザインし、プリセットされた効果音も作曲したと言う、骨の髄までスティーブ・ジョブズ大好きな寺尾社長からのメッセージ、いや説教か、「そんなんじゃ、スティーブ・ジョブズになれないぜ。だからダサいと言われるんだよ日本人は。俺のケータイを使って何かを学べ!」と言うアツい叱咤激励のカタマリが、この「バルミューダフォン」なのだ。そうでなければあり得ない。

確かに、バルミューダ社(と、寺尾社長)の今までを振り返ると、なるほど納得である。
机の上の電灯、デスクライトのデザインがどのメーカーも画一であることに目をつけ、「スティーブ・ジョブズが電灯を作ったら?」と革新的なプロダクトを作り(確かにカッコいい。それは認める)、他社がせいぜい売価1万円くらいのところに8万円で挑戦し、失敗。
次なる挑戦として秋葉原をくまなく歩いてたどり着いた先が、扇風機。これも、各社似たり寄ったりのデザインとスペック。
艶やかな白基調かつボタンが一切見えないデザインで新製品を発売し、今度は当たった。タワマンに住むくらいのレベルの富裕層が、「こういうのを待ってたんだよねー。扇風機は欲しかったんだけど、うちのこの素晴らしいタワマンに既存のダサいものは似合わなくてねー」と、買った。

この調子で次はトースターだ、今度は掃除機だ、はたまたコーヒーメーカーだ、レンジも売るぞ、と規模を拡大してきた会社である。
スマホもその延長線上にあると考えると、大いに合点がいくのだ。「スティーブ・ジョブズなら、どう作る?」と言う、一本筋の通った考え方。そして、付加価値をつけることで売って行く、高いからこそ売れるのだ、と言う信念。

スティーブ・ジョブズも鬼籍に入りはや10年。死人に口無し。
今回のスマホについては、はたして付加価値はあるのか。高いからこそ買いたい、と言う層にリーチをするのか。
バルミューダ社(と、寺尾社長)のアツいメッセージに心を動かされた人は、大いに買って、ライフスタイルをまずは自分から変えていけばいいだろう。そうではないと言う人は、他にiPhoneなり、AndroidでもpixelなりXperiaなり、中国製の安いのもいっぱいあるし、好きなのを選んで従来通り、もしくは従来よりもさらに進んだスマホのある暮らしを送ればいい。
少なくとも私(筆者・星野)は、次の機種もpixelでいこうか(なら6proか?)もしくはペリアもいいなあ、などと思案中。バルミューダ社(と、寺尾社長)の掲げる理想はわかった上で、でも画面がちっさいから見にくいんだよ!と言おう。ろくにゲームもやらないし動画も見ないけど、やはりあれはダメだ。
最後に、今日「バルミューダ ザ ストア」で「バルミューダフォン」をいじっているときに声をかけてきた店員さん(かな?もしくはバイトの人かな?)との会話をご紹介しよう。

店員:いかがですか?
筆者:小さいですね。とにかく小さいですね
店員:この大きさが手にフィットするかと思います
筆者:この大きさだと、動画視聴やゲームで遊ぶことはハナから考えていないのですか?
店員:うーん、そうですね。なかなか難しいかも。動画はよく見られるんですか?
筆者:ほぼ見ないですね。
店員:あ、そうなんですか。僕は結構見るんですけどね
筆者:じゃあ、これ(バルミューダフォン)はダメですね(笑
店員:いやー、あ、はっはっは(苦笑

実にほのぼのとしたやりとりであった。店員さん、家電量販店のケータイ売り場からヘルプできてたのかな?

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